先日、所用があって自由が丘に
立ち寄る機会があった。
自由が丘は、さすが自由が丘という名だけあって、
様々な自由で満ちあふれていた。
今日はそのレポートだ。
さて、電車を降りると、
駅前にはこんな温度計があった。
現在の気温は24度。
しかし、ここは自由が丘なので
温度計の温度は自由に変えられる。
私は試しに600度に設定した。
すると周囲の人間が一斉に火柱と化した。
私は慌てて元の24度に直した。
みんなも温度を変えるときは
周りに気をつけて欲しい。
ちなみに可変温度はマイナス30度から
1500度までだ。
また、隣には発電量メーターがあった。
もちろんこれも自由に変えられる。
試しに10万kwに設定してみた。
すると周囲の人間が一斉に発光しだした。
これで夜も安心というわけだ。
私は更なる自由を求めて、
自由が丘を歩き回った。
辺りを見渡すと、そこら中にタワー団地があった。
きっとフリーダムに暮らしたいセレブ達が
ここに集まってくるのだろう。
町は栄え、自由の恩恵がもたらされていた。
店に入ると、全ての商品は
自由に持ち帰り可であった。
さすが自由が丘だ。
私は驚いて
「え、自由に持って行ってもいいんですか?」
と店主に聞いてみた。
すると店主は
「もちろん!ここは自由が丘だからな!」
と笑顔で答えた。
だが、店主はこんなことをつけたした。
「ただ、俺もこいつを自由にぶっ放してもいいというわけだ」
そう言うと店主は懐からマグナム銃を取り出し、
クルクルと回し始めた。
私はゴクリと生唾を飲んだ。
こんなのもあった。
バッタも自由を享受できる町、自由が丘。
しばらく歩いていると川が見えてきた。
ここは自由が丘なので、
川はみんな自由に使っている。
飲料利用から遺体の葬送まで
何でもござれだ。
私も何かやってみようと思い、
あたりを見渡した。
すると自由な追い剥ぎに遭って、
自由に放置されていた遺体があったので、
丁重に川へ流したりした。
そんなわけで私は様々な自由を謳歌した。
いずれこんな場所に住むのもいいかもなぁ。
そんなことを思いながら、
私は元いた不自由が丘へと帰って行くのであった。