南埼玉どうぶつ病院の"院長の個人的な"ブログ

埼玉県さいたま市四谷にある、武蔵浦和駅が近い、犬と猫の腫瘍(癌、がん、ガン)と循環器内科(心臓病)に力をいれている動物病院です。
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テーマ:
その2 でございます。

$南埼玉どうぶつ病院の"院長の個人的な"ブログ

写真は関係ないけれども
保定されて面白い顔をした従業員の飼い犬銀次さん。


今回もダラダラと文章だらけでつまらんですぞぉ・・。


手術には麻酔が必要です。

麻酔しないで手術をするという論外な話は今回は致しません。

ヽ(`Д´)ノ そんなにしたいならば、勝手に「虐待」してくだされ。

人間だって相当精神力が強くないと、無麻酔で手術なんて無理でしょうな。
切腹だって大変です。

内臓痛ってのは下痢の腹痛どころではない痛みがあることでしょう。



麻酔薬として使うもの・・・

写真は載せませんが、
麻薬であったり、κ受容体拮抗薬であったり、鎮静剤であったり、睡眠導入剤であったりα2作動薬であったり。

プラス、ガス麻酔がメジャーです。

それに消炎鎮痛剤を併用することで痛みを軽減させます。

麻酔薬ってのは、色々な種類があります。

一番安全な方法としては、

古典的な注射麻酔を静脈点滴するのみでの麻酔ではなく、

色々な麻酔薬や、その前投与薬を併用して麻酔をかけます。

相性のいい麻酔薬と前投与薬を併用することで、

麻酔の副作用や作用をうまく調整することができます。

年齢や病気、動物種によって使い分け、ガス麻酔の必要量を減らしたりできます。

副作用の面から、注射麻酔を点滴に混ぜて麻酔をかけるのみ
というのはよほどの事が無い限りは、通常の麻酔では現代ではあまり行われません。

それでも例えば十分な鎮痛作用が得られなかったら、
(特に麻薬性)鎮痛剤を点滴に混ぜて使ったりします。

場合によっては、その鎮痛剤は麻薬を使います。

代表例がモルヒネですな。
まー、モルヒネなんて色々な意味で恐ろしいのでうちにはモルヒネないです。
別の麻薬指定されていない同系統のお薬を使ってます。

限界はありますけれどもね。


病院にあるものを調べてみましたが、

一つだけなぜか動物用医薬品で処方箋医薬品になってないものがありました。
(無論人間の薬は全部処方箋医薬品です)
「一応納書には、獣医師の指導のもと使用すること」
と書いてあるけれども、
業者が売ってくれれば、一般の方でも買えるわけです。
まぁ、売ってくれる獣医さんがいるかもしれません。
ここらだったら必要以上に売っても大丈夫なんでしょうかね?

ここに獣医業界を軽視している医薬品メーカーの態度がにじみ出てますね。

ただ、その薬だけじゃ鎮静しかかからないので、
麻酔レベルまで行きません。

激痛です。

それに麻酔レベルまでその薬をばーんと注射すると
呼吸抑制やら高血圧やらで死にそうです。

ちなみにそのレベルまで注射すると、
猫は吐きます。

多分犬も吐くことでしょう。


ただ、その薬。
一般人に売ってくれるのかどうか?

楽天じゃ・・・

売ってなかった。

ヽ(`Д´)ノ さすがにこえーよ。

売ってたら動物用とはいえ悪用できんじゃん。


とにかく、麻酔は獣医師法に違反しないで使用することは出来ても
薬事法に違反してしまうので手に入らないわけです。


では、脱法で麻酔をかけるにはどうしたらいいのか?

麻薬指定の薬でなければ、獣医に処方してもらえばいいのです。

で、薬を飼い主が自分で使う分には獣医師法違反ではないという(多分)。


で す が!

ただ薬自体をもらうのはいけません。
要指示や要処方箋医薬品はその個体に、その使用する時、必要以上に渡すと薬事法違反です。

例えば要指示薬は獣医が実際に触診や聴診などをして獣医学的に必要と判断して、その人が飼っている犬Aちゃんが今回使う分であれば渡していいのですが、
例えば薬をひと箱渡して、
「ほかの同居犬のBちゃんにも使ってもいいよ。体重がBちゃんは○キロだったら、このくらい一回で使うんだよ。」

ってのは薬事法上アウトなんです。

すいません~
「ノミダニのお薬ください~」
ってフロ○トラインを買いに来て
受付で動物看護士が勝手に自己判断で売るのは全然問題ないんです。
ですが、
「フィラリアの薬をください~」
って受付で動物看護士が勝手に自己判断で売るのは薬事法違反です。
獣医に聞かなくてはなりません。

無論、初回投与の際に診察をしないで薬を出した時点でその獣医はアウトです。


ちなみに普通渡すことも無いでしょうけれども、注射針を必要以上渡した時点でもアウトです。
去年ブリーダーさんにインスリン注射用の注射器を箱で売ってつかまってた獣医さんいますねー。

ちなみに誰が捕まるかっていうと、その場合は飼い主さんじゃなくて獣医です。
飼い主さんはそれを使って悪いことをしない限りはつかまらないので、安心してその獣医さんを訴えて下さい。


だから、例えば麻酔薬を
いくら獣医が判断して「体重1キロあたり○ml注射していいよ」と言ったとしても、

薬を一瓶、ひと箱(必要以上)、渡した時点で薬事法違反という・・・。

お分かりですか?



獣医が関わらないで麻酔をかけられないんです。
(人間の医者はどうなんだろうね?)

獣医師法は、獣医以外が医療行為をしてもいいと書いてあります。
(追記:実際には、獣医以外が診療を行って商売としてはいけないという文章ですが)
但し、それは金銭の受け渡しが無い場合に限ります。

逆に言うと、金銭が絡んでたら、いくら知識があっても獣医業を獣医以外がしてはいけないのです。

でも、獣医の手助けがあって、金銭が絡まなければ、獣医ごっこというか無資格の獣医になれちゃいます。

でも、動物病院じゃ働けません。お金がからみますから。

お金がもらえなかったら、無資格の獣医なんてなるメリットってないですよね。
うんうん。

いや、獣医になりたいとか、自己満足、ってのがあるか。

でも、いくら無料とはいえ、薬局でそろえた薬を手に握り締めて待っている、
そんなエセ獣医さんのところにかわいいわが子を連れてくる飼い主さんっていらっしゃるのでしょうか?

∑(゚Д゚) よく考えるまでも無かった。


(*^ー^)ノさて、お金かけたくないから自分で去勢したい!という飼い主さんのために、
麻酔薬等で協力してくれる獣医さんはいるのかどうか?
薬事法違反でばれたら捕まって廃業を覚悟で横流しする獣医さんはいるのか?
(後者は普通に居るんですがね)
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