新世代の先頭を行く、現代最強のポップパンクバンド、オールタイムローに想いを馳せる
意地になって嫌いと言い続け、中々認めたくないものってあるのだ。
僕にとって茄子とかそう。昔なんか味より色とかが嫌で避けていただけで多分もう食べれるけど、なんか認められず食べないでいる。
周りにいる人でもそういう人いるはずだ。無意識の内にレッテル貼ってるのだ人は。
何か認められないポイントが少しあるだけで、遠ざけてる部分があるもの。
アクの強い女性だったり、男にとってのイケメンな有名人とかそうだ。
でもそれを一回認めると、反動でめちゃくちゃ好きになったりする。
僕はイケメンが好き!という事では決してない。
そういうフィルターがかかり斜に構えて手に取った音楽がめちゃくちゃよかったって話だ。
All Time Lowはめちゃくちゃカッコいいぞ。
アメリカの底力を見せつけられる系イケメンの彼等。
そこで斜に構えるのが男の性だ。
全く逆方向だが可愛い女の子への反射神経のスピードとほぼ一緒だ。
1番最初にアーティスト写真を見た時にはアイドル的な売り出しをされるポップパンクバンドだろーなと思って斜め上からCDを手に取り試聴機で聞いた所、直立不動むしろ前のめりに首を振りたくなる曲が流れる。楽しい。
これぞアメリカの総合力である。
2017年はアルバムも出して、サマソニも来る。このタイミングで本日はAll Time Lowに想いを馳せる。
2017年リリースの7thアルバム'Last Young Renegade'!!
好きな理由はパーソナルに
彼等をあっさりと好きになった理由は割かしシンプルに挙げられる。
まず、その音にはSimpleplanだったりNew Found GloryだったりGood Chalotteのポップパンクのエッセンスをふんだんに感じる事が大きい。
細胞レベルで刷り込まれたメロディックなパンクは容易にレッテルを吹き飛ばすだけのパワーを持っている。これは歴史手にも明らかなのだ。
そして超同年代。
それこそがこの同じバンド好きなんだ感にも繋がる盲目的好意の原因でもある。
ボーカルとドラムは同い年1987年生まれだ。
シンプルプランもNFGもグリーンデイもブリンクも好きな同い年なんて、一席設けないわけにはいかないほっとけない存在だ。
Time-Bomb
同い年が全員好きなわけではないし、ポップパンクバンドが全バンドストライクど真ん中って訳でもない。
でもオールタイムローを聴きながら同い年と聞いた時いたって自然とイイね!ってなった。
顔どうこうより良いヤツそうだった。
友達ができる時っていつもこうだろう。
そんな一方的ながら、条件をがっちりと満たした親近感にシンパシーを感じ彼等は僕の心に刻まれてるのだ。
非常に想いを馳せたいし、タイミングも良かったから今回は多少盲目的に彼等をご紹介するに至ったのである。
バイオグラフィー ポップパンク新時代を曲と共に振り返る
2003年、メンバー高校1-2年時に彼等は結成される。
バンド名もニューファウンドグローリーの曲の中のフレーズから取り、ブリンク182のカバーを歌うという、ポップパンクの正門から音楽の世界に入り、そのキラキラとした才能を磨き、まだまだ在学中の2004年にはEP'The Three Words To Remember In Dealing With The End'を出すに至る早咲きっぷりを見せる。
2005年には1stアルバム'The Party Scene'をリリース。
翌2006年にはインディーズの大手レーベルと契約し2nd EP'Put Up Or Shut Up'をリリース、数多いるポップパンクバンドの原石達から1つ抜けた輝きを放つバンドになった。
Coffee Shop Soundtrack
All Time Low - Coffee Shop Soundtrack (Official Music Video)
2007年には2ndアルバム'So Wrong, It's Right'を発表する。
僕はここで彼等に出会った。今でも個人的にかなり上位に食い込んでくる名アルバム。
一曲目からキラーチューン揃い。
アグレッシブさを凝縮した様なパワーが、どれか何曲だけでなくアルバム中で煌めきを発する。
インディーっぽくあってもスケールの大きさを感じたファーストインパンクトの余韻がいつまでも残る良いアルバム。
