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教育投資はフィジーで!気になるインターナショナルスクールにかかるお金は?

教育投資はフィジーで!気になるインターナショナルスクールにかかるお金は?

前回の記事「フィジーで1年の海外育休生活」で少し触れた「フィジーのインターナショナル・スクール」について、今回は詳述させていただきます。

1. 料金

日本国内で子どもをインターナショナル・スクール(以下、インター)に通わせる場合、1年間の授業料は200万円が相場です。

フィジー(ナンディ)のインターの料金表(2017年)は以下のとおりです。

【授業料】

プリスクール(2、3歳) 208,780円

プリスクール(4、5歳) 391,600円

小学校(6〜11歳) 612,040円

中学校(12〜15歳) 769,120円

高校1年(16歳) 773,300円

高校2、3年(17、18歳)1,320,880円


【入学金】

1人目 220,000円

2人目 165,000円

3人目 110,000円

4人目以降は無料


【その他の費用】

プリスクール(2、3歳)44,000円

その上の学年(4〜18歳)110,000円

※ 1フィジー・ドル = 55円

前回の記事では、第二子の育休中に、3歳の第一子をインターに通学させる場合を例示しましたが、全学年分の1年間のインター料金(全込み[入学金は1人目として計算])はこんな感じです。

プリスクール(2、3歳)472,780円

プリスクール(4、5歳)721,600円

小学校(6〜11歳)942,040円

中学校(12〜15歳)1,099,120円

高校1年(16歳)1,103,300円

高校2、3年(17、18歳)1,650,880円

どの学年であっても、日本のインターよりは安いです。

日本のインターだと、プリスクールと高校での料金差はそれほど大きくありませんが、フィジーだと低学年が格安なのでお得です。

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プリスクールの遊び場。

2. 教育内容

料金が安いので、教育の質が心配になる方もいるかと思いますので、教育内容に関して少し触れておきます。

フィジーのインターはIB認定校です。

IB(International Baccalaureate:国際バカロレア)とは、スイスで設立された非営利組織であり、そこが提供している教育プログラムのことをいいます。IB認定校だからといって、品質が完全に保証されるわけではないと思いますが、少なくとも1つの目安にはなるかと思います。

日本国内のIB認定校数は、2017年5月1日現在、以下のとおりです(※1)。

PYP(Primary Years Program:初等教育課程)22校

MYP(Middle Years Program:中等教育課程)13校

DP(Diploma Program:大学進学準備課程[2年間])32校

日本政府は2018年までに認定校(DP)を200校にすることを目指していますが、目標まで程遠い現状です。

フィジーのインターは、全課程(PYP/MYP/DP)で認定されています。

また、IBのDP(大学進学準備課程)を履修し、ディプロマ資格に合格すれば、世界各国の大学受験資格が得られるので、海外の大学を志望している場合はメリットが大きいですね。

3. 目指す人物像

IB認定校では、価値を置く人間性として、「10の人物像」を設定しています。フィジーのインターも同じ理想をもち、それをベースに教育がなされています。

(1) 探求する人

(2) 心を開く人

(3) 知識のある人

(4) 思いやりのある人

(5) 考える人

(6) 挑戦する人

(7) コミュニケーションができる人

(8) バランスのとれた人

(9) 信念をもつ人

(10) 振り返りができる人

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インターの校舎で。10の人物像が壁にも描かれている

4. 生徒と教師

生徒数は現在220名と小規模でアットホームな雰囲気です。

フィジー人の生徒は25〜30%程度で、フィジー人以外の生徒たちは、オーストラリアやニュージーランド、中国、韓国、スペイン、ロシア、ハンガリー、サモアなどから来ています。

全部で16カ国からの生徒が通学。日本人生徒は現在4名なので、全体の2%弱と非常に少ないです。1クラスあたりの平均生徒数も13人と少なく、きめ細かい指導が可能になっています。

教師の国籍も多彩(国籍は10カ国)で、フィジー以外には、オーストラリアやニュージーランド、アメリカ、イギリス、ロシア、中国、スペイン、フランスなどから、IBの教育理念に共鳴して集まってきています。

教師への指導も手厚く、IB本部から学校にトレーナーが派遣され、教師向けのワークショップを開催したり、教師が海外(今年は香港)にて研修を受けたりすることができるようになっています。

5. 学校の場所

フィジーは一般的な国々とは少し違っていて、メインの国際空港が首都(スバ)ではなく、第三の都市(ナンディ)にあります。また、私を含めた在留日本人の約7割はナンディに住んでいます。

首都スバにもインターがありますが、今回の育休プランですと、現実的にはナンディ滞在になると思うので、ナンディのインターに絞ってご紹介させていただきます。ちなみに、ナンディ・スバ間はバスで約4時間程度です。

学校の場所は、ナンディ国際空港から車で約10分ほどのところにあります。空港と学校の間に街があるので、不便はありません。

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6. スケジュール

1年は4学期制になっていて、1〜3月が第一学期、4〜6月が第二学期、7〜9月が第三学期、10〜12月が第四学期です。

時間割(小学生以上)は、1日8コマ(1コマ 40分)で構成されています。朝7時50分に授業が始まり、14時30分に終わります。

放課後はオプションのアクティビティがあり、生徒たちは他の言語やアートを学んだり、バスケやテコンドーなどのスポーツをやったりしています。

7. 最後に

日本だと経済的にも厳しいインターですが、フィジー(特に低学年[2〜5歳])だと現実的かもしれません。

育休中の1年限定インターだったとしても、小さい頃の1年の重みは非常に大きいかと思います。目や肌、髪の色が異なる同級生たちに囲まれて育った経験が後々、異文化への偏見をなくし、「違い」を楽しめるオトナへと成長させてくれるかもしれません。

さて、次回の南国育休生活Part3では、親がフィジーでスキルアップできる場所についてレポートしたいと思います。

永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)Facebook

fiji_happiness 11.jpg 「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2011/2014/2016)のフィジー共和国へ2007年から移住し、現在11年目。現職は在フィジー語学学校(Free Bird Institute)のマネージャー。 100カ国を旅した経験を活かし、内閣府国際交流事業「世界青年の船」「東南アジア青年の船」に日本ナショナル・リーダー(2017)や教育ファシリテーター(2013)として参加、教育企画の立案、スカイプ・コーチング、旅ライターとして執筆、などの活動もしており、フィジーと日本を行き来するデュアル・ライフを実践中。関心が強い分野は「留学」「海外就職」「海外移住」「難民支援」。1977年、大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。一児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

※1 文部科学省のサイトより引用

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/1356266.htm


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