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#hobiwolog

ホビヲログ、趣味に生きるホビヲのブログ。

地球外生命体が出てくる、切り口が斬新な10本の映画

地球外生命体が出てくる映画が好きだ。

得体の知れない存在への不安、恐怖。友好関係が築けるのか、逃げるべきか、それとも戦うべきなのか。対峙する人々は判断を迫られる。様々な感情が渦巻く中に、映画の醍醐味が凝縮されていると思う。

個人的に外せない、地球外生命体が出てくる10本の映画を紹介する。

1.サイコサスペンス映画「10クローバーフィールドレーン」

10クローバーフィールド・レーン (字幕版)

気がつくと地下室に監禁されている女性。必死に逃げようとするも、監禁した男は言う。「善意で助けてやったんだ。ありがたく思え」と。状況だけに信じるべきか、疑うべきか心底分からなくなる。

オープニングの演出から「ただのおバカ映画じゃない!」と確信。女性の取る行動もいちいち納得でき、異常な状況下ながら、自然と感情移住できる。途中までは。後半、「おい!おいおいおいおいおい!!!おーーい!おーーーーーーい!!!!」という展開になるが、個人的には大満足。

「クローバーフィールド」と遺伝子を同じくする映画とは言い得て妙。同じ事象を違う視点から描いた、まったく別ジャンルの映画。今後も続編が作られるという。製作はJ・J・エイブラムス。彼の遊び心にしばらく翻弄されそうだ。

2.POV映画「クローバーフィールド」

クローバーフィールド/HAKAISHA (字幕版)

POVは、Point of View Shotの略。本作は、カメラの視線と登場人物の視線が一致した映像で展開する。個人的にはPOV作品は、酔う。観るたびに吐き気を催す。三半規管が弱い人は注意が必要だ。

主人公は日本への転勤が決まった男性。冒頭は彼が主役のお別れパーティーが舞台。参加者から彼へのメッセージ「いってらっしゃーい!がんばれよー!」という映像が続く。アメリカ人は本当にパーティーが好きなようだ。それをぶち壊しにする地球外生命体襲来。混乱の中、逃げ惑うシーンの連続となる。POVだけに、この流れが絶妙にリアル。ちなみに、本映像は「重ね録り」されており、先の映像がうまく利用され映画として完成する。見事な演出。

低予算で制作できる言われるPOV映画。しかし、J・J・エイブラムスは、お金をかけまくる。破壊される建造物、逃げ惑う人々、米軍の火力攻撃、想像を絶するスケールの怪獣が、映像に収められる。俺がPOVやったらこうするぜ、という気合を感じる。

3.モキュメンタリー映画「第9地区」

第9地区 (字幕版)

地球外生命体の乗った船が南アフリカ共和国上空に座礁。人間サイズの虫が、街中にあふれかえる。政府は虫たちを第9地区に押し込め、人間の生活圏が侵食されないように隔離政策をとる。隔離政策というキーワードは、アパルトヘイトを想像してしまう。

物語の主人公は、虫たちを管理する担当者の男性。テレビスタッフを前に、組織の説明をする演技が気持ち悪いほど自然で、まるでドキュメンタリー映像。他にも一部シーンでは、モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)的演出が採用されている。荒唐無稽な地球外生命体の登場シーンと、リアルなモキュメンタリーシーンの混ざり合いが絶妙で、妙なリアリティーを保っている。

いままで人権も何もないと思っていた虫に、もし自分がなってしまったら。主人公の涙をみて、考えずにはいられない問題作だと思う。

4.B級映画「マーズ・アタック!」

マーズ・アタック! (字幕版)

豪華役者陣が出演し、お金をかけた最高のB級映画。ティム・バートン監督からの出演オファーを快諾した大物俳優たちは、完成した作品を観てどう思ったのか。みんな後悔していないだろうかと心配になる。それほどまでにB級テイストなおバカ映画だ。

