もうすぐ梅雨ですね。今日は悲しい泣ける話に挑戦してみました。
ナメクジ兄妹の別れの話。どうかハンカチを用意してお読みください。
築50年のボロアパートが燃えている。
アパートは無人だったが、実は沢山の生き物達が住み着いていた。
多くの生き物が逃げ延びた中、残されたナメクジの兄妹がいた。
妹「もう無理よ!私達、助からない!」
兄「あきらめるな!まだ方法はあるはずだ!」
妹「だって!私達ナメクジよ!さっき亀にも抜かれたわ!」
迫りくる火の海を前に、二人は絶望を感じていた。
カタツムリ「私は逃げないよ」
妹「カタツムリさん!」
兄「どういうことだ!焼け死ぬぞ!」
妹「あ!あのマークは!住友林業のロゴよ!
きっと耐火性に優れた殻なんだわ!」
カタツムリ「そういうことだ」
するとカタツムリは壁の方を指差した。
カタツムリ「お前達はその穴を抜けなさい。外への近道だ」
兄「ありがとう!あんたも死ぬなよ!」
カタツムリ「耐えてみせるさ」
二人は穴の中をしばらく進んだが、煙が凄くて進めない。
仕方なく兄妹は引き返す事にした。
その時!先に戻った妹が叫んだ。
妹「お兄ちゃん!カタツムリさんからいい匂いがする!」
カタツムリは良い具合に焼けていた。
兄「あのバカヤロー!
エスカルゴになりやがって!」
妹「お兄ちゃん、どうする!?」
兄「もうどうにもならん!バジルでもかけとけ!」
エスカルゴはもっといい匂いを発した。
その後も二人は迫りくる炎から逃げ回った。
妹「お兄ちゃんあれを見て!」
ロケット花火が1本、床に転がっていた。
最後に行きついた部屋は昔、子供部屋だったようだ。
兄「よし!このロケット花火に乗って、脱出するんだ!」
妹「でも、これ一人しか乗れないわ!」
兄は無理やり妹を乗せた。
兄「お前の花嫁姿、見たかった」
妹「いやああ!お兄ちゃあああああん!」
兄は黙って導火線に火を着けた。
兄「幸せになれよおおおおおおおおおおおお!」
妹「お兄ちゃあああああああああああああん!」
無常にもロケット花火は発射された。
「ピューーーーーーーーーーーーー・・・・
パン!!!」
あっ・・・!!!Σ(゚ロ゚;)←兄
現実は厳しかったようです。
完
(補足:ロケット花火は最後パン!と爆発します)
あとがき。
ちなみにカタツムリは貝の仲間だそうです。
カタツムリが機動力を求めて進化したのがナメクジ。
つまり「高機動型カタツムリ」がナメクジなんです!
あと、最後ロケット花火が飛び立つ辺りで流れる曲です。
映画「アルマゲドン」のテーマ曲「I Don't Want To Miss A Thing 」
ED代わりにどうぞ。