数日前のとあるツイートをきっかけに、20年以上前に刊行されたひとつの小説がにわかに話題になった。
その名は『ロードス島戦記』。四国によく似た呪われた島ロードスを舞台にした、剣と魔法と尖り耳エルフの壮大な異世界ファンタジーだ。
ロードス島戦記 灰色の魔女 ORIGINAL EDITION<ロードス島戦記> (角川スニーカー文庫)
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当時日本ではまだ馴染みの薄いゲームだったテーブルトークRPG(D&D)の紹介のためのリプレイとして初めて世に現れ、それを元にゲームマスター水野良自身が小説化。初期の角川スニーカー文庫(角川文庫青帯)を代表する人気作品として、レーベルの礎を築く。以後、続編・派生作品も生まれ、また、コミック、アニメ(OVA、TVアニメ)、コンピューターゲームなど多数のメディアミックスもあり、日本のファンタジー小説史に金字塔を打ち立てる作品となった。
- 作者: 水野良,南々井梢,黒井みめい,稀周悠希
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そんなロードスが、今回ツイッター上ではどのような形で取り上げられたのか。事態の流れを簡単に整理しておく。
まず、5月22日、「我々世代のラノベ四天王」と題して、ロードス島戦記を含む80年代末から90年代前半にかけての著名ライトノベル四作品の表紙画像が添付されたツイートが投稿される。
我々世代のラノベ四天王 pic.twitter.com/kQKkr5WAqw
— にゃもこりん (@yomogikorin) 2017年5月22日
これが最終的には一万を超えるほどRTされ、広く拡散された。
そして、くだんのツイート及びそれに触発された?「みんなの初ラノベ教えてよ」タグ及び関連まとめ(「ロードス、スレイヤーズ、フォーチュン、オーフェン、我々世代のラノベ四天王!」「オーフェン、俺ら四天王で一番の新参過ぎない?」 - Togetterまとめ)に対して、ロードス島戦記はラノベなのか?ラノベではなく「ハイファンタジー」ではないのか?といった反応が現れる。
この、ロードスは(ハイファンタジーだから)ラノベではないという主張に対して更に、(あくまでラノベであって)ハイファンタジーではないだろう、という反論がなされる。
非常に大雑把だが、構図としてはだいたいこのような形になる。なお、ごく一部には「ロードス島戦記は“小説”ではない」という興味深い説もあったが、差し当たってはこれは無視していいだろう。
さて、この一連の状況の中には、ライトノベルと(ハイ)ファンタジーをめぐるいくつかの大きな問題が含まれている。いっそ問題しかないと言ってもよい。これについて考えてみることは、ライトノベル読者にとってもファンタジー読者にとっても*1、恐らく無意味ではないだろう、と思う。
「ロードス島戦記=ラノベ/ハイファンタジー論争」における問題点を、以下でひとつひとつ指摘していく。
1.角川文庫だからラノベではない?
ロードス島戦記(小説)がライトノベルではないとする集団の中には、その理由として、当初は(ライトノベルレーベルである角川スニーカー文庫ではなく)角川文庫から出版されていたことを挙げる人々がいた。これは果たして正しいのだろうか。
ロードスが最初は角川文庫作品だった、ということ自体は間違いのない事実だ。シリーズ第一作『ロードス島戦記 灰色の魔女』は、1988年4月に角川文庫から刊行されている。
ただ、ここで気をつけなければいけないのは、1988年4月時点では角川スニーカー文庫がまだ創刊されていないということ、そして、ロードスが出たのはたしかに角川文庫からではあるが、「角川文庫・青帯」であるということだ。
角川文庫・青帯とは何か。かつての角川文庫は、背表紙上部の帯の色によって作品を分類していた。緑帯が現代日本文学、赤帯が外国文学、というように。そうした状況で、1987年10月に「現代日本文学」の中でも特に少年少女向けとされる作品を独立させる形で生まれた新たな分類が「青帯」、ということのようだ。その創刊ラインナップは、富野由悠季の小説版『機動戦士ガンダム』。その他の収録作品の表紙を見ても、当初からアニメ・漫画・ゲーム的な要素を強く意識したカテゴリだったことがうかがえる*2。
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そして、1988年の夏頃からの公募により、青帯の新たな名称として「スニーカーシリーズ」が選ばれ、1989年8月には「角川スニーカー文庫」として正式に創刊、という流れになる。
つまり、角川文庫・青帯は角川スニーカー文庫の前身であり、実質的にほぼ同一の存在であると言ってもさほど間違いではない。
実際ロードス島戦記も、2巻『炎の魔人』までは角川文庫から出版されたが、スニーカー文庫創刊後である1990年2月発売の3巻『火竜山の魔竜(上)』以降はスニーカー文庫から出ているようだ。また、1、2巻も後の版では順当にスニーカー文庫へと移行している。
