2017年5月28日(日)

児童ポルノ被害、9割以上が中高生 「自画撮り」最多、県警がまとめ

 県内で2016年に摘発された児童ポルノ事件の被害者(盗撮を除く)は前年比15人増の47人だったことが、県警のまとめで分かった。被害様態では裸を撮らせてメールで送らせる「自画撮り」が46・80%と最多で、県警はスマートフォンなどの普及が背景にあるとみている。

 県警少年捜査課によると、児童ポルノ事件の被害者の9割以上が中高生で、学校種別では中学生が36・36%、高校生が54・54%だった。全体の被害は14年まではほぼ横ばいで推移していたが、15年から増加。同課は「スマホの普及などで知らない大人と接する機会が増えたのが一因ではないか」と分析する。

 自画撮り被害のうち6割が、会員制交流サイト(SNS)やコミュニティーサイトを通じて面識のない加害者と知り合っていた。加害者は相手の弱みに付け込んだり、仲良くなるためなどと称して自画撮りを要求。油断させるため、年齢や性別を偽って近づくこともあるという。

 県警は対策として情報収集の強化や、学校向けにSNSの危険性や自画撮りの被害防止を呼び掛ける講習などを進めている。同課は「ひとたび画像がネットに出回ると、回収はほぼ不可能になる。軽い気持ちで裸を撮ったり、送らないでほしい」と警鐘を鳴らす。

 児童ポルノ事件の摘発件数は前年比1件増の69件、摘発人数は55人で変わらなかった。

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