ゴールデンウィークが明けた5月8日、原宿駅から少し入ったところにある閑静な住宅街に、あるカフェがオープンした。名前は「ローランズ social flower & smoothie shop」http://www.floran-jp.com/harajuku/。花屋さんに併設されたおしゃれな店内で、色とりどりのスムージーやスープなどの軽食が楽しめる。
ゴールデンウィークが明けた5月8日、原宿駅から少し入ったところにある閑静な住宅街に、あるカフェがオープンした。名前は「ローランズ social flower & smoothie shop」http://www.floran-jp.com/harajuku/。花屋さんに併設されたおしゃれな店内で、色とりどりのスムージーやスープなどの軽食が楽しめる。
実はこのカフェ「ローランズ」、軽度の障がいのある人たちが働く福祉事業所でもある。民間企業で働くことが難しい障がい者を対象に、国が就職の場を提供する「就労支援事業」のひとつだ 。しかし、世間一般の人たちが抱く「福祉事業所」と、ローランズの店内は全くイメージが異なる。やや誤謬があるかもしれないが、あまりにもオシャレで華やかで、都会的なのだ。
働く障がい者の月給は全国平均「6万7795円」
オープニングセレモニーで挨拶する女優の東ちづるさん(撮影:北条かや)
「ローランズ social flower & smoothie shop」ではオープン初日の5月8日、一般社団法人ローランズグループと事業を共同で進めてきた日本財団や、女優の東ちづるさんなどが集まってオープニングセレモニーが行われた。
現在、全国の福祉事業所(就労継続支援事業A型、注1参照)で働く障がい者の平均月給は、わずか6万7795 円。ローランズではこの2倍近い「月給13万円」を目指すという。都心のカフェで、人件費や施設維持費を払いながら人件費を上げていくのは至難の技。そもそも「福祉事業所」を都心の一等地に作るところから、相当の苦労があったようだ。ローランズグループの福寿満希代表は語る。
「事業所のテナントを見つけるまでの道のりは大変でした。条件面でオーナーさんとの折り合いがつかず、都心での開店をあきらめかけたこともあります」
都心は賃料が異様に高いこともあるが、もしかしたら「福祉事業所」という存在が、都心の「おしゃれなビルのテナント」として受け入れられづらかったのだろうか。だとしたらあまりにも不条理である。福祉事業所は、国の助成を受けられるとあって全国で増えているが、どちらかといえば郊外や地方に多く、おしゃれで洗練されたイメージとは程遠い。