いきなりマーケティング部署に配属された、インターネットで物を売らなくてはいけなくなった、代理店の言っていることがわからない…。
学び始めるのはいろいろなケースがあると思いますが、学ぶことは同じです。
webマーケティングとは何か。まずは、それをざっくり学ぶための基礎コンテンツをお伝えします。
- Webマーケティングとは
- Webマーケティングと採用すべき手法まとめ
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、「オンラインであなたの製品を使い、目的を達成すること」です。
目的は、いろいろあるでしょう。例えば、個人のブログであれば
- より多くの人に診てもらうこと(PV数)
- 購読者を増やすこと(購読者数)
- きちんと診てもらうこと(滞在時間)
などが「目的」になるでしょうし、よりビジネス的なサイトであれば
- ユーザー登録数
- 商品の販売数
などが「目的」になります。
大事なのは、「流入」つまり、クリックやPVだけがWebマーケティングの手法だけではない、ということです。
100人がクリックして誰も買わないより、10人のクリックで5人が買うほうがはるかに目的を達成しているのです。
インターネットは、かなりの部分まで成果が計測できるため、ますます目的をしっかりさせることが重要になります。
更に、例えばユーザー登録が一番の目的だと思っていても、実はその後にどれくらい継続しているかが重要になるケースもあります。
一度設定した目標が、永遠に目標で有り続けるとも限らないのです。
覚えること
- Webマーケティングは、「目的の定義」が全て!
- 常に「その目標でいいのか?」を考え続けるのが重要
おすすめ記事
Webマーケティングの特徴と目的別に捉える施策の3分類 | PubliCoジャーナル | PubliCo(パブリコ)
※1...施策によっては集客、接客、再来訪の復数のフェーズに渡って効果を発揮する施策もあります。例えばブログの記事が増えることで、ブログをきっかけにサイト訪問してくれるという集客の効果を持つこともありますが、ここではブログの記載内容や情報発信の態度が信頼性の向上につながるという「接客」面での効果に重きを置いて分類しています。 ...
SEO
SEO とは
SEOとは、「検索エンジン最適化」の略語です。
日本では、yahoo が Google のエンジンを利用しており、Google に合わせてより検索されやすいような施策を打つことが SEO となります。
SEO の特徴
SEO は、良くも悪くも Google 次第。と同時に、ユーザー視点で行う施策が必要になります。
特に最近、コンテンツの質がますます重視されるようになっているため、「本当にその情報は価値があるか?」をシビアに考えなくてはいけない時代になっているといえるでしょう。
記事の内容にお金をかけない限り、SEOはなかなか成功しません。
SEO のメリット
- 安定したトラフィックの獲得
- ニーズの高いユーザーの獲得
SEO のデメリット
-
成果が出るまで長い時間が必要
-
確実に成果が出る方法はない
-
Google の判断次第で変動するリスク
SEO のおすすめ記事
リスティング広告(SEM)
リスティング広告とは
リスティング広告は、正式には「検索エンジン連動型広告」と呼ばれます。検索エンジンで検索された単語に合わせて出すテキスト型の広告です。
リスティング広告 の種類
リスティング広告には、
- Google AdWords
- Yahoo! プロモーション広告(旧 Overture)
の二つがあります。どちらも基本的な構造は似ていますが、Yahoo! と Google の利用者の違いにより、適切に使い分けましょう。
リスティング広告は、CPC(クリック課金型広告)という課金システムを採用しています。その名の通り、基本的にはクリックごとにお金がかかります。
リスティング広告 の特徴
リスティング広告の特徴は、何と言ってもその高い精度です。例えば、「引っ越し 業者」など、一年に一回程度使う商材であっても、的確にそのタイミングで広告が出せる。これは、他のマーケティング手段にない特徴です。
