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県内ロケで最大1000万円 県が「チア☆ダン」教訓に

 福井県を舞台にした映画やドラマを県内で撮影すれば、最大一千万円を支援する制度を、県が創設した。福井商業高校(福井市)チアリーダー部「JETS(ジェッツ)」の実話を基にした映画「チア☆ダン」で、県内ロケがなかったという苦い経験が背景にある。

 県によると、地元での映画・ドラマのロケに経費を補助する制度を設けている都道府県は山形、千葉、愛媛、熊本、沖縄の五県(昨秋時点)。福井県は四月に創設した。(1)福井が舞台(2)県内の複数市町で期間を掛けて撮影する(3)上映館数や視聴者が一定以上と予想される作品−などを基準に選ぶ。

 ロケ作品は公募するのでなく「映画会社などから相談を受ける中で、良いプランがあれば、予算付けしたい」(県ブランド営業課)という。

 三月に全国公開された「チア☆ダン」は、女子高生の青春が魅力的に描かれ、福井弁も満載で、人気女優の広瀬すずさんが主演した。東宝によると、全国三百七の映画館で上映され、観客動員は百万人を超えた。

 ただ、主要なロケ地は新潟市の県立高校。ロケ地の話題は「新潟」となり、撮影地巡りをするファンの来県も期待できない。県内では「福井の風景が映し出されていたら」と残念がる声が多かった。

 新潟ロケについて、県ブランド営業課の担当者は「コストの問題だったと聞いている」と明かす。俳優陣やスタッフは東京を拠点にしている。移動に必要な時間や費用を新潟と福井で比較した結果、新潟での撮影になったという。

 県はロケの経費補助を、撮影に訪れるスタッフや出演者の宿泊費、交通費、弁当代などに充ててもらう考え。映画会社などがロケ地選びをする段階で、福井がコスト的に有利になる制度としてPRする方針。同課の担当者は「福井のイメージアップになる映画やドラマづくりを応援していきたい」と話す。

 (尾嶋隆宏)

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