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珍客シマアオジ撮れた 熊野の中井さん御浜で観測

御浜町で確認された雄のシマアオジ=中井さん撮影

写真

 環境省レッドリストで絶滅危惧種に指定されているホオジロ科のシマアオジが御浜町内で見つかり、「日本野鳥の会・三重」会員中井節二さん(64)=熊野市久生屋町=が撮影に成功した。国内では北海道で見られる渡り鳥だが、本州で観測されるのは珍しいという。

◆絶滅危惧種の渡り鳥

 撮影は五月二十九日午前八時ごろ。周囲に田畑が広がる市木川の岸辺にいるのを確認し、二十メートルほど離れた位置から写真に収めた。自身、三十年以上前に北海道で見たことがあり、「色ですぐに分かった」と話している。

 シマアオジは体長一五センチほど。雄の夏羽は上面が赤栗色で、大きな白斑がある。頭部前面は黒く胸に帯状の褐色が見られ、下面は鮮やかな黄色。中国南部や東南アジアで越冬し、ユーラシア大陸北部や北海道などで繁殖するとされる。

 サロベツ湿原(北海道豊富、幌延町)で観察を続けるNPO法人「サロベツ・エコ・ネットワーク」の長谷部真さん(40)ら専門家によると、この鳥は世界的に減少しており、国内では現在、同湿原で見られるのみ。最近では五組のつがいが営巣しているのが確認されており、「本州での確認は非常に珍しい」と驚く一方「絶滅にひんしていることを多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 (福永保典)

 

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