映画『美しい星』リリー・フランキー×吉田大八監督が語り合う「UFOと三島由紀夫」。
現在公開中の映画『美しい星』は、数多くの抱腹絶倒の爆笑シーンと同じくらい、ハッと息をのむような特別な瞬間が刻まれた作品だ。その特別な瞬間とは、我々が日常生活で「電波系」とか「スピリチュアル系」とか、そうしたレッテルを貼って遠ざけてきた場所に潜んでいる「嘘のような本当のこと」であったり、あるいは「本当のような嘘」であったりするのだろう。三島由紀夫の異色SF小説を土台にした、そんなとてもアクロバティックかつデリケートな物語を映画化する上で、吉田大八監督はリリー・フランキー以外の役者を主役にすることは考えられなかったという。
近年役者として充実したキャリアを築いてきたリリー・フランキーにとっても、『桐島、部活やめるってよ』で映画賞を総なめにした吉田大八にとっても、新たな代表作と呼ぶに相応しい傑作となった『美しい星』。同じ1963年生まれ、現在53歳のその二人に、作中でも描かれるUFOについて、原作者の三島由紀夫について、そして現在の多くの日本映画が失ってしまった「人生を変えてしまうような映画」の力について、濃密に語り合ってもらった。インタビュアーは、宇野維正さんが務めた。
- Photo_Ayumi Yamamoto
- Interview&Text_Koremasa Uno
- Edit_Shinri Kobayashi