水産白書「日本は資源管理で大きな責務」

水産白書「日本は資源管理で大きな責務」
政府が、2日の閣議で決定したことしの「水産白書」は、水産資源の枯渇を防ぐための国際的な管理を実現するには、世界有数の消費国で、近くの海域では資源の減少も懸念されている日本が「大きな責務を負っている」と指摘しています。
ことしの「水産白書」では、世界各地で漁獲されているすべての種類の水産資源のうち、過剰に漁獲されている資源の割合は、4年前の2013年には、すでに全体の31%に上っていると警鐘を鳴らしています。

さらに、魚介類の消費量は、中国をはじめ新興国で著しく増加したことから、過去50年で倍増していて今後も増え続けるとしています。

これに伴って日本近隣の海域では、中国などの漁船によるサバやサンマの漁獲量が急増し、資源への影響が懸念される実態を説明しています。

こうしたことから、白書では、水産資源の枯渇を防ぐには、日本が国際機関で主導的な役割を果たして、適切な管理を実現することに「大きな責務を負っている」と指摘しています。

水産資源の管理をめぐって、日本は「太平洋クロマグロ」で、国際的に割り当てられた漁獲量を超える事態となり、国際的に批判が高まっています。

山本農相「資源管理徹底し国際的発言力出る」

山本農林水産大臣は閣議のあとの記者会見で、ことしの水産白書に関連して「世界の漁獲が増えていることへの危機感から、水産白書では責任ある漁業国として、国際的な資源の持続的な利用を確保するための方向性を考察した」と述べました。

そのうえで山本大臣は、国際的に割り当てられた漁獲量を超える事態となり、日本への批判が高まっている太平洋クロマグロについて、「クロマグロは日本の魚食の典型であり、漁獲の自制をきっちりとすることによって国際的な発言力が出てくる」と述べ、日本みずから資源管理を徹底し国際的な発言力を確保したいという考えを示しました。