いかにもな地球外生命体が、地球に襲来。どうみても侵略目的のビジュアルだが、友好関係を築こうと笑顔で握手をするアメリカ大統領。しかし彼らの殺戮が始まる。笑ってしまうほどの大量虐殺。人類滅亡の危機。

通常兵器も通用せず打つ手なしの状況。このまま侵略されてしまうのかと諦めかけた時、ダメダメなやつらが宇宙人の弱点を発見し形成を逆転。その逆転劇も痛快だが、宇宙人の弱点というのが傑作。別の映画、トム・クルーズ主演、スピルバーグ監督作の「宇宙戦争」では、宇宙人のあっけない弱点にラストでぽかーんとしてしまったが、本作は違う。その手があったか!という、ビジュアル的にも、サウンド的にも究極的な方法で反撃する。

これほど見事な弱点を持つ地球外生命体は、目にしたことがない。今後もお目にかかることはないだろう。

5.スピルバーグオマージュ映画「スーパーエイト」

スーパーエイト (字幕版)

スピルバーグの後釜と言えば、J・J・エイブラムス。師匠と弟子、天才と天才の究極のコラボの結果が本作となる。ETのときより少し大きくなった子供たち、家庭内に不和を抱えていたり、主人公の少年が気弱だったり。そんな彼らが8ミリで自主映画を撮影する。その最中に事件は起こる。「スーパーエイト」は8ミリフィルムの規格のこと。映画少年であった天才二人の極めて個人的な物語でもある。

J・J・エイブラムスの風呂敷の広げ方は見事で、前半のドキドキ感はそんじゃそこらの映画の比ではない。中盤までは最高に面白く、後半風呂敷をたためる映画とたためない映画の差が激しい印象。本作はその中間だと思う。本編の尻つぼみ感は否めないが、エンドロールに流れるもう一つの映画が最高なのだ。

タイトルが「スーパーエイト」であるように、これは子供たちが映画を制作する物語。実は、エンドロールで流れる映画の方が本編なのだと思う。二人の天才はそこまで考えてこの作品を作っているはず。なのでやはりこの作品は名作なのだと思う。

6.ロボットバトル映画「パシフィックリム」

パシフィック・リム(字幕版)

めちゃくちゃごっつい怪獣(地球外生命体)が襲ってきたので、めちゃくちゃごっついロボットを作って戦う話。規格外サイズの怪獣とロボットが戦っているシーンだけでも感涙モノ。かつてみたあのアニメシーンが実写で堪能できるとあり、それだけで感謝したくなる。ギレルモ・デル・トロ監督ありがとう!

ロボットの動かし方も、アニメっぽい。「え?二人?右手は右の人?左手は左の人?え?えええ?足は?足、二人三脚??無理でしょ、、絶対不可能でしょーーー!」とはならない。だって、アニメなんだから。あんなにおっきいロボットを動かし、怪獣をやっつけているのだから。素人はつべこべいうべきではないのだ。かっこよければいいのだ。

本作で注目すべきは、怪獣と戦うために全世界、全人類が一丸となるところ。地球を護るために仲違いしている場合ではない。国益を超えて怪獣に打ち勝つロボットを開発し、各国は人類の存続をかけて戦っている。怪獣の襲来のおかげで、はじめて人類は協力するという皮肉を感じた。

7.セクシーエイリアン映画「スピーシーズ 種の起源」

スピーシーズ 種の起源 (字幕版)

地球外生命体が出てくる映画は基本的に人類目線だ。異なる種族を恐れ、自身の種を守るために戦う。しかし「スピーシーズ 種の起源」の前半は地球外生命体の目線、自身の変化に怯える少女目線で描かれる。

地球外生命体から得たDNA情報を基に作られた少女。閉じ込められ、監視され、毒殺されそうになる。どうしてこんな目に合わなければならないの?という理不尽さ。生きるため少女は研究所から脱出、その後自身に訪れる変化に怯える。そのあたりは、映画「ザ・フライ2 二世誕生」に通じるものがある。

