「午後のロードショー」とは 記念すべき第1回放送作品はフランク・シナトラ主演の「刑事(デカ)」。 「12チャンの平日のお昼の映画」。他局に比べ昔から映画放送枠の多いテレビ東京。かつては午前中、昼、夕方、夜、深夜、土日の昼も夜も映画をやっていた程である。テレビ東京のお昼の映画枠が始まったのははるか昔。さまざまな変遷を経ながら1982年3月1日(月)に「2時のロードショー」放送開始(それまでは奥様向け番組をやっていた)。その後「シネマタウン」と続き、96年4月1日(月)に「午後のロードショー」がスタートし、現在に至る。他民放各局がワイドショーをやろうが、昼メロをやろうが、12チャンは20年以上一貫して「映画」である。第1回放送作品はフランク・シナトラ主演の「刑事(デカ)」(68年アメリカ映画)。放送回数は2006年現在ですでに2000回を超えている。ちなみに2006年は年間計133本を放送(内訳は洋画128本、邦画5本)。2006年の映画雑誌「映画秘宝」(洋泉社)に掲載された担当者が語った情報によれば、この「午後のロードショー」は当初、テレビ東京が買い付けたかなりの数のオライオン(ORION)社の作品を放送する目的で始まったという。しかしその後、オライオン社の作品も放送し尽くし、現在は独自編成しているらしい。担当者は視聴者からの放送リクエストには必ず目を通してくれているという。 放送時間 現在、基本的には毎週月曜日から木曜日までの午後1時25分から3時25分までの2時間。祝日や年末年始は放送なし。ただし、96年4月1日の第1回放送から98年3月27日の「リトルマン・テイト」までは金曜日も放送されていた(※注 現在でも「ハリーハウゼン特集」や「ロッキーシリーズ一挙放送」などの際には金曜日も放送があることがある)。また、放送開始時間も、第1回放送から01年3月29日(木)の「ジュラシック・ボーイ」までは午後1時からだったが、次の放送回の4月2日(月)の「心の旅」から、現在の1時30分になった。なお、放送開始時間・終了時間はテレビ東京の番組宣伝や新聞のテレビ欄では午後1時30分から3時30分までとなっているが、実際は1時30分からは三越テレショップが入るために放送開始時間は厳密には1時33分である。放送終了時間も3時28分である。今後の「木曜洋画劇場」の予告や「午後のロードショー」の宣伝、オープニングとエンディングの声の出演データ等を含め、コマーシャルを除いた実質放映時間は1時間33分である。ごくたまに1時間31分のときもある(06年11月29日放送の「続・猿の惑星」)。※なお、ここで重要なのは、この「午後のロードショー」はどんな長さの作品でも必ず1時間33分に編集して放送する点である。「スタンド・バイ・ミー」や「コブラ」など1時間33分ない作品はコマーシャルや宣伝を増やしたり、本編の場面を使用し独自に作った映像等をコマーシャルの前後にはさむなどして時間を稼ぎ1時間33分にしてしまう。2時間39分ある「ハタリ!」や2時間25分ある「バラバ」、2時間46分ある「大いなる西部」などの長編映画も大胆にカットし、1時間33分におさめこんでしまうすごさである。なお、同じ作品でもカット場面に違いがある場合があり、例えば「ヒッチコック特集」の際に放送された「めまい」はオープニングのバーナード・ハーマンの曲がカットされていなかったが、「10周年記念ヒッチコック特集」の際に放送されたときはカットされていた。 「午後のロードショー」はここ数年は主なターゲットである中高年を意識したのか地井武男の保険のCMや健康青汁のCM、水野晴郎監修の名作DVDの通販などのCMが多い。 吹き替え 「午後のロードショー」は全て吹き替えで放送されている。前述の「映画秘宝」誌に載った特集記事で、担当者が「以前20世紀名作シネマとして4作品ほど字幕で放送した」旨語っているが、このとき放送された「哀しみのトリスターナ」等4作品は時間帯は完全に「午後のロードショー」であったが、「午後のロードショー」の表記は一切なく、20世紀名作シネマの枠であったために、厳密には「午後のロードショー」ではない。比較的最近の作品は市販されているビデオ、DVD、LDの吹き替え音源をそのまま使う場合が多い。