千葉市立磯辺第三小学校 インタビュー

千葉市立磯辺第三小学校
校長 齋藤敬先生
教務主任 笹本博紀先生

地域に還元できる教育を子どもたちに
手と手をとり合い育んでゆく「千葉市立磯辺第三小学校

2015(平成27)年で開校35年目を迎えた「千葉市立磯辺第三小学校」。教育目標に「自分を友だちをそして地域を愛する子どもの育成」とあるように、地域との結びつきも深く、大勢のボランティアさんに支えられ、保健指導・体育指導・食育を3本柱に、子どもたちを元気にたくましく育てている。そんな「磯辺第三小学校」について、校長の齋藤敬先生と教務主任の笹本博紀先生にお話を伺った。

まず始めに、「磯辺第三小学校」の沿革、概要(児童数など)について教えてください。

授業風景・全体

<校長 齋藤敬先生>
本校は1981(昭和56)年4月にできた学校なので、今年度で35年目になります。各学年2クラスと、今年から特別支援学級ができたので、370人の13学級です。

学校教育目標の中に「地域を愛する子どもの育成」とありますが、具体的にはどのような育成なのでしょうか。授業の中で取り入れている地域に関連する内容や、地域の方との交流についても教えてください。

千葉市立磯辺第三小学校 先生1

<教務主任 笹本博紀先生>
教育目標は「自分を友だちをそして地域を愛する子どもの育成」です。考え方としては自分を愛することで友達を愛することができる。友達やクラスの子どもたちと仲よくすることで、地域を愛することができると、同心円状に膨らんでいくという考えで作られています。地域に生きる年少者、年長者としての好ましい態度を育てていこうというのが、地域を愛する子どものねらいです。

千葉市立磯辺第三小学校 ランドセル

具体的には、地域学習支援ボランティア「三小を助け隊」を2014(平成26)年に立ち上げました。日々の教育の中で、「学級担任がもう一人いたら助かるのに」という場面があります。そんな時に助っ人として入って頂くのが、「三小を助け隊」です。

例えば、家庭科の授業で縫い物やミシンを使うときや、子どもたちが九九を覚えているかチェックするときなど、担任が1人だと他の30人が待っていないといけないという場面があります。そんな時に「三小を助け隊」が入ることで、きめ細かな指導支援に役立てることができます。同時に、子どもたちは地域の方とのふれあいを通して、僕たちは地域の方々に育てられているんだ、ということを実感することにも繋がります。現在、101名の登録者がいるほど、本校は、地域の方々に支えられています。

「助け隊」は決して地域の方々だけではありません。本校の子どもたちで結成された「地域を助け隊」もあります。地域からのリクエストで活動しており、1年に1度、敬老会の大きな行事があるのですが、そこでの会場案内や、受付の補助、会場内の喫茶スペースでお茶を出したりしています。これはボランティアで毎年行っています。

千葉市立磯辺第三小学校 カスタネット

その他にも、1年に1度、秋口にまちづくり推進事業とのタイアップで、授業の時間を使って、街の美化活動をしています。6年生を中心に授業の中で、地域をどうしていきたいか、気になるところはないかを話し合います。1年生から6年生までの縦割りグループが12グループあるのですが、そのグループの中に地域の方や保護者の方も入って、公園や用水路沿いなどの草刈りや掃除、「きれいにしましょう」と周辺地域に住む方々に向けてポスターを貼ったりしています。児童を含め総勢500名以上参加されています。
1年生はけん玉やお手玉などの昔遊びを「磯寿会」という地域の方々に教えてもらっています。4年生は敬老会で楽器の演奏をしたり、体育館に招待して遊んだりしています。

<校長 齋藤敬先生>
千葉市が各地域の老齢化率を出しているんですが、千葉市は22%くらいで、磯辺地区は30数%と老齢化率の高い地域なんですよ。認知症の方を見かけたら、誰かに連絡しようというサポーター養成講座にも参加しています。

千葉市立磯辺第三小学校 安全マップ

<教務主任 笹本博紀先生>
異校種との交流も行っています。学区内に「千葉県立磯辺高等学校」があり、そこの陸上部の生徒さんが「磯辺第三小学校」の子どもたちに指導に来てくれています。また「磯辺保育所」と津波対策の合同避難訓練を毎年行っています。津波警報が出たという想定で、保育所の子どもたちと一緒に屋上まで避難します。その際、小さい子は階段を上っていくのが大変なので、6年生が手を引いてあげたりして避難しています。

地域の公共施設との連携も行っています。「千葉市民ギャラリー・いなげ」に行き、ここは埋め立て地で昔は海の中だったという話を聞いたり、昔の景色の写真を見せてもらったりしています。地域の歴史を知ることも、地域を愛することに直結すると考えています。

第三磯辺小学校廊下

<校長 齋藤敬先生>
このあたりには、魚が光に寄って来る習性を利用して、灯篭に火をつけて漁をする夜灯漁(よとぼしりょう)という漁があったんですね。それにちなんだ夜灯祭が10年前から地域で開催されています。その関連でギャラリーの人に教えてもらいながら灯篭を作ってお祭りで展示することも予定しています。

学習面では、少人数指導や、習熟別学習を取り入れていますが、「磯辺第三小学校」の学習方法により、 子どもたちの学力や学ぶ姿勢には、どのような変化がありましたか。

千葉市立磯辺第三小学校インタビュー

<教務主任 笹本博紀先生>
現在は、少人数指導を中心に取り組んでいます。つまずいている児童に親身になって指導をしてあげることで内容の理解や習熟度が進んで、最終的に児童の学習意欲が高まっていくと思っています。

