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米パリ協定離脱「歴史的過ち」 批判広がる

2017/6/2 11:35
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 【ニューヨーク=大塚節雄】トランプ米大統領によるパリ協定からの離脱表明を受け、米国内外で1日、強い反発が広がった。首都ワシントンでは抗議デモも発生。一方、炭鉱業が盛んな地域では歓迎の声も上がった。

1日、ホワイトハウスの外に集まりトランプ米大統領のパリ協定離脱表明に抗議する人々=AP

 国連のグテレス事務総長は「とても失望する」との声明を出し「環境問題で米国がリーダーであるのは重要だ」とクギを刺した。「持続可能な未来へ米政府や米国のあらゆる関係者との連携に前向きだ」と指摘した。

 昨年の大統領選をトランプ氏と争ったヒラリー・クリントン氏はツイッターに投稿し「歴史的な過ち」と指摘。「離脱は米国の労働者や家族を置き去りにする」と批判した。オバマ前大統領も声明で、トランプ政権が「未来を拒む少数の国に加わった」と批判した。世界でパリ協定に加盟していない国はシリアとニカラグアの2カ国だ。

 1日夕にはホワイトハウスの近くで環境団体の呼びかけによる抗議デモが起き、集まった人たちが「気候の危機に目覚めよ」「科学は命を救う」などと書かれたプラカードを掲げ、決断を翻意するよう求めた。

 経済界でも批判が広がった。大統領への助言委員会委員を務めるテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はツイッターに「委員会をやめる」と改めて表明。「気候変動は真実だ。パリから離れることは米国、世界にとって良いことではない」と投稿した。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルトCEOはツイッター上で「決定に失望した」とし、「産業界はいまや政府に頼らずに(温暖化対策を)リードしなければならない」と独自対策を進める決意を示した。IBMは「米国が協定に加わるか否かにかかわらず、温暖化ガスの削減に向けた長年の活動を続け、顧客も支援する」とする声明を発表した。

 一方、温暖化ガスを多く出す石炭産出地では歓迎の声が出た。ウェストバージニア州のモリシー司法長官は地元メディアに「今回の発表は州内で働く家族にとり大きな勝利だ」と話した。同氏は他州の司法長官とともにトランプ氏に協定離脱を促す書簡を出していた。

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