ただ、当時のスニーカー文庫と現在のスニーカー文庫の性質が全く同じものかというと厳密にはそうも言えず、たとえば、かつてスニーカー文庫内の女性向け・BLカテゴリーである「ピンク帯」という枠があったが、これは後に角川ルビー文庫として独立したレーベルとなるなど、収録作品の傾向にいくらかの変化は存在する。
そして春風にささやいて―タクミくんシリーズ (角川文庫―ルビー文庫)
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が、ことロードスに関して言えば、前日譚や続編がレーベルを変更することなく出続け、数年前にも新装版がスニーカーから刊行されたこともあって、スニーカー作品としてのアイデンティティを疑う要素は薄い。結論として、初期に角川文庫(青帯)から出版されていたという事実だけでは、ロードスがラノベではないことの根拠としては非常に弱いと言わざるを得ない。
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ラノベ史探訪(1)-「スニーカー文庫」:名称の公募から決定まで【前編】
2.「ライトノベル」という単語ができる前の作品だからラノベではない?
ロードス=非ラノベ勢の主張として、ロードスが出版されていた当時にはまだ「ライトノベル」という用語は存在しなかった(だからロードスをラノベと呼ぶべきではない)、というものもある。この論の妥当性を検証してみる。
まずは事実関係の話から。「ライトノベル」という言葉が最初に生まれた経緯は、ありがたいことに調査によって既にほぼ確かな形で判明している。
それによると、NIFTY-Serve(パソコン通信サービスのひとつ)のSFファンタジーフォーラム内の書評会議室から分割させたファンタジーの専門会議室、から更に、マンガ・アニメ的なイラスト(曖昧な概念だが何卒ご理解ご協力のほどを略)を使用した若者向け小説を専門に扱う会議室を作ることになったと。会議室の名前を決める際に、従来「ヤングアダルト」「ジュブナイル」「ジュニア小説」などで一括りにされ、また読者の間では「ソノラマ・コバルト系」「スニーカー・ファンタジア系」などと呼ばれていた一群の小説の総称を新たに決める必要があったと。そこで出てきたのが「ライトノベル」だった、ということだそうだ。これが1990年の話。
さて、90年といえば、ロードス島戦記は全7巻の内の3、4巻が発売されている年。つまりシリーズ継続真っ最中ということになる。従って、ロードス島戦記は「ライトノベル」という用語が生まれる前の作品、という主張は、少なくとも事実とは言い難い。
ただ、誕生によって即座に用語及び概念が広く共有されたわけではもちろんないだろう。これは想像するしかないが、当時のパソコン通信というのは現在のインターネットに比べれば非常に小規模なものだし、接続できる人間も限られていたはずだ。ラノベを熱心に読む層に「ライトノベル」という言葉が本格的に普及してきたと確実に言えるのは、2000年の2ちゃんねるのライトノベル板新設前後になるだろうし、非ラノベ読者層も含めた拡散ということになると、『ライトノベル完全読本』『このライトノベルがすごい! 』などのラノベ系ムックが出始めたゼロ年代中ごろ(いわゆるラノベ(批評)ブーム)以降、でもまだ早いかもしれない。
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そういう状況を加味して、ロードスの時期には「ライトノベル」という用語がまだ(世間一般には実質的に)存在していなかった、というのであれば、まあ、まだ話は通らなくもない。
では、用語の適用のしかたについての話に移る。
仮に、ロードス島戦記の時代には「ライトノベル」という用語がどこにも存在しなかったとして。いま現在ロードス島戦記を「ライトノベル」と呼ぶことに何か問題があるのだろうか。
何も問題がないような気がするのだが。
適切な例が思い浮かばないので敢えて不適切かもしれない例を挙げてみるが、たとえば天皇。天皇という称号があって、我々はふだん日常的に天皇天皇と口にしているわけだが、Wikipediaによるとこの「天皇」という呼び名が天皇に使われるようになったのは第40代の天武天皇あたりからだそうだ。では、それ以前の天皇、分かりやすいところで神武天皇を「天皇」と呼ばないかというとそんなわけはないだろう。なにが「彦火火出見」だ神武天皇のくせに。
このように、まず指示対象が先に存在していて後から名前が付けられる、また、新しい分類法が考えられ既存の対象がそこに含まれることになる、というのは、言葉の生まれ方としては特段珍しいものではないはずだ。むしろ言葉が先行して存在するケースの方が少数派では。
これが最初から分類名とセットで売り出されたような作品群及び概念、たとえば「新伝奇」*3だの「次世代型作家のリアル・フィクション」だのであれば、言葉の誕生以前に遡って適用することに抵抗を覚えるのも分かる。だが、ライトノベル的な出版形態自体は出版社側の工夫によって生まれたものであっても、前述のように「ライトノベル」という用語はあくまで受け手である読者側からの名付けである。どうしたって遡及的な命名にならざるを得ない。
