ハノイ=鈴木暁子
2017年6月1日18時23分
フィリピンのロレンザーナ国防相は1日、過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装組織に対する掃討作戦が続くフィリピン南部で、サウジアラビアやロシア南部チェチェン共和国出身のIS戦闘員8人の遺体が見つかったと発表した。
ドゥテルテ大統領は同日、フィリピン南部では「ISによる攻撃が行われている」と発言。イラクやシリアで劣勢に追い込まれているISが、フィリピン南部に戦闘員を移動させているとの見方を示した。
フィリピン国防省によると、8人の出身地はサウジ、チェチェン、イエメン、インドネシア、マレーシアの5カ国。政府軍と武装組織の戦闘があった南部ミンダナオ島マラウィで、遺体で見つかったという。8人は空港から入国した形跡がないため、ミンダナオ島に近いマレーシアのサバ州から海路で入った可能性があるという。
ドゥテルテ氏は先月23日、南部ミンダナオ島全土などに戒厳令を出したばかり。政治評論家のラモン・カシプル氏は朝日新聞の取材に「イスラム教徒が多いフィリピン南部は、貧困層が多く社会は不安定で、イスラム過激思想の温床になりやすい」と指摘した。(ハノイ=鈴木暁子)
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朝日新聞国際報道部