しかし、旧作の吹き替えは、以前テレビ東京や、他局の映画枠で放送された音源を放送することが多く、これらは現在市販されているビデオやDVD、LDには収録されていない貴重なものが多い。宮部昭夫のマックィーン、山田康雄のイーストウッド、城達也のグレゴリー・ペック、「何かいいことないか子猫チャン」の広川太一郎のピーター・オトゥールや、大塚周夫のブロンソン、一連のヒッチコック作品、若山弦蔵のショーン・コネリー、武藤礼子のエリザベス・テーラー、野沢那智のジェームズ・ディーン等、あげればキリがない。市販ではまず手に入らないものの多い貴重ものである。また、「ネバーエンディング・ストーリー」は、市販DVDに吹き替えも入っているが、「午後のロードショー」で03年8月25日に放送された音源はかつて87年10月11日にテレビ朝日の「日曜洋画劇場」、89年12月23日にフジテレビの「ゴールデン洋画劇場」で放送されたもので、市販のDVDに収録されているものとは別バージョンのものである。さらに04年9月2日放送の「レッド・サン」や、06年6月28日放送の「子鹿物語」などはこの「午後のロードショー」のために吹き替えを新録したという豪華ものだ。 内容 基本的には洋画も邦画も、比較的新しいものから旧いもの、長尺映画だろうが短い映画だろうが、カラーだろうが白黒だろうが、あらゆるものを放送している(※白黒の場合は「この作品はモノクロで放送しています」というテロップが冒頭にでる)。「ブラッド・ピットの君にメロメロ」や「史上最悪のボートレース ウハウハザブーン」(これら未公開作はテレビ東京の担当者が邦題をつける場合があるという)といったような未公開の珍品から「エデンの東」「旅情」などの映画史上に残る名作まで守備範囲が広い。ただし、映画草創期の1900-30年代の作品や無声映画、ジャン・リュック・ゴダールの映画やドキュメンタリー映画は放送されたことがない。 圧倒的に洋画が多い。邦画の放送は年に数えるほどである。が、加山雄三の若大将シリーズや石原裕次郎作品特集を組んだり、黒木和雄監督追悼放送があったりと、邦画を軽視しているわけでは決してないようだ。 「2時のロードショー」時代はB級、C級、(ときにはZ級)、キワモノ、ゲテモノ、珍品が多かったのに比べると、「シネマタウン」時代からテレビ東京は明らかに「午後のロードショー」に力を入れているものとみられ、マニアを唸らせるようなシブイ特集を組んだり、「2時のロードショー」時代に比べてはるかに再放送頻度も低く、新し目の作品も積極的に放送するなどしている。 なお、番組開始から2002年秋ごろまでは作品のジャンルや関連度なしにランダムな番組編成していたが、現在はあるテーマや俳優の主演作等を連続して組んだりするなどの「特集もの」を頻繁に行っている。 オープニングとエンディング 2008年4月1日からオープニングのCGが新しくなった。「風と共に去りぬ」のタラのテーマが流れる中、春夏秋冬の風景の中を異動しながら気球が浮かび、「午後のロードショー」と黄金色の文字で表記される。そして白字で作品名(特集ものの場合は作品名上に○○特集などと表記)が表示され、続いてスポンサーの紹介がなされる。なお、2008年3月31日までのオープニングでは原題と製作国、製作年も表記されていたが、今回からは廃止された(が、2008年4月15日の放送から再び表記されるようになった)。また、作品名の文字は、映画公開時にポスター等で使用されていた文字を使うようになった。 「2時のロードショー」「シネマタウン」のオープニングは未確認。「午後のロードショー」のオープニングは少なくとも2000年7月から2008年3月31日まではCGを使った青い空にピンクや黄緑色の気球が多数浮かび、ピンク色の字で「午後のロードショー」と表記され、直後に白字ゴシックで邦題・原題・製作年・製作国が表記される。特集ものの場合は「○○特集」等の表記が邦題の上に出る。次にスポンサー企業の名前が紹介され、テレビ東京の若手男性アナウンサーの声で「この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りします」と入る(放送開始以来誰が、そして何人のアナウンサーが担当してきたか等詳細は不明)。