離乳食で赤ちゃんにヨーグルトを与えていいのはいつから? 初期もあげていい? 進め方や量、アレルギーについてもチェック

コラム 2017/05/16更新

筋肉や血液をつくる良質なたんぱく質が豊富に含まれている乳製品。なかでもヨーグルトはとろみ具合が離乳食にピッタリで、調理のバリエーションもいろいろ。ママにとっても身近な食材ではありますが、赤ちゃんが摂取するときには、量や進め方に配慮が必要です。いつからどれくらいの量を赤ちゃんに食べさせてもいいのか、気になるアレルギーについてもあわせてチェックしましょう。

離乳食でヨーグルトを使っていいのはいつから? 量や進め方は?

離乳食でヨーグルトを与えてもいいのは、生後7~8カ月ごろのモグモグ期から。生後5~6カ月ごろのゴックン期にはまだ与えません。

赤ちゃんが牛乳アレルギーでないなら、最初はスプーン1杯から始め、1食分はモグモグ期前半が50g、モグモグ期後半70g、生後9~11カ月ごろのカミカミ期80g、パクパク期100gを目安に食べさせましょう。

ただし、これは1食でたんぱく質源食品をヨーグルトのみ使った場合の量。ほかに肉・魚・大豆・卵などのたんぱく質源食品を使うときは、ヨーグルトの量を減らします。赤ちゃんの食べる量は個人差が大きいので、進め方や量は、赤ちゃんの食欲や成長・発達に合わせて調整をしましょう。

離乳食でよく使うヨーグルト、どんな栄養がある?

良質なたんぱく質とカルシウムを多く含む乳製品は、成長のめざましい乳幼児期には積極的に摂取したい食品です。カルシウムは骨や歯の形成に欠かせない栄養素で、カルシウムを手軽に補給できる乳製品は離乳食の調理でもよく登場する食品のひとつ。牛乳を発酵させただけで、砂糖や香料が無添加のプレーンヨーグルトは、腸の善玉菌を増やして便秘や下痢を改善したり、免疫力を高める効果が期待されています。

離乳食でヨーグルトを与えるときの注意点やアレルギー

食物アレルギーの主な原因になる「カゼイン」というたんぱく質は耐熱性があり、沸騰させた程度の加熱では、アレルギーを起こす力は弱まりません。発酵してもカゼインは分解されにくいため、ヨーグルトも注意が必要です。

離乳食を始めるまで「育児用ミルク」を飲んでいれば、牛乳・乳製品を生後7~8カ月ごろから開始できますが、完全母乳で育てている場合は、牛乳・乳製品を与えるとまれにアレルギーを発症することがあるので、与えたあとの体調の変化にはじゅうぶん気をつけましょう。

離乳食で使うヨーグルトの選び方

離乳食にはプレーンヨーグルトを使うことが原則です。もし低糖ヨーグルトを使うときは、パッケージの表示をよく確認し、「しょ糖」が1~3%と表示してあるものを選びましょう。低糖ヨーグルトは、モグモグ期後半の生後8カ月くらいから使い、小さじ3杯を上限に。生後9~11カ月のカミカミ期は小さじ4、1才~1才6カ月のパクパク期は大さじ6を上限にしましょう。加糖ヨーグルトや果実入りヨーグルトなどは、はじめての乳製品として食べさせると甘くて口当たりがよく、つい量を与えて食物アレルギーの症状が強く出る可能性が。糖分が多いので原則としては1才以降にします。

牛乳アレルギーの赤ちゃんは、ヨーグルトの代わりとして、豆乳を乳酸菌で発酵させて作る市販の「豆乳ヨーグルト」を使っても。風味や食感はよく似ているので、ヨーグルトの代替品として使えます。

離乳食のヨーグルトの食べ方 モグモグ期(生後7~8カ月)のレシピ

りんごとポテトのヨーグルトサラダ


つぶしたじゃがいもと、刻んだとりんごにかけるだけのラクラク主食メニュー

◆材料◆
じゃがいも…1/2個弱(50g)
りんご…1/20個(10g)
プレーンヨーグルト…1/4カップ(50g)

◆作り方◆
1 じゃがいもは皮をむき、ラップに包んで電子レンジで3分ほどやわらかく加熱し、ラップの上からもみつぶす。
2 りんごは皮をむき、ラップに包んで電子レンジで1分ほど加熱し、みじん切りにしてじゃがいもとまぜ合わせ、ヨーグルトをかける。

パプリカのヨーグルトあえ


色鮮やかな紅白レシピ! ヨーグルトのとろみで野菜をたくさん食べられる

◆材料◆
パプリカ…1/6個(20g)
ヨーグルト…大さじ2弱(25g)