列車の中で、まさかまさかの視点の切り替えが行われる。H・R・ギーガーの造形物を介して、少女は大人の女性に生まれ変わる。このあたりの視点の切り替えが見事。ただ、セクシーエイリアンとなることで本作はB級映画確定となる。種を残すために当然の流れなのだが。

8.あの人なんか変わったね映画「パラサイト」

パラサイト [DVD]

子供から大人に生まれ変わる思春期。大人もなんだか信じられない。なんだかいつもと様子が違うけどそんなものか、と思っていたらみんなの体は地球外生命体に乗っ取られていた!という話。

あの人なんか変わったね(実際は宇宙人に乗っ取られてた!!)作品はたくさんある。何度もリメイクされている「ボディ・スナッチャー」(ドナルド・サザーランドの顔が忘れられない)をはじめとして、グラサン映画「ゼイリブ」(レイバンが欲しくなる)や、マクマクラン映画「ヒドゥン」(フェラーリに乗りたくなる!)や、酔っぱらい映画「ザ・ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(ビールを飲みたくなる)も。ドラマであれば「V」(旧バージンしかみてないけど)、漫画であれば「寄生獣」などなど。

共通するのは、いつものあの人の様子がなんか変、という違和感。それが自分の気のせいなのか、何か別の理由があるのか。人間を乗っ取り、擬態する地球外生命体。日常の人間関係に侵食してくる彼らをみて観客は不安になる。

もしかして、あの人乗っ取られてるのかしら。映画を観終わった後、日常生活で不安になることもある。

9.シャマラン映画「サイン」

サイン  (吹替版)

シャマラン映画が好きな人をシャマラニアンと呼ぶ。ぼくは自称シャマラニアンだ。そこまで熱狂的ではないので、コシャマラニアンかもしれないが。

多くの人はM・ナイト・シャマラン監督を、絶対どんでん返しを仕掛けてくるインド人と思っているようだ。「シックス・センス」の印象が強く仕方ない側面もあるが、シャマラン作品の魅力は、どんでん返しではない。「もし、○○だったら」という突拍子もない設定、そのあり得ない設定を信じ込ませるストーリーテリング、観客をグイグイ引き込む卓越した演出。むしろオチはどうでもよくて過程を楽しませてくれるフィルムメーカーだと思う。

妻の死により、神への信仰を失った元牧師が、様々な兆候(サイン)を目にする。自分が信じるべきものは何なのか。信仰心ゼロのぼくにとっては、共感できないシーンも多いが、全編を通じて「信じる」とは何かを考えさせられる。

結論、妻のメッセージ「かっ飛ばして」が、そっちかっ飛ばすんかーーーい!とつっこみまくるコメディ映画だと思っている。シャマラン最高。

10.低予算映画「モンスターズ/地球外生命体」

モンスターズ/地球外生命体(字幕版)

ハリウッドと日本で、低予算映画の意味合いが異なるらしいが、Wikipediaによると、本作の設備機材費は1万5千ドル、製作費は50万ドルとのこと。許可無しでのゲリラ撮影を敢行し、その場にいた人たちがエキストラになっているというあたり、予算のない中最高の画を撮ろうとした自主制作っぷりが伝わってくる。しかしクオリティが異常に高い。

ギャレス・エドワーズ監督は本作1本で才能を認められ、次に「ゴジラ」、そして「ローグ・ワン」の監督へ抜擢されただけでも分かるだろう。

地球外生命体のサンプルを持ち帰る途中、メキシコ上空で大破したNASAの探査機。その後、メキシコでは謎のモンスターが現れ、立ち入り禁止区域となる。新聞社の社長令嬢と末端のカメラマンの二人、自国に戻るための逃避行の中、二人はああああああああああああーーー!!!そんなぁああああーーーー!!!!!!だめーーー!!!

ってなる映画。