このオープニングは時間にして約36秒である。またこのオープニングの際流れる曲は少なくとも2003年か2004年あたりまでは「八十日間世界一周」であった(ちなみに「午後のロードショー」ではこの映画は放送されたことはない)。2008年4月まで使われた曲名は不明(情報募集中!) エンディングは、本編終了と同時にその作品で使われた曲を背景に本編スチールを使い、主な出演者2人の役者・声の出演が紹介され、吹き替え翻訳者や製作会社、テレビ東京のプロデューサー名が白字ゴシックで表示される。その後、コマーシャルの後に次回の放送作品がオープニングと同じCGのバックで白字ゴシックで表示される。時間にして3秒ほど。※なお、過去放送された作品が再び放送される場合でも、エンディングの声の出演紹介に、以前放送されたときとは違う映像のキャプチャが使われることがある。 ※なお、2006年6月15日放送の「ポセイドン・アドベンチャー」では、本編放送前に「ポセイドン」の劇場公開宣伝が放送された。 ※公式サイトでは2007年7月以降の作品一覧から吹き替え声優の名前も記されるようになった(その後、11月よりなぜか無くなる。12月以降復活。翌年1月からまた廃止)。2008年5月21日より公式サイトにはハイディフィニションされる作品に「HD」マークが表記されるようになった。 リマスター放映 2003年7月に洋泉社から出たムック本「別冊映画秘宝Vol1 吹替洋画劇場」の122ページに掲載されたDVD出版社社長の岩本克也氏のインタビューによれば「午後のロードショー」は「ムービーテレビジョンが、古いテープを今の放送に耐え得るようにデジタル・リマスターしている」そうである。いつも見る画質が綺麗なのはそのためである。昔の「2時のロードショー」時代は劣化した画質だったのに比べると大きな違いである。また、かつてはデータ放送であるITビジョンで放送されていたことがあった。 テロップ 当然ながら以前はなかったことだが、最近は同じテレビ東京系列のBSジャパンで放送される映画作品の紹介が本編中、上のほうにテロップで流れる。また、テレビ東京の他の番組の告知や、番組観覧募集のテロップも流れる。 たまに緊急ニュースがあれば「TXNニュース」としてのニュース速報もでる。しかし番組が中断されてニュースになるなどということはまずない。 10周年 「午後のロードショー」は2006年4月、放送開始から10周年を迎えた。落語家の春風亭昇太を番組の「応援団長」に起用し、2006年は各特集の紹介等の「午後のロードショー」の中での番組宣伝を行った。春風亭昇太は宣伝の中では襷をかけて登場。「10周年記念」として4月24日から27日までヒッチコック作品を連続放送した。5月15日から18日までは「午後のロードショーベストヒッツ」と題して人気のある作品等4本を放送した。さらに「2000回突破記念」として5月29日から6月1日まで「オーロラの彼方へ」等4作品を放送した。 ※2007年11月12日放送の「グレムリン」では、珍しく本編終了後にぬいぐるみプレゼントのお知らせがあった。 テレビシリーズ 日本では海外ドラマに入るテレビシリーズの特別版や、単発のテレビムービーが前後編に別れてよく放送されるのも「午後のロードショー」の特徴である。今までに以下のテレビシリーズ、テレビムービーが放送された。※特攻野郎Aチームは好評らしい。 【テレビシリーズ(※「新~」や「帰ってきた~」を含む)】 「アガサ・クリスティ ミス・マープル」 「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」 「女諜報員フォックス・ファイアー」 「警部マクロード」 「BLストライカー」 「特攻野郎Aチーム」 「私立探偵ジョー・ダンサー」 「ナイトライダー」 「ザ・シークレット・ハンター」 「女刑事キャグニー&レイシー」 「探偵マイク・ハマー」 「刑事コジャック」 「弁護士ペリー・メイスン」 「刑事コロンボ」 「白バイ野郎ジョン&パンチ」 「ベン・ケーシー」 【テレビムービー】
放送作品リスト
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