というわけで、「ライトノベル」という用語がなかった頃の作品なのでロードス島戦記はラノベではない説には、妥当性がほぼないと言ってよいだろう。
また、ロードスは「ライトノベル」だが「ラノベ」ではない、という、「ライトノベル」と「ラノベ」を別物として使い分ける奇妙な論もいくつか見られたが、これも単に安易な切断操作と考えていい。
(参考)
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3.ライトノベルの「ライト」
ロードス島戦記は内容が「ライト」ではなく重いからラノベではない、あるいは、「ライト」だからラノベである、という主張。
このあたりの話題に関しては以前から個人的に何度も言及しているし、この前もブログで近い話を書いたばかりだ。
ほとんど同じ話を繰り返すことになるが、上の記事を読んだ人も付き合ってもらいたい。
ライトノベルはSFやミステリのような物語内容や構成によって定義される「ジャンル」とは違い、それらジャンルを内側に抱える「器」である。そのため、すべてのラノベの小説としての中身から共通の要素を見出すことは極めて難しい。もちろん(他の小説カテゴリ同様に)完全な自由があるわけではなく、漫画・アニメ的なビジュアルを用いる*4という出版形態や、基本的には10代の若者を主なターゲットとするという点、あるいは商業出版であること自体などから、その時々でこういった作品は少ない・出しにくいといった傾向がある程度実質的な制限として機能してはいるだろう。
しかし、この「ラノベ(レーベル)に多い・ラノベ(レーベル)から出しやすい」というだけに過ぎない内容*5をラノベの「定義」として採用することは非常に危険である。なぜならたとえ現在主流ではない内容であっても実際にラノベレーベルから出ている作品を、内容を基準に(ハーレムじゃないから、転生じゃないから、チートじゃないから、会話が少ないから……)「ラノベではない」と判断してしまうことは本末転倒にほかならないからだ。
だから、ラノベをあまり読まない人々、今回は「ライトじゃないからロードスはラノベじゃない」などと言ってる人々に注意してもらいたいのは、ライトノベルの「ライト」という部分には意味がないということだ。意味がない、と言い切ってしまうとさすがに言い過ぎなので、あなた方が真に受けてるほど大した意味はない、と言い換えてもいい。イラストを多用しているという点、加えて版型が主に文庫である点、せいぜいそれら外側の要素を指して「ライト」(軽やか)と言っているのだと思ってほしい。
そして、「ライトだからロードスはラノベ」側の人々にも、仮にロードスがラノベであるとしても、それは内容が「ライト」であることとはそんなに関係がないのだと思ってもらいたい(内容はライトだしラノベだと自分も思っているが)
ついでに言うと、内容が「ライト」かどうかでラノベを判定したがる人たちが持ち出す「ライトじゃない要素」、たとえば、死を伴うような激しい“バトル”とか、緻密に練り上げられた“設定”とか、四肢切断おもしろ“レイプ”とか……がしばしば、実際はむしろラノベと親和性が高いというか、エンタメ的というか、漫画っぽいというか、場合によっては、え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと、ガキくさく見られることすらある代物だったりするという問題もあって……
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4.ハイファンタジーの「ハイ」
ロードス島戦記がファンタジー小説であることは間違いがないが、「ハイファンタジー」である/「ハイファンタジー」ではない、そのいずれが正しいのか。
そもそもハイファンタジーとは一体なんだろうか。困った時にはすぐにWikipediaに頼ろう。
ハイ・ファンタジー (High Fantasy)は、ファンタジーのサブジャンルの1つ。「異世界ファンタジー」と呼ばれる事もある。
独自の世界観や歴史をもつ架空の世界(異世界)を主な舞台とし、現実世界(の直線的な歴史や風俗)とはかかわりが薄いのが特徴の物語で、ロー・ファンタジーと対比して使われる語句である。明確な定義ではないが、
ハイ・ファンタジー:異世界(現実とは別の世界)を設定し、そこで展開する物語。
ロー・ファンタジー:現実世界を舞台にし、そこに魔法や妖精など異質な存在(ファンタジー的な要素)が介入してくる物語。これらの違いは要素が異世界で完結するか、流入する場合の2つに分けられる。
ふむふむ。
この定義を素直に解釈するならば、異世界「フォーセリア」内の、ロードス島とその周辺(暗黒の島マーモ。面積は愛媛県ぐらい)だけで物語が完結しているロードス島戦記は間違いなくハイファンタジーと言ってよさそうに思える。
