今年2月に、日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を徴収するという話で話題になりました。
これに反対する形で、ヤマハ音楽振興会らは「音楽教育を守る会」を発足しました。
音楽教育を守る会は音楽教育事業を営む7つの企業、団体(下記参照)が、日本音楽著作権協会(JASRAC)による「音楽教室」における著作権料徴収の動きに対応するために結成しました。その後、関係各社、各団体への参加を呼びかけ、会員法人数は300以上になっています。
なお、当会への入会は団体・法人とさせていただいております。個人事業者も今後影響を受ける場合がございますので、その代表として指導者の協会にご参加いただいております。
30日、音楽教育を守る会が総会を開き、JASRACに音楽教室から著作権料を徴収しないことを承認させるために集団訴訟を起こすことを決定しました。
今回は、音楽教室を守る会のJASRACに対す集団訴訟について調べてみました。
http://media.sairilab.com/?p=4723
著作権料を支払う義務はあるのか
この問題の争点となることは、ズバリJASRACに著作権料を支払う義務があるのかということです。
よって、今回JASRACが定める著作権料の支払い義務に該当するかどうかが争点として議論されることになります。
JASRACは次に示す規定を根拠に著作権料徴収を請求しています。
(上演権及び演奏権)
第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
ここで出てくる「公衆」という言葉がキーワードで、例えば学校教育で使用する音楽は公衆を対象としておらず、教育を目的としているため著作権料徴収の対象となっていません(一部例外あり)。
音楽教室らの主張
JASRACに対し、音楽教室を守る会は次のように主張しています。
音楽教室におけるレッスンにおいて先生が生徒に教える目的で楽器を弾いて示すのは、音楽を音楽として享受させるのではなく、教授目的であり、これが「公衆に直接…聞かせることを目的」とした「演奏」とは到底いえません。
また、音楽教室は、単に演奏技術の教授の場にとどまらず、音楽を通じた幼児に対する全人格的教育の場であり、また青少年やシニア層に対する生きがい提供といった場でもあるなど、社会教育的意義をも有するものであり、その意味では学校教育と同列に論じられるべきものと考えています。
つまり、音楽教室におけるレッスンはJASRACが主張する根拠とは異なり、演奏の目的が違うため徴収されるのはおかしい、という話になります。
JASRACの徴収方法にも疑問
また著作権料の徴収の仕方にも不明な点があります。
JASRACは音楽教室に対し、その月の収入の一定割合を著作権料として徴収すると述べています。
当然レッスン料は音楽教室により異なります。
しかしこの考え方だと音楽の使用料とは別の、講師の違いによって発生するレッスン料に対して著作権料を徴収することになり、そもそも著作権という本質が失われているように感じます。
著名人たちもJASRACの考え方に不快感を示す意見が多いです。
もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな。https://t.co/34ocEwCj8K
— 宇多田ヒカル (@utadahikaru) 2017年2月4日
JASRAC正会員の一人として。私は「営利を目的とする場」での演奏であるなら、当然楽曲の著作権使用料は払うべきものだと思う。だけど、音楽教室で「練習のために」弾いたり歌ったりするものから、使用料をもらいたいと思ったことなどない。https://t.co/ituJlOo0yY
— 及川眠子 (@oikawaneko) 2017年2月2日
ネットの反応
音楽業界の害悪JASRACは解体するべきだ
頑張れ音楽教室!
音楽文化の敵、JASRAC!
日本の音楽業界衰退の原因
音楽の自由を奪うな
音楽なんて興味が無くて 金だけに興味があるみたい
http://media.sairilab.com/?p=4723