インディ500優勝の佐藤「挑戦し続ける気持ちが結果に」

インディ500優勝の佐藤「挑戦し続ける気持ちが結果に」
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世界3大レースの1つとされる自動車レース、通称「インディ500」で、日本選手として初優勝を果たした佐藤琢磨選手がNHKのインタビューに応じ、「夢を信じ、挑戦を続ける気持ちが、こういう結果につながる」と話しました。
インディアナポリス500マイルレース、通称インディ500は100年以上の歴史を持つアメリカ伝統の自動車レースで、F1のモナコグランプリと、ル・マン24時間耐久レースとともに、世界3大レースとされています。

元F1ドライバーで40歳の佐藤選手は28日、インディアナ州で行われたことしのレースで、過去3回優勝しているブラジルのカストロネベス選手をおよそ0秒2の差で押さえて、日本選手として初優勝の快挙を達成しました。

佐藤選手は30日、ニューヨークでNHKのインタビューに応じ、優勝した瞬間について、「ヘルメットの中で絶叫していた。チェッカーフラッグをトップで受けたのは確信していたが、勝ったのかどうか半信半疑だった。エンジン音が静かになってから観客の熱い歓声が聞こえて、『勝ったんだな』と思った。それからはずっと取材の連続で、モータースポーツにおける世界最大のイベントを制するというのは、こういうことなんだと、その価値を改めて実感している」と話しました。

そして、レースの勝因について「車の性能がとても安定していた。タイヤが摩耗して性能が落ちても、バランスが崩れることが少なく、みんなが苦しんでいるときに思いきり攻めることができた。ピットストップも素早く、完全にチームワークの力で勝てた」と話し、マシンのメンテナンスなどを支えてくれたチームに感謝しました。

佐藤選手は2012年のレースでは、最終ラップでトップの選手を抜きに行ってクラッシュし、優勝はなりませんでしたが、「あのときの経験が役立った。今度は絶対に失敗しないぞと思い、どうやってトップを取るかと考えながら走った。残り5周でトップに立ってからカストロネベス選手との勝負はものすごい緊張感があり先頭を走りきるのは難しかったが、残り2周になるコーナーでのアタックをしのげば、逃げ切れると考えていた」と今回は終始、冷静だったことを明かしました。

そのうえで、今回の優勝の持つ意味について、「日本のモータースポーツ界にはもっと元気になってほしいし、ファンにも魅力を伝えたい。また夢を信じ、挑戦を続ける気持ちがこういう結果につながるということが日本の皆さんに届いてほしい。特に東日本大震災の被災地に、このニュースが伝わり、復興が加速して、もっとみんなが元気になってくれればいい」と話しました。