とりわけ、エンドユーザーの属性(年齢・性別など)よりも、その瞬間のニーズに対してターゲティングしたい場合、効果的でしょう。
リスティング広告のメリット
-
安定したトラフィックの獲得
-
ニーズの高いユーザーの獲得
リスティング広告は、わかりやすく言えば「SEOをお金で買う」みたいなものです。検索しているということはニーズも高く、また検索エンジンからの流入は安定しているため、高い効果を見込めます。
リスティング広告のデメリット
-
効果を出すのに高いスキルが必要
- 商材によっては検索自体がないケースも
リスティング広告は、検索エンジンの検索数によって依存します。ですから、そもそも検索数が少ない場合、全く効果の出ないこともありえます。
リスティング広告のおすすめ記事
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告は、いわゆる「バナー広告」です(テキストのケースもありますが)。Web サイトに合わせた広告を配信し、クリックしたユーザーをサイトに誘導します。
ディスプレイ広告の種類
- 自社広告
- アドネットワーク
の二種類があります。
自社広告は、Yahoo! のブランドパネルと呼ばれる広告枠(高いです)や、クックパッドの枠など、自社のサイトを直接広告主が出向するケースです。
アドネットワークとは、複数のサイトをまとめて、それらのサイトに出向するケースです。また、それらのアドネットワークに更に複数出向するものはDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)と呼ばれます。
DSP の中で有名なのは、
- Google Display Network(GDN)
- Yahoo Display Network(YDN)
- Criteo
などがあります。GDN や YDN は、リスティング広告の枠内で出稿可能です。
ディスプレイ広告のメリット
-
クリック単価が安いことが多い
-
認知度の向上
- その他のソリューションとの組み合わせが可能
ディスプレイ広告は、圧倒的なインプレッションを出すことが出来ます。全く流入のないサイトでも、かなりのクリック数を稼ぐことが出来ます。
ディスプレイ広告がマッチするのは、漫画やテレビ番組、あるいは既にCMしているなど 「誰もが一定程度購入の可能性がある商材」です。
ディスプレイ広告のデメリット
- ターゲティングが絞れないため、効果が出づらい
全く同じ理屈で、ディスプレイ広告が効果を出せないのは、認知度が低かったり、特定の人しか興味のない商材です。基本的にはあまり絞ったターゲティングが出来ないため、すぐに効果が出るものではないでしょう。
※ただし、リターゲティング・リマーケティングと呼ばれる、「一度流入したユーザーに再度広告を出向する」パターンの広告はある程度効果が出やすいです。
ディスプレイ広告のおすすめ記事
ソーシャルメディア(SMS)
ソーシャルメディアには、
- LINE
などのアカウント運営があります。基本的には、情報を発信しながら顧客とエンゲージメントを築くのがソーシャルメディアアカウント運営の目的です。
ソーシャルメディアの特徴
ソーシャルメディア「だけ」でマーケティングを行うのは、一昔前ならともかく、今は不可能です。ですから、基本的には流入してきた方との関係性を作ったり、顧客に定期的にプッシュしたりするのがソーシャルメディアの良い使い方でしょう。
ただし、ちゃんと腰を入れて運営するのはけっこう大変です。安易に Facebook ページを開いても、労力に見合わないことも。
ソーシャルメディアのメリット
-
定期的な顧客とのエンゲージ
- 無料で始められて、既存の顧客を転換できる。ホームページもいらない
ソーシャルメディアのデメリット
-
長い時間を書けないと成功しない
-
既存顧客中心のため、目に見える成果は出づらい。
ソーシャルメディアのおすすめ記事
Facebook 広告
Facebook 広告の特徴
Facebook 広告は、Facebook の中で配信できる広告です。
Facebook は、世界で最もユーザー情報を抱える企業の一つであり、かなり高い精度でターゲティングが可能です。例えば
- 出会い系サイト
- 転職系サービス
