ちわ、わしだよ。
おいさんだよ。みんな本を読んでるかい?
なんかここんところずっと本の紹介しているけど、
おもしろい本がいっぱいあるんだからしょうがないよねw
今回紹介するのはエッセイです。
たまには軽い読み物も読んでいかないとね(*´ω`*)
というわけで、今回のドラねこおすすめ書店・第125回目は、「佐藤君と柴田君 (新潮文庫)」をご紹介しよう!
佐藤君と柴田君
|
いやぁ、おもしろいねぇw
こんなにおもしろいエッセイがあるんだ。
元々外国文学に興味があって、柴田君の訳した本と「生半可な學者」とかをいくつか読んではいたんだけど、こんな風にもう一人の學者さんと交互にエッセイを書いている本は始めてだ。
といっても、わしはこっちよりも最初に続編の「佐藤君と柴田君の逆襲!!」の方を先に読んでしまったんだけど、柴田君の方はしっていたけど佐藤君が誰なのかイマイチわからなかったw
一応説明しておくと両方共「東大の先生」で、英米文学を教えているんですね。
佐藤良明氏はトマス・ピンチョンやグレゴリー・ベイトソンなどを翻訳し、柴田元幸氏はご存知、盟友・村上春樹氏とともに数々の翻訳を手がけるすごい翻訳者である。
ピンチョンつったら名だたる研究者や文学者がこぞって論じ合う20世紀を代表する大小説家だし、柴田氏の方はポール・オースターなどの翻訳で特に有名だ。
そんな「天下の東大」に勤めている二人が、本書で柴田氏が「ボーン・イン・ザ・工業地帯」で書いているように、めったに人に頭を下げなくていい結構な身分のはずなのに……まったく學者らしくないw
いや、これは悪口じゃないよ。ホントに良い意味でですよw
普通東大っていったら日本の超頭脳が集まるものすごい場所というイメージがあって、そこに勤める教授といえばそれはもうスゴイ博学な天才たちといった印象なのに…
変わり者の二人
それがどうであろう。
この本で紡がれる二人の東大教授の文章は、なんともそんな権威主義とは無縁なポップな様相を呈していて、読んでいて非常に飽きない。
特に柴田氏に限っていえばどこまでも謙虚というか、卑屈なくらいに謙遜をしていて、逆に佐藤氏のアバンギャルドな人柄が対照的である。
こんなおもしろい二人は滅多にいないw
それでいて本書の巻末で池澤夏樹も指摘しているようにふたりとも文章はウマいし、音楽や文学、時折垣間見せる英米のポップスにも精通していて、そうしたふたりの多彩な文章を読んでいると「こんな人達がホントに東大の先生なのかな?」とびっくりしてしまうほどのフランクさ(失礼)だw
つくづく東大って懐の大きな大学なんですね(;´Д`)
続編の「佐藤君と柴田君の逆襲!!」の方では二人が邦訳している文学をたくさん紹介&解説をしているが、最初の本であるこちらの「柴田君と佐藤君」の方はけっこう力の抜けたエッセイが中心でどんどん読み進んであっという間に終わってしまった。
とにかくおもしろい!
佐藤君のぐんぐんと読者を読み進めていってしまうドライブのある文章と、柴田君のとても知的で示唆に富んだ文章が絶妙なコンビネーションを繰り広げている。
こうした本は文章を書く際に大変勉強になる。
たくさん読めば文章、きっとおもしろい文章を書くのに役に立つだろう(たぶん)
それくらいおもしろい二人の東大教授の掛け合いに、アメリカ文化や懐かしの90年代の様子が垣間見えて、なんだかちょっと懐かしくなってしまった。
二冊ともおもしろいので、是非両方ともしっかりと読んでもらいたい。