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[インフラとは] 野村総合研究所によると、情報システムを動かすために必要となる部品のうち、業務アプリケーションを除くもの一式を言うそうです。 インフラは様々な部品を組み合わせて実現されていますので、構築する場合にはそれぞれの部品の専門知識が必要になります。サーバやPCの専門家、ネットワーク機器やネットワーク回線の専門家、付帯設備や配線システムの専門家という人がこれに相当します。 [所感] ...そんな、えらいものじゃありません。 |
はなずきんのアンテナ
日記の一覧 はなずきんてこんな人 IT勉強会カレンダーへ情報提供 Microsoft技術情報 count: since:2004/05/23 |
2017/05/27(土)、 白浜シンポジウム オープンセッション 怖がらせすぎないセキュリティ啓蒙についてに参加してきました。
立命館大学の上原先生、ヤフーの佐川さんと、子供とネットを考える会から私の3名で登壇させていただきました。
上原先生から、オープンセッションの趣旨について会場への説明がありました。
趣旨につきましては、端的に書かれている当日のツイートへリンクをしておきます。
@springmoon6: セキュリティの啓発活動: 経営層や幹部に向かって、脅威を説明してほしいと言われ、怖がらせることを求められる。「いつの間にかデータが抜かれている」など。むやみにこのようなことを言うと、リスク回避の方向に動きがち。「情報モラル教育」でも同じことがあるのではないか。 #sccs2017
スライドの抜粋を↓に貼っておきます。
子供とネットを考える会の紹介もしましたが、子供とネットを考える会が企業に勉強会登壇を依頼しているのには、噂レベルで企業の取組を知ったつもりになりたくないし、思い込みで穿った見方をしていては、ユーザとしても幸せにならないと思っているからです。
企業に直接取組を聞けば、事実を知ることができます。
さて、本題。
ざっくりいうと、ホラーな啓発には3通りあります。
以前、「思いっきり怖がらせてください」ではなく「正当にこわがる」情報モラル教育 - EducationTomorrowにも書かせていただきましたが、学校現場から依頼を受ける場合に「思いっきり怖がらせてください」「昨年の講師の方はとても怖かったので、同じように怖がらせてください」「年に1度は怖がらせたいのです」と言ったことを言われることがあります。
年に1度のホラーって稲川淳二じゃあるまいし。
となってしまうのです。
確かに、ねつ造や思い込み、誇張などで極度の「なんだかわからないけど、近寄ったら危ないかもしれない」という印象を抱かせることに成功したとしても、それは、正しい危機回避にはつながらないし、ユーザや生徒の成長につながることはありません。
質疑応答でも会場から野々市市の事例が話されていましたが、持たせないことから何が生まれたのか?については、その後、様ざまな場所で議論されています。
参考:
小寺信良「ケータイの力学」:「ケータイを持たせない」という選択 - ITmedia Mobile
さて、オープンセッションでは実際に、誇張やねつ造/思い込み/妄想を含んだ講演を聞いた保護者の事例を紹介させていただきました。
ホラーな啓発講演を聞いた後に、保護者が話していたことは
えぇ、怖かったんです。知らないことばかりで、で?その後どうしたらいいの?に一切つながらない。
講演の中に事実が含まれていたとしても、インパクトのあるホラー要素が頭の中に残ってしまって、結局、「わー怖かった」になってしまうのです。
当日のツイートが良かったので貼っておきます。
@springmoon6: 消費者教育: インターネット環境が健全でなければ、Yahooのビジネスが成長しない。 環境の整備とリテラシの向上をバランスよく進めたい。 - ネット環境の健全化 - 犯罪抑止・防止 - リテラシ教育 - 社会課題の解決 #sccs2017
@springmoon6: 「行動変容」: リスクを正しく伝達し、相手の行動変容に繋がるようにする。聞いた相手に「やって見よう」・「考えてみよう」・「話し合ってみよう」と思ってもらうことを重視。Yahoo としてサービスの利活用に繋がるようにすることを指標にしているわけではない。 #sccs2017
ヤフーの佐川さんには子供とネットを考える会でも、一度、ヤフーキッズの取組を紹介していただいたことがあり、とても楽しみにしていた内容です。
子供とネットを考える会で登壇していただいた際も、事業者として知ることのできる事実を丁寧に、なぜ、この時期にこのキーワードが検索されるのか?にまで言及して解説をいただいたことがあります。
事実は事実として、どのように向き合うのか?
