闇株新聞[2017年]
2017年6月1日公開(2017年6月1日更新)
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正体は明かしていない。
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著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。

闇株新聞[2017年]

闇株新聞編集部
 

『闇株新聞』は、新聞、雑誌などの大メディアの経済記者や金融業界関係者、プロ級の個人投資家がひそかに情報源にしている。連載『週刊闇株新聞』では、ダイヤモンド社グループの有料メルマガ・DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)『闇株新聞プレミアム』で配信しているディープな闇株的考察のダイジェストや「闇から暴く相場の真実」というスタンスのもと株、為替、日本国債、世界経済の今後などについて解説していきます。

闇株新聞編集部

ビットコインが3カ月で270%の急上昇!
暗号通貨はバブルなのか、それとも…!?闇株新聞が見る「暗号通貨」の熱狂相場

ビットコインの価格変動に投資家/トレーダーの注目が集まっています。3月半ばには1ビットコイン=1000ドル近辺だったのが、2カ月あまりで2700ドル超まで急上昇。取引所のTVCMが放映されるなど認知度も高まっていますが「所詮はバブル」とさめた見方も。世界のマーケットに精通する刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」は、暗号通貨の熱狂をどう見るか!?

ビットコインが3カ月で270%の急上昇! 暗号通貨はバブルなのか、それとも…!? 闇株新聞が見る「暗号通貨」の熱狂相場

2カ月あまりで2.7倍の急上昇!
ビットコインの価格変動を振り返る

 まずは、ビットコインの価格の変遷をざっくりと振り返っておきましょう。

 ビットコインは2009年に最初に「発行」されていますが、1万ビットコインをピザ1枚と交換したのが「最初の実取引」だったそうで、1ビットコイン=0.001ドルほどだったことになります。

 2013年夏、中国最大のECサイト、百度(バイドゥ)がビットコイン決済に一部対応したことから中国人の投機買いを呼び、10月には200ドルを突破、11月には1200ドルになりました。中国人民銀行が金融機関に決済自粛を通達したため急落しましたが、売買が禁止されたわけではなく、その後も700~900ドルと高止まりしていました。

 中国人が参入する以前のビットコインの決済使用は、犯罪取引の資金決済がほとんどだったようです。FBIはこれまでに世界最大の闇サイト「シルクロード」はじめいくつかの違法サイト運営者を逮捕し、かなりのビットコインを押収しています。

 極めつきは2014年2月、世界最大(当時)のビットコイン取引所「マウントゴックス」(東京都渋谷区)が85万ビットコイン(後に74万ビットコインに修正、それでも当時で440億円相当)と現金28億円が「なくなってしまった」と発表して安全神話(盗まれないという意味)が崩れ、2016年初めまで200~400ドルで低迷します。

【闇株新聞解説】 マウントゴックスのマルク・カルプレス社長は、顧客のビットコインを盗み出してはキャバクラで散財していた「ケチな窃盗犯」でしかありませんでした。ようやく裁判が始まりましたが、ビットコインは六法全書にないため裁判官は拠りどころがなく、とんでもなく軽い判決(執行猶予が付くような)になってしまいそうです。

 ビットコイン価格は2016年春から再び上昇し、年末には960ドル、そして2017年3月には1300ドルに乗せました。中国からの資金(外貨)流出を止めるため中国政府がさまざまな資本規制を講じた時期と符合しており、このときも中国人主導の相場だったことになります。

 直後に米金融当局がビットコインに連動するETFを認可しなかったため一時的に900ドル割れまで急落しましたが、4月に入ると再び上昇スピードを速め、先週の5月25日には2700ドルを突破しています。

投機主導の上昇は長期間は持続しない
問題は決済手段として普及するかだが…

 さて、価格が急上昇しているビットコインは「バブル」なのでしょうか? しかし、単に投機資金が価格を押し上げているだけなら、それほど長続きはしないはずです。

 もちろん、最近のビットコイン価格の急上昇には、中国からの資金流出手段や、依然として活発な犯罪事業の資金決済手段という「特殊需要」に支えられていますが、その行方は各当局の対策次第でもあり、ずっと期待できるものでもありません。

 今後、ビットコインに連動するETFが認可されれば一定量のビットコインを吸い上げる効果はあるはずですが、国際決済通貨としてのドルの地位を脅かす恐れのあるものに、米当局が便宜を図るはずがありません。またETFになった途端に法規制(特に課税)の対象になり「魅力」の1つは失われてしまいます。

 ビットコインで支払いができる店舗やサイトが増えるなど、決済手段としての使用が増えると需給関係から価格はさらに上昇するとの予想もありますが、価格が乱高下するビットコインは決済手段としては使いづらいはずです。

 本紙は以前(2013~2014年頃ですが)、ビットコインは野放図にマネタリーベースを拡大する国際通貨体制のアンチテーゼであると考えていましたが、買いかぶりすぎでした。現時点では、中国からの資金流出手段と犯罪事業の資金決済手段という2大需要に、投機資金が集中している「危うい構造」でしかありません。

【闇株編集部より】 本紙は「ビットコインをはじめとする主要な暗号通貨はそれ自体は怪しくないし、需要と供給のバランスの上に成立している価格ならそれは現実である」との立場です。ただし、最近になって暗号通貨の急成長に便乗し「ビットコインはもう上がってしまいましたが、〇〇〇コインはこれから売り出す新しい暗号通貨なので狙い目です」などと持ちかける投資話が横行しています。こういうのは100%詐欺なので、絶対に近づかないようにしてください。

本連載は金融・経済のプロも愛読し”ネタ元”にしていると評判の刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』で配信された記事から、一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガにご登録いただくと、政治経済や金融の話題を中心に、歴史文化や娯楽まで他のメディアでは決して読めない、濃くて深くてためになる記事が、毎週1回5本程度の本編と付録、番外編、速達便がお読みいただけます。

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