【5月31日 時事通信社】インドネシアの首都ジャカルタ東部のバス停で警官3人が死亡した自爆テロ事件から31日で1週間。警察は、過激派組織「イスラム国」(IS)を支持する国内グループの犯行と断定し、爆弾には「サタンの母」と呼ばれる高性能爆薬TATPが使用されたことも判明した。警察はグループの構成員を相次いで逮捕し、全容解明を進めている。

 事件は24日夜に発生。警官3人が死亡したほか、民間人を含む14人が負傷した。警察は、自爆した実行犯の2人の男はISを支持するジャマ・アンシャルト・ダウラ(JAD)の下部組織に属し、警官を狙った犯行と断定。犯行を察知されるのを防ぐため、2人が半年前からJADの他のメンバーとの連絡を絶っていたことが分かった。

 警察によると、爆弾は圧力鍋を改造したもので、爆薬には殺傷能力の高いTATPが使われた。TATPは市販の化学薬品から製造可能。22日に英マンチェスターで起きた自爆テロや、過去のISによるテロでもたびたび使用されている。

 インドネシアでは、今年2月に西ジャワ州バンドンで発生したテロ事件の捜査で「ビル1棟を破壊できる」(警察幹部)とされる約30キロものTATPが押収されており、警察は今回の事件との関連を調べている。(c)時事通信社