ベビー服業界では、春夏物については2~3月、秋冬物については9~10月に、繁忙期がやってきます。
ベビー服EC『べびちゅ』でも、繁忙期は毎年やってきます。

なお、繁忙期というのは、旬の商品がいっぱいショップに出てくる時期のことで、この時期がショップにとってのかき入れ時になります。

ところで皆さん、
『秋冬物って高価なイメージがあるし、客単価も上がるんでしょ?』
って、思っていませんか?

私もそう思っていました。
でも、その考えは、間違っていました・・・。

実は・・・。
春夏物の繁忙期の客単価は、秋冬物の繁忙期の客単価より、644円(10.9%)も高いんです。

これには、驚きました。
なぜ、こんなことになるのでしょう?
秋冬物のほうが商品単価が高いはず』なのに不思議ですよね?

そこで、なぜ2つの繁忙期の客単価に違いが出たのかについて、調べてみることにしました。
興味深いことが分かってきたので、早速説明してみたいと思います。

客単価|春夏物繁忙期 VS 秋冬物繁忙期

今回、べびちゅの繁忙期の客単価を比べるために、2016年9~10月(秋服物の繁忙期)と2017年2~3月(春夏物の繁忙期)の客単価を計算してみました。
なぜ、この時期を比較したのかというと、べびちゅでは、色々な施策を年中打っているので、期間が空きすぎると、客単価が大きく変わることがあるからです。

結果は、2016年9~10月(秋服物の繁忙期)の客単価が5,910円、2017年2~3月(春夏物の繁忙期)の客単価が6,359円でした。
その差は、644円(10.9%増)です。

この差は、なぜ起きたのでしょう?

1注文当たりの商品点数

客単価の差は、1注文当たりの平均商品点数の違いと関係あるようです。
2016年9~10月(秋服物の繁忙期)の商品点数が2.45点なのに対し、2017年2~3月(春夏物の繁忙期)の商品点数は、3.10点でした。
この差によって、客単価の差が出たようです。

もうひとつ、調べました。
商品の1点買いの人はどのくらいの比率なのか?』についてです。
この比率は、1点買いした人の人数を各期間に注文した数全体で割ったものです。

2016年9~10月(秋服物の繁忙期)の比率が35.0%なのに対し、2017年2~3月(春夏物の繁忙期)の比率が22.5%でした。
秋冬物の繁忙期のほうが、1点買いのお客様が増えるのですね。

商品の平均単価は、やっぱり・・・。

秋冬物のほうが商品の単価が高いので、1点買いが増えたり、1注文当たりの商品点数が減ったりするのでしょうね?たぶん。

一応、商品の単価も調べておきましょう。
2016年9~10月(秋服物の繁忙期)の商品の単価が2,620円。
2017年2~3月(春夏物の繁忙期)の商品の単価が2,287円となりました。

やっぱり、秋冬物のほうが1商品あたりの単価は高いのですね。納得。

結論と考察

結論として、次のように考えました。

  • 秋冬物は商品の単価が高いので、1点買いが増えたり、一度に購入する商品点数が減る
  • 結果、春夏物の繁忙期のほうが、秋冬物の繁忙期と比べ、客単価が高くなる

なぜ、このような結論になったのでしょう?
気になったので、べびちゅのママさんスタッフに聞いてみました。

『秋冬物は、アウターやブーツなど高額な商品の1点買いが増えます』
『春夏物だと秋冬物に比べて商品の単価が安いので、たくさん買いたくなります!』
『秋冬物のアウターは、これさえ着せといたらいいか?みたいな感じで、インナーの購入が減ります
『春夏物は、Tシャツとか、(カラーバリエーションなど)そろえたくなる』
月のお買い物の予算が決まってるので、あと1枚というときに秋冬物だと手が出にくい』
などなど、色々な意見が出てきました。

なるほど。なるほど。
話は聞いてみるものですね。

これで『春夏物の繁忙期のほうが、秋冬物の繁忙期と比べ、客単価が高くなる』ことに納得できました。

まとめ

  • ベビー服業界では、夏物については2~3月に、秋冬物については9~10月にそれぞれ繁忙期がやってきます
  • 春夏物の繁忙期の客単価は、秋冬物の繁忙期の客単価より644円(10.9%)も高い
  • これは、1注文当たりの平均商品点数が春夏物の繁忙期のほうが高くなるからのようです
  • さらに、秋冬物の繁忙期のほうが、1点買いの注文が増える傾向にあるようです
  • なぜ1注文当たりの商品点数が減るかというと、商品の単価が秋冬のほうが高くなるからのようです

もちろん、今回の結論や考察は、別の業界では当てはまらないこともあるかと思います。
しかしながら、結果を見ながら、お客様の心理を読み解いていくこと自体は、貴社のEC運営においても何かしら参考になるのではないかと思い、この記事を書きました。

本記事が貴社のEC運営において、何かしら役に立ちましたら幸いです。