<校長 齋藤敬先生>
ついていくのが難しい子については取り出して、基礎的な学びを別の支援の方にやって頂いています。千葉市に「ちば教育夢工房」というNPO法人の団体があり、退職された教員などがボランティアでやっているのですが、そういう方々に来ていただくこともあります。本校は担任とは別に、少人数指導のための職員が1名いますので、その職員がいくつかクラスを回って指導しています。

大人にも共通すると思いますが、わからないことがわかるというのはやる気に繋がりますよね。教室でわからない授業を悶々と聞いているよりは、わかるところからスタートしてあげれば、楽しくなります。これは指導の上で、大事なことだと思っています。

「磯辺第三小学校」に通う子どもたちの特長、また学校の雰囲気についても教えてください。

千葉市立磯辺第三小学校 授業

<校長 齋藤敬先生>
みんな明るく元気でいい子だと思いますよ。週に1度掃除の無い40分間の昼休みがあるのですが、外に出て楽しそうに遊んでいます。本当に元気な子どもたちなので、雨が降っても遊びたがっています。みんな仲が良く、6年生でも男の子と女の子が一緒に遊んでいるところをよく見かけます。学校が好きだという子が多く、朝もいい顔で登校しています。

海が近いことも魅力かと思いますが、自然を活用した授業や行事などは行われているのでしょうか。「磯辺第三小学校」ならではの行事についても教えてください。

モザイク画

<校長 齋藤敬先生>
遠足では「稲毛海浜公園」に行きます。海につかったり、公園で遊んだりします。縦割りで高学年が低学年を見て一緒に遊んだり、学年で遊ぶことが多いです。海辺を使うのは、遠足など行事で使用することがほとんどですね。

クラブ活動などはあるのでしょうか。

千葉市立磯辺第三小学校 授業

<校長 齋藤敬先生>
子どもたちの「やりたい」という気持ちを大切にしたいので、年間5、6回クラブ活動を行っています。教員の人数内でしかできないので、10種類前後です。

<教務主任 笹本博紀先生>
クラブ活動の内容は、その年の子どもたちが「こういうのをやりたい」とプランを出しています。その中で可能なものを決めて、実践するといった取り組み方です。子どもたちが沢山案を出してくれますね。人気があるのは運動系ですね。サッカー、バスケット、球技クラブなど。料理クラブも人気です。

2015(平成27)年は、保健指導・体育指導・食育の3本柱を重点的に取り組まれるそうですが、この3つの内容を重点課題とした背景は何でしょうか。また、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

マイスクールプラン

<校長 齋藤敬先生>
千葉市で推進している「マイスクールプラン」というのがあります。本校は豊かな心を育むことも課題にしています。食に興味をもち、体のことをよく知り、そして体力も高めていくことで、心を育てていこうとするものです。

食育は、最近食の細い子が多いので、食に興味をもつ取り組みを行っています。豆を育てたり、給食のそら豆の皮を剥いたり、トウモロコシの皮むきをしたり、給食のメニューに何が入っているかを放送したり。4年生は社会科の授業で県内の文化や歴史について、勉強をするのですが、千葉県は醤油工場が多いので見学に行ったりと実際に体験する授業が多いです。学校でもサツマイモを育てていますが、農政センターに見学に行って芋堀りをしたりといった体験学習も行ったりしています。

千葉市立磯辺第三小学校 校長先生

保健は養護教論を中心に、一生懸命指導しています。6月4日の「虫歯予防デー」には「全国学童歯磨き大会」があり、4年生がインターネットで中継配信される情報を見ながら、歯磨きについて勉強します。この時、近くにある「東京歯科大学歯科衛生士専門学校」の学生さんたちが30人くらい来てくれます。4年生が60人くらいいますので、子ども2人に1人の学生さんがつく形で、歯磨きの染め出し等について指導をしてくれています。

体育では、体力、そしてクラスの結束を高めるために、5月と12月の年2回長縄大会をやっています。1回目は10分、2回目は15分の中で何回跳べるかを競います。曜日を決めて学年ごとに鉄棒に取り組む「チャレンジウィーク」ということもやっています。

2013(平成25)年には、校内に学童保育の部屋も出来たと伺いました。学童保育の活動などについても教えてください。

千葉市立磯辺第三小学校 水筒

<校長 齋藤敬先生>
千葉市では「子どもルーム」と名付けているのですが、本校の2教室お貸ししています。利用するのは1年から4年までで、授業が終わった後に「子どもルーム」で宿題をしたり、遊んだりしています。

海も近く、自然溢れる地域ですが、子育てエリアとしての魅力についても教えてください。

磯辺公園

<校長 齋藤敬先生>
周辺は埋め立て地域で、計画的に作られたエリアなので、スーパーマーケットは近く、教育施設も身近にあり、便利です。子どもを育てるにはとても良いと思いますね。安全面で地域の方々の協力もあり、親としては安心して働けると思います。千葉市は2005(平成17)年から「セーフティーウォッチャー」といって、ボランティアの方が登校時に通学路に立っていただいたり、散歩しながらでも子どもたちの様子を見るなど、地域の方々が見守ってくださっています。いつも15時頃(下校時)には立ってくださっているので、ありがたいなと思っています。

※2015(平成27)年6月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

千葉市立磯辺第三小学校 先生近影

今回、話を聞いた人

千葉市立磯辺第三小学校

校長 齋藤敬先生(写真:右)
教務主任 笹本博紀先生(写真:左)

千葉市立磯辺第三小学校
所在地:千葉市美浜区磯辺1-25-1
電話番号:043-277-1021
URL:http://www.cabinet-cbc.ed.jp/school/es/101/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

千葉市立磯辺第三小学校 インタビュー
所在地:千葉県千葉市美浜区磯辺1-25-1 
電話番号:043-277-1021

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