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【政治】

知る権利を保障せねば「政府の信頼落とす」 公文書管理巡り有識者

 衆院憲法審査会は一日、「新しい人権」を巡り、有識者四人が出席して参考人質疑を行った。新しい人権の一つ「知る権利」に関連し、学校法人「森友学園」を巡る交渉記録破棄など政府の公文書管理が取り上げられ、有識者からは、政府に対して国民の信頼を得る努力を促す意見が出た。

 憲法審では、共産党の赤嶺政賢氏が、森友学園の交渉記録破棄や、学校法人「加計学園」を巡る文書の存在について政府が再調査を否定している問題、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題について、有識者に考えを聞いた。

 これに対し、NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子氏は「短期に廃棄されたが、アカウンタビリティー(説明責任)を果たすためには(保存が)必要だったという文書がかなりあることが分かった」と指摘。政府が説明責任を果たさず、国民の知る権利が保障されなければ「政府そのものの信頼性を落とす。行政組織の仕事が信頼できるかが問われている」などと語った。

 三木氏は、非公開や秘密が多い外交や安全保障、治安維持などの情報は、人権とぶつかりやすい分野と指摘した上で「(情報の)非公開や秘密保護が成り立つには、政府が信頼できるか、信頼されるための努力をしていることが大前提だ」と強調した。

 憲法審には、宍戸常寿(ししどじょうじ)・東大大学院教授、小山剛・慶大教授、小林雅之・東大教授も出席。小林氏は、大学など高等教育を無償化する改憲に関し「現状では世論の支持が得られない恐れが強い」と話し、国民投票にかけても否決の可能性があるとした。 (清水俊介)

◆森友記録「復元できない」危惧 システム定期更新、財務省「影響ない」

 財務省は一日、省内のコンピューターシステムの定期更新を終えた。このシステム更新に対しては、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」が、大阪市の学校法人「森友学園」と同省の国有地売買の交渉記録を「復元できなくなる」と懸念している。

 財務省では四年に一度、省内のシステムを更新している。同省文書課は「古いシステムから新しいシステムにデータをすべて移行しており、更新による影響はない」と説明する。

 だが、財務省の説明に対して、クリアリングハウスは「(このシステム更新によって)一度消去しても、コンピューター上には残っているデータを復元できなくなる可能性が高いのではないか」と危惧する。

 財務省が廃棄したと説明し続ける森友学園との交渉記録を巡っては、クリアリングハウスが五月十九日、「復元できる可能性がある」として電子データの保全を東京地裁に申し立てていた。データ保全は三十一日却下されたが、同法人は抗告の準備をしている。 (白山泉)

 

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