「内山書店」100年で交流会

戦前の上海で、中国の文豪・魯迅と福岡県出身の青年が交流を育んだ「内山書店」が、設立されてからことしで100年になり、25日夜、現地で記念の会合が開かれました。
1917年、上海に設立された「内山書店」は、終戦まで20年以上、日中の文化人が集う交流の場となり、日中の関係が悪化したあとも、店員で、現在の糸島市出身の鎌田誠一が、店主の内山完造とともに、政治的な理由で当局から追われていた中国の文豪・魯迅を助けるなど友情を育みました。
書店の設立からことしで100年になるのを記念して、25日夜、書店にゆかりのある日中のおよそ100人が上海に集まり、会合を開きました。
日本側の出席者からは、当時、書店で販売されていた本や記念品が中国側の出席者に贈られました。
一方、中国側の出席者からは、内山完造などが、魯迅を助けたエピソードなどが紹介され、2人の友情を記念する奨学金を上海の学校に設立することが発表されました。
奨学金の設立に関わった魯迅の孫の周令飛さんは、「当時の友情を思い返し、中国と日本の間で何ができるかを考えることはとても重要です」と話していました。
また、内山完造のおいで東京で書店を経営する内山籬社長は、「日中の次の世代の人たちがつきあいを続け、広がっていってほしい」と話していました。