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【北ミサイル】新型誘導ミサイル「成功」 北朝鮮、誤差7メートル主張 精度向上を誇示、米けん制

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新型誘導ミサイル「成功」 北朝鮮、誤差7メートル主張 精度向上を誇示、米けん制

北ミサイル更新
北朝鮮の労働新聞が30日掲載した、精密誘導システムを導入した弾道ミサイルの発射実験に立ち会う金正恩朝鮮労働党委員長の写真(共同) 1/2枚

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は30日、新開発した精密誘導システムを導入した弾道ミサイルの発射実験に「成功」したと報じた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が発射に立ち会い、7メートルの誤差で目標点に命中したと主張した。北朝鮮は29日、東部の元山(ウォンサン)付近からミサイルを発射、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾させたと推定されている。

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 同通信によると、敵艦船などを精密に攻撃できるよう金委員長が開発を指示したという。艦船も狙えることを示唆し、朝鮮半島近海に空母を展開し圧迫を続けるトランプ米政権を牽制(けんせい)する思惑とみられる。金委員長は、米国に「無謀な軍事的妄動がもたらすのは死だけだ」と警告した。

 朝鮮中央テレビは30日、ミサイル発射の模様を放映した。4月15日の軍事パレードに登場したミサイルと同一で、前方に羽根があるのが特徴。スカッドの改良型とみられている。

 ミサイルは、液体燃料を使っているとされ、無限軌道型の移動式発射台で運用。同通信は、発射の準備工程が高度に自動化され、発射時間が大幅に短縮されたとしている。金委員長は、策定した工程表通りにさらに兵器開発を進めるよう指示した。

 北朝鮮外務省報道官は30日、同国に核・ミサイル開発の完全放棄を求めた先進7カ国(G7)首脳会議の首脳宣言に反発、「制裁と圧迫が拡大するほど核戦力の多様化、高度化をさらに推進する」と主張した。

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  • 北朝鮮の労働新聞が30日掲載した、精密誘導システムを導入した弾道ミサイルの発射実験の写真(共同)