PS3の最新モデルであるCECH-4300C(チャコール・ブラック500GB)のステータスがSIEの製品情報ページにて「出荷完了」と告知されました。2006年11月に初代が発売されてから約11年半、PS3シリーズはついに幕を下ろす(他の型番もすでに「出荷完了」済み)ことになります。
PS3がついに国内出荷完了、この11年間を振り返る
「ゲームをお安く遊べるハード」としてはしばらく現役
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初代の発売時期が近いXbox 360(2005年11月~2016年4月)が約10年半、Wii(2006年12月~2013年10月)が約8年で、特に早く打ち切られたわけではありませんが、それでも一抹の寂しさはあるPS3の退場。PS3と同い年の子どもががすでに小学5~6年生で、「最新ハード」がレトロハードになりかけている時の流れに慄然とします。
PS2でDVDフォーマットの普及ともども実現した成功体験から、当時の最新技術だったBlu-rayドライブを採用したものの、その部材調達がネックになって初期の生産数が極端に絞られたこと。その後も高価格が響き、前世代で大きな差をつけたXbox 360に普及台数で並ばれ、Wiiに大きく差をつけられ......といった経緯は、今年3月に出荷の「近日完了」が予告された際の記事でまとめられています。
ユーザーにとっては出荷台数よりも、「どんなゲームやサービスが利用できるか」に重みがあるのは言うまでもないこと。野心的すぎたCELLプロセッサ、その割に少ないRAMに悩まされた開発環境もこなれてきたハード末期には、ユーザビリティはたしかに向上していました。
今や世界的に愛されている死にゲーこと『DARK SOULS』も生まれ故郷はPS3であり、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』や『 BEYOND: Two Souls』といった心にしみるゲームの数々を輩出しています。
さらにtorneやnasneといったネットワークレコーダーと連携したテレビ録画機能も充実。家電製品にすぎない市販HDDレコーダーと比べて段違いなPS3のパワーと、ゲーム開発で鍛えられたUIによりサクサクと快適に運用できました。今振り返ると、PS3はPS2というよりPSX(PS2+ハードディスク搭載DVDレコーダー)の後継機であり、ホームサーバーだったかもしれません。
ちなみに筆者も実家と仕事部屋のためにPS3を2台購入し、新作ゲームが出ない期間はHulu(更新前)やNetflixなど動画配信アプリを便利に使っておりました。
SIEのゲームハードはダウンロード版ソフトがアカウントに紐付けの上(5台まで)PlayStation Plusのセーブデータお預かりサービス(クラウドストレージ)と組み合わせると、「仕事場で遊んだゲームの続きが自宅で遊べる」凄まじく使い勝手のいい環境ができたわけです。
出荷は完了しましたが、PlayStation Plusのフリープレイには毎月のようにPS3タイトルが配信。店頭でソフトを買う機会はなくなるにせよ、当分はPS3ゲームを楽しめそうです。