『CRISIS』小栗旬は“キザ”だけど”結果を出す男”「ドラマ史に残るアクションをやって終わらせます」

ここ数年、“しいたけ占い”にハマっております。これがよく当たるし、文面が優しい。占いって本来は背中を押す、そっと手を差し伸べるようなものだったと記憶しているのですが、いつの間にやら上から目線のタイプが増えましたよね。優しくして欲しいな、占いくらい…。今回は『CRISIS　公安機動捜査隊特捜班』（カンテレ・フジテレビ系）に主演されている小栗旬さんについて。このドラマ、今クールでは毎週軽く興奮して視聴するほど大好きです。

元自衛隊員の稲見朗（小栗）、元公安捜査員の田丸三郎（西島秀俊）ら各分野のスペシャリストが集結する公安機動捜査隊特捜班。ここは通常の警察任務とは違い、テロ、反社会組織、政治事件と、現代社会のリアルな裏を描いた事件を捜査して解決していく。

このドラマを面白くないと言われてしまったら、エンタメ界はぐうの音も出ないのかも。小栗＆西島コンビがまさかテレビドラマで同時に見られるという豪華さに始まり、想像の範疇を超えたアクションシーンが度肝を抜かれる。ただそこにいるだけでかっこいい2人が、ドラマ内では飛んだり、跳ねたりするシーンは毎回「眼福かよ！」とツッコミを入れたくなる…。

原案・脚本を担当する、直木賞作家・金城一紀が紡ぐ緊迫感あるストーリーもいい。毎回、テロや宗教、反社会組織などの“裏”をテーマにするのだが、これがとてもリアル。「あ、これはひょっとして地下鉄サリン事件…」と、オーバーラップすることが多い。何かと表現に関しては規制が多くなっている昨今で「よくぞここまで！」と讃えたくなる。

そしてこのドラマに主演しているのが、小栗だ。

第6話で気になったのが、彼の“キザな仕草”。序盤の田丸に話があると言われて外へ出ていくシーン。ちょっとめんどくさそうに鼻の下を軽く伸ばし、少し肩をいからせながら、手でアゴを抑える稲見。ただ、部屋から出て行くだけですよ…？　なんだこのキザっぷり！　

同話で宗教組織とホームセンターで激しい攻防戦を繰り広げるシーンも。毎度、敵を前にするといきなりスイッチを切り替えて暴れ出す稲見。これ、ボクシングで言うゴングが鳴る瞬間ってヤツだ、と息を飲んでしまう。

今作では、エロくて強くて繊細な稲見を演じている小栗。学園の王子、IT会社社長、織田信長、ヤクザ。ザッと彼の出演してきたドラマを思い返すと、彼はいちいち“キザかっこよかった”なと思う。そして年々、男臭さを増したキザになっている。

小栗と言ったら私が真っ先に思いつく役は、『花より男子』（TBS系）シリーズの花沢類役。茶髪で、御曹司で、優しい、ほんわりタイプのキザ。二番手のポジションに着く男性の地位を一気に格上げさせた。今となっては、まさかのその様子をモノマネする芸人も出てくるほど、あの存在は強烈だった。

『リッチマン、プアウーマン』（フジテレビ系・2012年）の日向徹は天才にして天然。だが、その隙間にほんの少しキザ要素が入ってくる。

「常識？ ああ、凡人が仲良く生きるためのルールのことか」
「大丈夫だ、心配するな。打つ手なんていくらでもある。しかも嘘じゃない。僕をなんだと思っている」

こんなセリフをさらりと放っていたことを思い出す。

そして今夜、5月30日（火）放送の『CRISIS　公安機動捜査隊特捜班』第8話では、日本テレビドラマ史では類を見ない7分30秒のノンストップバトルが繰り広げられるという。

「完成した8話を見たけど、狂っているね。ヤバすぎる。スゴすぎる。見た人は、絶対にビックリするよ。『CRISIS』はアクションが売りではありますが、これまでアクションで話を終わらせることはありませんでした。でも第8話だけはとんでもない、日本のテレビドラマ史に残るアクションをやって終わらせます」

では、小栗はなぜ多くの人を惹きつけるのか――。こういったキザで、一歩間違えれば放漫にとらわれがちな自信に溢れた発言をしても、それを納得させるだけの結果を出してきているところだと思う。彼の芝居に対する熱量、努力、そしてその実行力はこれまでの彼の出演作で見てとれるだろう。

今夜の放送はどうなっているのだろうか、小栗の“熱さ”が詰まったアクションシーンが楽しみだ。

『CRISIS　公安機動捜査隊特捜班』は毎週火曜21時～カンテレ・フジテレビ系にて放送。