だが、ロードス=非ハイファンタジー勢があまりに堂々と自説を披露していたり、上の記述をツイッターで引用した際に、
wikiのハイファンタジー項みてたらいつの間にこんな定義がという気分に
— 鰻太 (@unagifutoshi) 2017年5月26日
なるほどソースはwiki
といった皮肉を受けたりしたせいで、少々自信がなくなってきた。ロードスはハイファンタジーではない勢が(そして恐らくはロードスはラノベではなくハイファンタジーである勢の多くも)前提にしていると思われる「ハイファンタジー」の定義を検証してみよう。
ロードス島戦記は「ハイファンタジー」じゃない? - Togetterまとめ
ロードスがハイファンタジーだと思ったことはないし、あれは間違いなくあの時代のライトノベルだったよ
— 光のエビさん (@AB_MkIII) 2017年6月1日
ハイファンタジーって単純にその世界の中で完結してる(現代人が異世界に飛ばされるとかの要素が無い)ファンタジーの事じゃないんですか?
— neoMIO㌠ (@MIOzockNEO) 2017年6月1日
んー、辞書的な定義ではそんな感じかもしれませんが、ファンタジーファンの間でのニュアンスはもう少しなんていうか「高尚」な意味合いを含んでると思います
— 光のエビさん (@AB_MkIII) 2017年6月1日
ざっとまとめを読み直してみた感触では、異世界ファンタジーであるという点はだいたい共有されているようだが、その上で「高尚」とか「世界の作り込み」とか「海外翻訳作品(指輪とかゲドとかエルリックとか)っぽさ」などがキーワードになっているようだ。どれも曖昧なものなのでなんとなくの話になるが、これらの「ハイファンタジー」は、エピック(叙事詩)ファンタジーとかハードファンタジーとか呼ばれるジャンルに近いものを指していると見てよさそうだ。異世界を舞台にした架空の歴史小説、のようなものと定義できそうなエピックに比べると、ハードファンタジーの「ハード」はやはり曖昧だが。
こういった「高尚」基準ハイファンタジーと、異世界であるかどうかの「舞台」基準ハイファンタジーとでは、どちらが本来の用法なのか。というのは自分には断言できない。これだけの人数がハイファンタジーを「高尚」寄りに解釈しているのだから、もし仮に誤用だとしても少なくとも一時期一定の範囲においてはそういう用法、ニュアンスが主流だったことがあるのだろうし、そういう意味では「高尚」ハイファンタジー使用者への配慮もある程度必要だろうとは思う。
ただ、英語版Wikipediaの「High fantasy」のページにおいても、「ジャンル概要」では舞台を基準にしたハイ/ロー定義が載っていることには一応触れておきたい。
High fantasy is defined as fantasy set in an alternative, fictional ("secondary") world, rather than "the real", or "primary" world.[citation needed] The secondary world is usually internally consistent, but its rules differ from those of the primary world. By contrast, low fantasy is characterized by being set in the primary, or "real" world, or a rational and familiar fictional world, with the inclusion of magical elements.[3][4][5][6]
(自動翻訳)
高いファンタジーとは、「本物」すなわち「主」の世界ではなく、代わりの、架空の(二次的な)世界でのファンタジーセットです。[ 要出典 ]二次世界は、通常、内部的に一貫しているが、そのルールは主世界のものとは異なります。これとは対照的に、低いファンタジーは、主要な、つまり「本当の」世界、または合理的で親しみのある架空の世界に、魔法の要素が含まれていることが特徴です
つまり、ハイ=異世界、ロー=現実(に近い)世界というファンタジー分類が、日本でごく最近になって勝手にでっち上げられたような(たとえば「小説家になろう」のジャンル再編時とか)ものではないらしい、ということだけは言い切ってもよさそうだ。これ以上のことは詳しい(そして英語が堪能な)人の解説を待ちたい。
今ではロードス島戦記がハイファンタジー扱いされてて時代を感じる。
— kaz (@kz_tk) 2017年5月23日
なんか最近ロードス島戦記がハイファンタジーとかの世迷言が散見されるんだけど、ロードスはほぼほぼ間違いなくヒロイックファンタジーの範疇でしょう。
— KirinP@SideMツアー東京ほしい (@TAKA_KIRIN) 2017年5月30日
これは貶しじゃなくて、ね。
そのあたりの感覚的なゾーニングが全体にズレてきてるのかなぁ?
