フィリピン戒厳令1週間 激しい戦闘で104人死亡

フィリピン戒厳令1週間 激しい戦闘で104人死亡
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フィリピン南部では治安部隊とイスラム系武装勢力との戦闘をきっかけに戒厳令が布告されて30日で1週間となりましたが、現地では、激しい戦闘が続いてこれまでに100人余りが死亡し、事態の長期化による犠牲者の増加に懸念が高まっています。
フィリピンでは、今月23日、南部ミンダナオ島の都市マラウィで治安部隊と過激派組織IS=イスラミックステートを支持する地元のイスラム系武装勢力との間で戦闘が起き、ドゥテルテ大統領は、ISの脅威への対応などを理由にミンダナオ島や周辺の島々に戒厳令を布告し、軍の統制下に置きました。

戒厳令が敷かれてから30日で1週間となりましたが、現地では依然として武装勢力が中心部を占拠し、治安部隊との間で激しい戦闘が続いていて、軍によりますと、これまでに市民19人を含む、合わせて104人が死亡したということです。

また、およそ2000人の市民が武装勢力が占拠する中心部などに取り残されているということで、事態の長期化で犠牲者が増えることに懸念が高まっています。

ドゥテルテ大統領は、令状なしで身柄を拘束できる戒厳令について、60日間としている期間を延ばすことや、範囲を全土に広げる可能性も示唆していますが、フィリピンではかつて、独裁が続いたマルコス政権時代に戒厳令が弾圧につながったことから、人権団体などからは批判の声もあがっています。