また、消費者教育の一環として、どのようにユーザを動かすことができるのか。
佐川さんの講演は、ホラーではない、その後どうしたらいいのか?を考えることのできる要素が満載です。
活動を始めてから、一貫して保護者や大人を対象に啓発活動を行っているというのも、未来を担う子供たちのためにまずは大人が動くことが大事と感じました。
上原先生、やまぐち、佐川さんのショートセッションのあと、会場の方を交えてディスカッション的なことが行われました。
困ったを気軽に問い合わせる場所があるといいのにな。
という話では、企業の場合は情シス部門が受け皿となって質問を受け付ける場所があるけれど、個人の場合はどこになるのか。
一般社団法人セキュリティ対策推進協議会(SPREAD)の取組もあるけれど、取組が浸透しているかというとまだまだだと思う。
年配の方の場合、困ったときは携帯ショップや家電量販店という方もおられるけれど、売上につながるものでもないのでなかなか受け入れは難しそうだ。
ホラーがなぜ蔓延するのか?
ホラーというスパイラルの中に一度足を踏み入れてしまえば、もっと怖い話を求めてしまう。
事実を話してもインパクトがなく、インパクトベースで言えばホラーは聴講には満足度が高い。
では、そんなホラーについては直接指摘すれば良いのでは?という意見もあった。
実際に、講演の主催者に事実誤認や誤りについては、事例を挙げて指摘したこともある。
講演者に事例について確認をしてくれる主催者もあれば、「講演者は権威のある人なので間違えるはずがない」と言われる場合もある。
そんな話を聞かされる保護者としてはたまったものではない。
誤ったホラーを事実と信じて子供に向き合った時に、果たして、子供は保護者のいうことを納得できるのだろうか?
なぜ、ホラーが蔓延するのか?という話でもう一つ。
ヤフーの佐川さんが仰っていた「クスリ」と「スマホ」の話。
「クスリ」については、中学や高校で人生を踏み外す出来事として、その恐怖を幾度となく聞かされる。
「スマホ」の話をする時も、「クスリ」の啓発と同じように恐怖を幾度となく聞かされれば、それはホラー以外の何物でもない。
上原先生が、バイクの3ない運動の話をされた。
「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」。
市町村によっては、この3ない運動のスマホ版の動きが起こっている。
本当に、「スマホ」を持たないことを続けて、いざ、使おう!となったときにセキュアに安心して安全に利用できるのだろうか?と。
全体を通してのまとめは、ツイートを引用させていただく。
@springmoon6: [まとめ] ・コミュニティ内で脅威を理解し、リスクを分析して納得のいくルールを自主的に定めていくことが重要 ・分からない人には助け舟を出しましょう ・分かっている人は少しでも横に広げていく活動をしていきましょう #sccs2017
ホラーな啓発が何を生み出すのか?
そういったことを改めて考える機会をもらった今回の白浜。
自分自身の活動にも生かしていきたいと思う。
エンジニアとかセキュリティの人にお願いしたいこと。
ぜひ、地元でスマホやモラルと書かれた講演があったら聞きに行ってみてください。
もし、誤りや事実誤認があるなら、指摘しましょう。
誤ったことを聞いて育った子供達もまた、私たちの後輩として会社に入社してくるかもしれないのです。
嘘偽りで脅すのではなく、正しいことから学べるように子供たちを支えて行きましょう。
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