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 政府はパスポートの氏名表記について、希望すれば誰でも結婚前の旧姓を併記できるようにする方針を固めた。現在、旧姓を併記するには旧姓での活動実績を示す書類などが必要だったが、2019年度をめどに自由化する。

 政府が6月上旬に決める「女性活躍加速のための重点方針」に盛り込み、パスポートの表記を「戸籍に記載されている氏名」と定めた旅券法の施行規則を改正する。届け出だけで併記を可能にするよう検討する。

 旧姓の併記には現在、旧姓で仕事をしていることを示す会社の証明書などが必要とされている。16年に発行されたパスポートで旧姓など別名を併記したものは、国際結婚の事例を含めても1%に満たなかった。

 重点方針には、すでに併記できる方針が決まっている住民票とマイナンバーカードについて、18年度以降のすみやかな実施に向けて法令改正やシステム改修の準備を進めることを盛りこむ。金融機関の口座でも旧姓が使えるよう、全国銀行協会などに要請することも明記する。

 公的書類で併記を実現するには、戸籍上の氏名を前提としたシステムの改修が必要になることが多い。総務省によると、住民票とマイナンバーカード向けに約94億円を予算化したが、さらに膨らむ見通しという。(平林大輔)

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