などは、年令や性別、結婚歴の有無などが分かるため、かなり高い効果が期待できます。 一方、「たまたま今六本木で昼ごはんを探している人」のような、ワンショットのニーズに対しては、SEOやリスティングなどの検索エンジンマーケティングの方が効果的でしょう。
Facebook 広告のメリット
- ユーザーのデモグラフィックデータが豊富
- 比較的安価で出向しやすい
- 広告自体を見られないケースも多い
Facebook 広告のデメリット
- ユーザーのデモグラフィックデータが豊富
- 比較的安価で出向しやすい
- 広告自体を見られないケースも多い
Facebook 広告のおすすめ記事
ブログ・オウンドメディア
オウンドメディアの特徴
オウンドメディアとは、自社でコンテンツを作って発信することです。SEOに含まれるケースもあります。
上手く成功したメディアの例としては、サイボウズや、
などがあります。
自社のホームページを検索で上位に上げるのは難しい。製品の説明をわざわざ読みたいユーザーは少ないからです。しかし、ユーザーが必要とする情報をきちんと作り込んだ記事を作れば、検索でも上位に行く可能性があります。
とはいっても、それだけのコンテンツを作るのは簡単ではありません。自社で人を配置し、適切なコンテンツを作り続ける必要があります。骨が折れるでしょう。
また、SEOと同じく確実に結果が出るわけでもありません。
オウンドメディアのメリット
- 爆発的なアクセス増加の可能性
- 長期で様々なユーザーに露出可能
オウンドメディアのデメリット
-
コンテンツを作るのもディレクションも大変
-
確実に成果が出る方法はない
-
長期的な視野が必要
オウンドメディアのおすすめ記事
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メルマガ・マーケティングオートメーション(MA)など、メールを使ったプッシュ型の施策です。
メールマーケティングの特徴
これ単体でなんとかなる!ということはありませんが、他の施策と組み合わせることで予想以上の成果が出るケースもあります。
特に、既存顧客に対してのカムバックや無料会員の有料化などに関しては、未だにメールマーケティングが必須でしょう。
メールマーケティングのメリット
- マーケティングオートメーションなど、追撃の効果が高い
- 既存顧客の引き戻しには効果が高い
メールマーケティングのデメリット
-
年代や職業によってはメールをそもそも見ない人も多い
-
開封率は通常1%程度と考えると、効果が低いケースも
メールマーケティングのおすすめ記事
LPO
LPOは、「ランディングページ最適化」の略語です。
LPO の特徴
どれほど流入が良くても、その後のサイトの構成が悪ければ、無意味なケースが多いのです。
実際のところ、多少広告予算を増やすより、ランディングページを良くしたほうが良いケースも多いです。
だからこそ、サイトがユーザーにとって効果的か見直すのはとても重要です。
LPO のメリット
- 流入したユーザーの転換率の上昇
- 小さな積み重ねが高い効果をもたらすことも
LPO のデメリット
-
高度な専門知識が必要
- 細かいABテストなどの工数が必要
- 予算がかかる
LPO のおすすめ記事
Webマーケティングと採用すべき手法まとめ
マーケティングは、商材によって採用すべき手法が、全く変わります。
商材のニーズが明確で、ニッチならリスティング広告がハマるでしょう。
商材が広くニーズがあり、露出をとにかく上げたいならディスプレイ広告がハマるでしょう。
商材のターゲットが明確で、特定の職業に配信したいなら、 Facebook 広告が良いでしょう。
既に一定程度検索流入があり、更に安定してトラフィックを稼ぎたいならSEOが、ユーザーの退会率を下げたいならメールマーケティングが、すでにある流入の効果を上げたいならLPOがハマるでしょう。
それらの手法を組み合わせて、戦略設計することがWebマーケティングの醍醐味であり、もっとも重要なポイントなのです。
この他にも、Instagram マーケティング、動画マーケティング(YouTube など)、LINE マーケティングなど、様々に重要な手法があります。
それらについては、「マーケターの教科書」でこれ以降も解説していく予定です。