本国アメリカでもチャートを上げ新世代のロックバンドの一番手となった。
Six Feet Under the Stars
All Time Low - Six Feet Under the Stars (Official Music Video)
2009年にも3rdアルバム’Nothing Personal’をリリースし、これも大ヒットを記録する。
メロディックに幅を広げつつ、彼らのセンスに経験を加えた一つの区切りとなったアルバム。
Weightless
All Time Low - Weightless (Official Music Video)
その後メジャーレーベルへ移籍し活動の幅を広げる事になる。
MTV Unpluggedのライブ・アルバムを経て、4枚目のアルバムを2011年に発表。4th'Dirty Work'は色んなゲストも参加するメジャーらしい豪華な陣容。Weezerのリバースも共作したりしている。
ポップネスに比重を置いても、その辺のアイドルなんか置き去りするくらいのクオリティーだし、クリアに響くメロディックなロックチューンに昇華されてる。
All Time Low - I Feel Like Dancin'
が、あっさりと翌年にはメジャーを離れ、古巣のインディーズレーベルへと復帰し、精力的にライブツアーをこなす。
5thアルバム’Don't Panic’も立て続けにリリース。そして前作6th’Future Hearts’から2年のスパンで7thアルバム'Last Young Renegade'を控え、先日には来日しライブもこなし、サマソニでももっかい来日するというアツい現在へとつながる。
All Time Low - Somewhere In Neverland (Official Music Video)
かなり短いスパンで次々とアルバムを出し、ライブを演り続ける。
生き急ぐ様に前のめりなロックバンド的なキャリア。
メジャーに行ってもすぐ戻ってくるし、何かフォローしたくなる親近感に溢れるのである。
その音楽
先行世代が大物になった今、ポップパンク新時代の幕開けをタイムリーに感じたAll Time Low。
ポップパンクらしい音と物語を持ちながら今までと少し違う部分も感じる。
なんかパーティーの主役にもなってしまいそうな享楽性。
For Baltimore
All Time Low - For Baltimore (Official Music Video)
ナードでサッドな青春すら究極のポジティヴィティーで泣き笑い飛ばしてしまうエネルギー。
これぞ新世代であり旧時代の最終形態のバンドの音と言えるのだ。
なぜだ?って問いかけよりも究極の明るさを持った音。
オールタイムローの音は時代を超えポップパンクが息づいている事実と、それを更新し新たなフォルムを加えられていたのだ。
Dear Maria, Count Me In
All Time Low - Dear Maria, Count Me In (Live from Straight To DVD)
とびきりキャッチー。こんなもん即死だ。
それだけでなくツボを抑えたポップパンク。
人懐こいメロディーでも媚びずにエネルギッシュな音を鳴らし、アグレッシブに音をぶつけてくる感覚はもれなく感じる。
僕は好きである。
キャッチーで挑発的なグリーンデイスタイルも感じるし、エモーショナルな爆発力はスターティングラインだし、ボウリングフォースープみたいなショー的なポップネスもある。
色褪せずに肩肘張らずに聞ける継承的なスタイルは、僕にはとっても嬉しい限りなのだ。
Let It Roll
パンキッシュなサウンドでもノイジーさはないクリアな音が主体のバンドアンサンブル。
甘いルックスから油断を突く、割りかしタイトなバンドサウンドは、メロディックさを印象深くしつつ、芯に残る様な生音を響かせる。
中心に据えられるアレックスのボーカルは、喉の強さと幅を感じさせつつ、セクシャルでスタイリッシュであり音の躍動感と跳ね合うようなポップパンクボーカルの真髄に近い。
彼等が特別な理由はこの声の重なりにあるかもしれない。
めくるめくコーラスワークはメロディーを何重も厚くさせる美しさがある。
ポップパンクが受け継がれた嬉しさも感じつつ、紛い物の奴らを粉々にするようなパワーも感じる。
この繰り返しも1つのポップパンクの歴史なのだ。
ソングレビューは後篇で!!