ロードスがいまはハイファンタジーなのか。当時はロードスは読めるけどハイファンタジーはよくわからんって感覚やったんやけど。というか、今も。
— ひろ (@westwarddrift) 2017年5月31日
多分ここにまとめられている方々より私は古い世代に属すからだろうけど……。「ロードス島戦記」をハイファンタジー扱いしたら、私より上のガチ世代の方々から、冗談抜きの「正座で説教、一時間オーバー」コースをくらうよ。 https://t.co/LkFuurnOpL
— Yuko Minaduki (@magenta_wing) 2017年5月30日
もう一つのラノベ関連リツイートを読んで、今更ながらに知ったけど今と昔で「ハイファンタジー」の定義って違うの?! 昔は翻訳もののガッチガチな奴のみが正統派、的扱いだったのに……。自分の老害感にちょっと驚いてみる。
— Yuko Minaduki (@magenta_wing) 2017年5月30日
(参考)
5.「ラノベ」と「ハイファンタジー」の関係
以上のことを踏まえた上で、果たしてロードス島戦記は「ライトノベル」なのか「ハイファンタジー」なのか。
という問いにほとんど意味がないことはもう説明する必要がないだろう。
仮に、「高尚」側のハイファンタジー定義を全面的に採用して、しかも、ある作品がそう認められるハードルを可能な限り高く設定したとする。それでも、「ハイファンタジー」であることと「ラノベ」であることは基本的には両立可能であり続ける。「ラノベ」はジャンルを限定するものではないし、たとえ「ハイファンタジー」の「ハイ」が単なるジャンルを超えて作品の出来の良さを対象にした称号のようなものだとしても*6、「ライトノベル」の「ライト」は、良くも悪くも作品の質とは関係がない。
個人的な見解を言うなら、ロードス島戦記は「ハイファンタジー」(異世界ファンタジー)であり「ラノベ」である。これ以上の説明が必要とは思えないし、説明のしようがない。
面白いのは、「ロードスはハイファンタジーなのでラノベ(なんか)じゃない」と言う側と「ロードス(なんか)はハイファンタジーじゃなくてラノベ」と言う側が、結論は正反対でも、考えかたの方向性としてはさほど変わらないということだ。共に、「高尚」のハイファンタジー定義を採用し、「ラノベ」と「ハイファンタジー」を二者択一の関係にあるものとして考えている。そして、どちらも相手についてお互い「あいつらはまともな知識がないからそんな的外れな認識になるのだ」と思ってそう。
いやいや、ロードスはライトノベルの域じゃないよ(笑)
— 高橋知宏 (@tomtom19790214) 2017年5月28日
完全なハイファンタジー。
あの頃はラノベなんて言葉がなくて角川スニーカーでも骨太な作品多かった。
https://t.co/ogibqMqGNC
ロードス島戦記がハイファンタジーって言ってる層は元がTRPGって知らん層ってことでFA?
— 蒼玲@アニラ難民 (@Sourei_ao) 2017年5月31日
この件から何か教訓を見出すとすれば。
第一に。よく知っているつもりの対象であっても、ネットで言及する時にはなるべく1分でも10秒でもググって確認してからにした方がよい。
第二に。相手を笑う時には自分も笑われる覚悟が必要。
そして第三に。グランクレスト戦記*7アニメ化楽しみですね(教訓?)
グランクレスト戦記 1 虹の魔女シルーカ (富士見ファンタジア文庫)
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