----H----049------------
----i---------------------
----y-----------------------
----o-k-k-o---------------
---------------------------
---------------------------------------------------------------
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「若い広場 愉しドラマ」
♪「夢膨らむ 青い空」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
♪~(鼻歌)
(和夫)どうした? 愛子ちゃん。(愛子)えっ?
(和夫)何か あったのか?
ううん…。
あぁ 忙しいね 寮の仕事はね~。
まぁな もう慣れっこだけどな。
そうだね。
♪~
(松下)ちょっと すいません皆さん 注目。え~ 今月から 皆さんのお給料が1割程度 減額となりました。
(どよめき)申し訳ありません!原因は アポロン社が生産台数の調整に出たことにあります。
オリンピック景気の反動で需要が落ち込み企業は過剰な在庫を抱えることになりました。
昭和40年は 高度成長期で唯一の不況の年だったのです。
それにしてもつらくて 不安な年末ですねみね子たちにとって。
♪~
(みね子)<お父さん…。私は この時間が一番好きです。みんな 思い思いに自分のことをやっていて穏やかな時間です。みんな おんなじ時間を一緒に生きてんだなぁという気持ちになります。みね子は お母ちゃんに手紙を書いています。「お盆には帰れなかったけどお正月には帰ります」と>
(幸子)ねえ すてぎだど思わない?
(優子)どれ?(幸子)ほら。
(優子)あんれ ほんとだ。何です?
見て。(豊子)何ですか?
わっ すてきだなぁ…。
(澄子)何だよ これ 外国みでぇ。ね~!
(豊子)部屋さこの家具は ついてねですよ。自分で買えということです。分がってるよ そんなことは。
でも ほら 頑張れば こんなふうにいつかなれるっていうことでしょ。
はい そんですね。うん!
(澄子)何だくっついでるんじゃねえのか。
もう…。(優子)でも 抽せんなんでしょ?
すごい倍率だってテレビで言ってあったよね。
うん 100倍だって。(澄子)え~!
(時子)もしかして 幸子さん…。
結婚して こごに住もうとか?
(一同)え~!すごすぎる…。
(澄子)遊びに行きます。私も。
いや そうなったら すてぎだなど思っただげだよ。
だって 家賃 7,500円だよぉ。
え~!(幸子)でしょ?
はい 急いでね。朝ごはんの時間 なくなるよ!
(一同)は~い。
澄子 ほら 早ぐ!(澄子)すいませ~ん。
顔 せっけん ついてるよ。えっ?
(時子)はい。(澄子)どうも。
誰か 私の手拭い 知らない?
首さ かかっでるよ。えっ?
ほんとだ…。(澄子)眼鏡 眼鏡。
もう ほら そご! そご!
あっ! あった あった!
♪~
(優子)松下さん 来ないんだね 今日。
うん 何か 本社に用事があるって。だがら 遅れるって。
♪~
あ…。
ご苦労さまです。
愛子さん…。
はい。
悔しいです。
俺… 俺…。
(愛子)そうでしたか。
(松下)すみません 力不足で。
♪~
そんな顔するな!男だろう 松下 明!
ちゃんと しっかりあの子たちに話をする。
それも 君の仕事でしょう。
本当に もう 入社した時から変わってないなぁ。
しっかりする!ハハハ…。
愛子さん…。
はい 分かりました!
うん 行ってらっしゃい。
はい。
♪~
(松下)皆さ~ん。作業 終えたら 集合して下さい。
(一同)はい。
♪~
・(サイレン)
・(ブザー)
(幸子)全員 集合しました。ありがとう。
(戸が開く音)
皆さん今日も一日 ご苦労さまでした。
(一同)ご苦労さまでした。
皆さんに 大変つらいお話をしなければならなくなりました。
昨今の業績不振により向島電機は倒産することになりました。
(松下)ただし 債権者の意向であと1か月 残っている部品でラジオを生産します。この向島工場は12月20日をもって閉鎖致します。
♪~
(松下)再就職については関係会社にも ご協力頂いてできる限り 支援致します!工場の操業は12月20日までですが寮にいる者についてはすぐの退去は難しいと思いますので年明けしばらくまではいられるようにします。
(ざわめき)
(幸子)それは…。
それは… 決定なんですね?
もう どうにもならないんですか?
私たちが今日から寝ないで頑張ってももう ここでは働けないですか?ここにいる仲間とは もう別れなきゃいけないんですか?もう 無理なんですか?
申し訳ない!
分かりました。
<お父さん…。頭の中が 真っ白になりました。何だか ポカンとしてしまって…。何を どう考えていいやらさっぱり分からなくて…。お父さん…。工場 なくなります>
ごめんなさい。
みんなを守るのが 私の仕事なのに何にもできなくて…。
(澄子)愛子さんのせいでねえよ。
ありがとう。
今の私の仕事はみんなの不安な気持ちを少しでも減らすこと。
再就職については本社から 人事の人が来るからその人と話して。
でも どうなんだろうとか心配なこととかあるだろうから何でも 相談して。
一緒に考えることしかできないけど…。
相談して下さい。
つらいけど下を向くのは やめよう。
あなたたちはねみんな しっかり働ける子だよ!
ちゃんと頑張った。
それを誇りに思おう。
♪~
「お母さん 寒くなってきましたがお変わりありませんか?今度のお正月には帰ります。30日には帰れると思うのでおせち料理作りも手伝えますよね。楽しみです。ここのところお母さんの作ったお雑煮が食べたくてしかたなくてついに夢にまで出てきてしまいました。それから…」。
♪~