【シンガポール=中野貴司】シンガポール取引所(SGX)は有望なIT(情報技術)企業を取り込むため、政府機関や法律事務所、監査法人と連携する。新規上場の手続きなどに関する情報を提供し、地場のベンチャー企業が資金調達しやすい環境を整える。上場企業が減り続ける現状に歯止めをかけ、株式売買を増やす狙いだ。
SGXとシンガポールの情報通信メディア開発庁(IMDA)が31日、協力の覚書を交わした。IMDAが支援する有望なIT企業をSGXに紹介し、SGXと共に上場に必要な社内体制の整備などを助言する。
SGXは2013年夏以降、上場企業数が減り続けている。最近も有望な地場のオンラインゲーム会社が米国上場を検討していることが明らかになっており、上場企業の獲得競争で後れを取っている。シンガポール政府が推進するフィンテック関連の企業なども取り込み、投資家が魅力を感じる上場企業を増やしていきたい考えだ。