この漫画に出てくる料理は決して特別なものじゃなく、日常の一部です。
毎日の生活の中にそっと花を添えるような、落ち込んだ日に食べたいと思えるような、言葉の代わりに差し出されるような、そんなおなじみの家庭料理。
食べたことのないレシピを教えてくれる本も好きですが、味が想像できるものだからこそ読んでいて熱いものがこみ上げてきます。
そんな中から今回は山形名物の「だし」。
そういえば作ったことがないなぁと思って作ってみました。
夏野菜と薬味とねばりの出る食材を刻んで醤油などであえたもの。
漫画でも「こっちの方が美味しい!」と張り合っている場面があったように、家庭によって入れる具材や味は様々。
レシピを調べたところ野菜や薬味は、なす、きゅうり、みょうが、大葉が一般的みたいですね。
枝豆、にんじん、生姜、アボカド、トマトなんかも美味しそう。
ねばり担当には納豆昆布、オクラ、山芋など。
火も使いたくないような暑い日に冷蔵庫の残り物で作る、そんな家庭料理らしいです。
これからの暑い季節にぴったり。
(出典 ごはんのおとも2巻/たな)
※詳しい分量は漫画でご確認ください。
なすを切ります。
細かく5mm幅の角切りに。
ぶきっちょな私には5mmは難しゅうございました。
塩水につけてアク抜きします。
きゅうりも細かく5mm幅のさいの目状に刻みます。
ミョウガは半分に切って斜めに千切り。
オクラは5mm幅の輪切りに。
オクラの断面って可愛い。お星さま(・∀・)
しょうゆ・お酢・みりん・顆粒だしの漬けダレに具材を投入。
混ぜ合わせて、1時間~半日寝かせたら完成。
きゅうりがポリポリして美味しーい。
レシピより多めに野菜を入れたため味見したらちょっと薄味に…ということで塩昆布を入れて調整しました。
昆布のダシも出てちょうど良かったです。
ご飯にのせたり
卵黄とあげ玉トッピング。
間違いない組み合わせ。
豆腐にのせたり
ゴマ油を垂らして。食欲がなくてもさらっと食べられる!
めんにのせたり
そうめんの具に。納豆も追加してさらにねばねば。
うどんや蕎麦にも良いですね。
刻むだけで簡単なので、夏場の常備菜として活躍してくれそうです。
漬けダレはめんつゆや白だし、ポン酢など、これまた家庭によって違うみたいなので、私も何度も作っていくうちに自分好みの味を探求したいと思います。
この漫画の見どころはフルカラーならではの贅沢な色どり。
落ち着きのある色づかいや、遊び心のあるコマ割り、食器や部屋の細々した小物まで作者のセンスとこだわりが光ります。
見た目にインパクトがあるような派手な料理はありませんが、食べものの繊細な描写と優しいストーリーの溶け込み具合が絶妙なんです。
(出典 ごはんのおとも2巻/たな)
中でもこのお刺身がやばい。
何度見ても本物以上に美味しそう…!!
登場人物は料理店「ひとくちや」を中心に、みんなどこかで繋がっています。
1話でぶつかったあの子が、2話の主役というように毎回別の人物にスポットライトが移り変わってゆくのです。
作者の描く人物は大人も子供も老人も、みんな愛おしく、1人1人に血が通ってるみたいにあったかい。
誰かが悩み、問題にぶつかるとき、そこには必ず優しいアンサーが用意されています。
家族が集まり町になるように、一つ一つの物語が集まって一冊になっています。
繋がりに注目しながら読み返すとまた違った面白さに出会えることでしょう。