◆作り方◆
1 パプリカは種をとってラップに包み、電子レンジで1分ほど加熱し、スプーンで果肉をこそげとってこまかく刻み、ヨーグルトにのせる。

ポイント
薄くてかたい皮はむいて使うのが基本。皮に油を薄く塗ってオーブントースターなどで焼くと皮がこげてパリパリになり、むきやすいもの。生のままむくならピーラーが便利。

離乳食のヨーグルトの食べ方 カミカミ期(生後9~11カ月ごろ)のレシピ

フレンチヨーグルトトースト


パパ&ママのぶんを一緒に作っても! 栄養バランス満点の簡単メニュー

◆材料◆
食パン…サンドイッチ用1枚(30g)
プレーンヨーグルト…大さじ1
ゆでほうれんそう…1/2株(約20g)
とき卵…1/2個
砂糖、バター…各少々

◆作り方◆
1 食パンを半分に切り、こまかく刻んだほうれんそうをはさむ。
2 とき卵にヨーグルト、砂糖、水大さじ1~2をよくまぜ、1のパンを10分以上ひたす。
3 フライパンにバターをあたため、2の両面を焼き、食べやすい大きさに切る。

かぼちゃサラダ


甘いコロコロかぼちゃにかけるだけ! 時間のないときにも便利な時短レシピ

◆材料◆
かぼちゃ…7mm厚さのくし形切り1枚(40g)
プレーンヨーグルト…大さじ3弱(40g)

◆作り方◆
1 かぼちゃはさっと洗い、水けがついたままラップに包み、電子レンジで1分30秒ほど加熱し、やわらかくなったらあら熱をとり、皮を除いて7mm程度の角切りにし、ヨーグルトをかける。

ポイント
かぼちゃはスプーンなどで種をとり、くし形に切って洗い、ぬれた状態のままラップに包み、電子レンジで加熱する。皮をとる場合は加熱後のほうがとりやすいので、加熱後はしばらくおいて蒸らすのがコツ。しっとりしてやわらかくなります。

離乳食のヨーグルトの食べ方 パクパク期(1才~1才6カ月ごろ)のレシピ

鶏ささ身ときゅうりのヨーグルトあえ


さっぱりした風味が赤ちゃん好み。たんぱく質たっぷりのおかずメニュー

◆材料◆
プレーンヨーグルト…大さじ3
鶏ささ身(筋なし)…1/6本(10g)
きゅうり…1/3本弱(30g)

◆作り方◆
1 ささ身はゆでてこまかくほぐし、きゅうりは薄切りにしてさっとゆでるか、電子レンジで30秒ほど加熱して冷ます。
2 器にプレーンヨーグルトを盛り、きゅうりとささ身をまぜてのせ、あえながら食べさせる。

ズッキーニと玉ねぎのグリル焼き ディップ添え


卵&マヨとあわせてディップにも! こんがり焼いた野菜はシンプルで最高の味わい

◆材料◆
玉ねぎ…1/8個(20g)
ズッキーニ…1/10本(20g)
かたゆで卵…1/3個
A マヨネーズ大さじ、プレーンヨーグルト大さじ2

◆作り方◆
1 玉ねぎは3mmの薄さに切り、バラバラにならないようにようじで止める。ズッキーニは縦半分に切る。
2 クッキングペーパーを敷いたトレイに野菜をのせ、オーブントースターで7~8分焼く。
3 ゆで卵はみじん切りにして、Aをよくまぜ合わせて器に盛り、焼いた野菜をつけながら食べさせる。


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アレルギー監修
あいち小児保健医療総合センター 副センター長
伊藤浩明先生

名古屋大学医学部卒業後、同大学院、テキサス大学留学などをへて、現職。「食べることは子どもたちの基本的な権利」という信念のもと治療、診断を行う。患者との信頼関係が不可欠な経口負荷試験実施数は、同センターアレルギー科で年間800件以上と国内トップクラス。日本アレルギー学会指導医、日本小児科学会専門医、NPOアレルギーネットワーク副理事長も務める。『アレルギーっ子のごはんとおやつ』(主婦の友社)監修。

離乳食監修
帝京科学大学教育人間科学部 幼児保育学科教授
上田玲子先生

栄養学博士・管理栄養士。小児栄養学の第一人者として活躍するかたわら、トランスコウプ総合研究所取締役として栄養コーチングの手法を開発。日本栄養改善学会評議員や日本小児栄養研究会運営委員なども務める。『はじめてママ&パパの離乳食』『離乳食大全科』(主婦の友社)など監修書多数。

出典 :いちばんよくわかる離乳食※情報は掲載時のものです