big_peat_今回は複数のアイラモルトをブレンドした、ビッグピートを飲んでみます。

しかめっ面を下髭のおじさんのラベルが特徴的なビッグピートは、ダグラス・レイン社が手掛けるボトルで、原酒としてアードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンを使用しています。

ウイスキー評論家として有名なジム・マーレイ氏も、自身の著書ウイスキーバイブル2011年版で、100点中96点をつけるなど、高い評価を得ています。

では、まずはストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド。香りはクリーミーなものの中にほのかに正露丸風の香りが込められた感じです。

口に含むと、アイラモルトならではの正露丸のようなピートが口に広がりますが、アードベッグTENやラフロイグ10年ほど強いものではありません。奥から青リンゴ、ライム、生クリーム、カラメルと続きます。

味わいはアルコール由来の辛さがそれなりにあり、そのあとでビター、酸味が続く印象です。下に残る後味にはしょっぱさもあります。

ロックにすると、ピートは柔らかくなり、ライムや青リンゴのさわやかさが前に出てきます。
味わいはしょっぱさが表に目立つようになり、それを下から支えるように酸味、奥からビターと続きます。

最後にハイボールにすると、アイラモルトならではのピートはほのかに香りつつ、青リンゴとクリーミーな香りが訪れます。
味わいは甘さが主体となり、ウイスキーらしさを残しながらも比較的まろやかになります。

ビッグピートという割には、それほどインパクトが強いわけではなく(後に登場したコリーヴレッカンが強すぎるというべきか)、むしろクリーミーな印象を持つ、アイラモルトとしては標準よりややまろやかなボトルに思えます。

700mL、アルコール度数46度で、価格は7000円ほど。ノンエイジのブレンデッドモルトとしては値段が高いですが、おそらくはダグラス・レイン社が独自に買い付けたカスクをもとにブレンドした可能性はあります。
特に、ポートエレンは1983年に閉鎖されているわけで、その原酒というだけでも貴重品でしょう。

アイラモルトファンにとっても常飲に足るべきものになっていますが、ウイスキー全般が好きな人でも受け入れられるでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: アイラモルトならではの正露丸、ヨードを持つピートは中庸よりやや控えめ。そのあとは青リンゴ、ライム、生クリーム、カラメル。
  • 味わい B: ストレートでは辛さが目立つが、加水されると先にしょっぱさがあるが、さらに進むと甘さがある。全体的にビター、酸味も伴う。
  • 総評 B: 値段は高いものの。アイラモルトファン、そうでない人でも受け入れられる寛容さがある。