関西学院大学法学部法律学科在学中の2006年に司法書士試験合格、その2年後の2008年には公認会計士試験にも合格し、難関資格のダブルライセンス保有者となる。その後、監査法人や総合事務所などでの勤務を経て、LEC専任講師に就任。難関資格を短期で攻略したその経験を活かして、この春満を持して司法書士講座に登場する碓井氏に様々な話を伺った。
- 川崎(以降Kと表記):
- 司法書士課の川崎です。本日は宜しくお願い致します。
- 碓井講師(以降Uと表記):
- こちらこそ宜しくお願いします。
- K
- さて、碓井先生といえば、司法書士と公認会計士のダブルライセンスを保有していることが、やはり一番の特徴でもあると思いますが、まずはその資格を活かして勤務されていた総合事務所(法務・財務を一手に扱う複数士業による合同事務所)でのお話しから伺いたいと思います。
- U
- 私は一般的な司法書士事務所ではなく、公認会計士、税理士、弁護士、行政書士、そして司法書士が集う合同事務所に勤めていました。会計部と法務部があり、1年目は会計部に所属し、2年目以降は法務部にて仕事をしていました。こういった合同事務所という形態はまだまだ少数派ですが、東京や大阪、名古屋といった大都市圏を中心に増えてきたように思います。
- K
- 確かにそれほど多くはないですが、魅力的な働き方ですね。他の先生から刺激を受けることも多そうです。
- U
- そうですね、自分自身公認会計士試験合格者として会計部と法務部の両方で、色々な士業の先生と仕事をして学ぶところも多かったです。
- K
- 差し支えなければ、どういった方が勤務されていたか、お伺いできますか?
- U
- はい、私が勤めていた頃は、自分を含めて公認会計士が3名、弁護士が5名、司法書士が2名、税理士が7名と、その他に事務員さんが20名程度いました。合計で50名弱くらいが勤務していましたね。
- K
- 法律系と会計系の資格保有者が多いですね!さて、そんな総合事務所で働くことと、司法書士事務所で働くことの違いはやはり大きいんでしょうか?
- U
- 大きく違いますね。特にクライアントの要望へワンストップで対応できる点で全く異なります。
クライアントからすれば、どこからどこまでが司法書士の仕事で、どこからが行政書士や税理士の仕事なのかは判断がつきません。それに、税金の相談だと思っていたら、そもそも登記名義もかえなければならない!なんてこともよくあるのです。多くのクライアントは専門家ではありません。そんな方々にベストなご提案をするためには、各士業の職域の垣根をこえて対応できる体制が必要なのです。
他士業との協力業務という世界は本当に面白いです。以前、合併の案件を受託したことがありました。合併というと、課税関係が問題になるとともに、合併契約書の作成、会社の債権者の取り扱い、そして合併登記といった法務面での問題もあります。所謂、内容が複合的かつ多岐にわたる分野なのです。
通常の事務所であれば、どこかの司法書士事務所か会計事務所が仕事を受託し、対応できない部分については懇意にしている外部の事務所に仕事の依頼を出したりします。しかし、合同事務所であれば、司法書士、税理士、行政書士などが一つのチームを組んで案件のセットアップからエクジッドまで対応することができるのです。 - K
- 確かに自分で会社を立ち上げようと思って相談したら、途中で別の事務所が出てきて、そちらにもまたイチから相談してお金払って・・・、というのはイヤですね。最初に依頼した事務所に最後まで面倒みていただきたいです。
- U
- そうですよね。私もそう思います(笑)。
- K
- さて、そんな合同事務所で法務のプロである司法書士として仕事をしてこられたわけですが、資格を持たない法務部員との大きな違いはなんでしょうか?
- U
- そうですね、では先ほどの合併の案件でのお話をさせていただきましょう。 私はこの案件で、契約書の作成や登記申請等の法務担当として仕事をさせていただきました。そんななかで、他士業の同僚から、法律家として求められる能力がありました。それは、「判断する」ということです。 やはり、一人のプロの法律家としてお仕事をさせていただく以上、様々なことを自分で「判断する」必要があります。
仕事に取り掛かる前提として、関連する条文にあたるのはもちろんのこと、様々な専門文献にあたっていきます。
過去に似たような合併の事例はなかったかを調べ、問題となっている事案の法的リスクを洗い出していくわけです。合併であれば、被合併会社が今までの取引企業との間に、潜在的な訴訟リスクを抱えていないか等が問題になります。そこで調べたことを、今問題となっている事案にあてはめていくのですが、生きた事例は過去の事例とは異なる部分があります。そのような過去になかった事柄・問題に対して、どのように対応することが、リスクを最小限におさえつつ、最大限の効果を発揮することができるのか、法律家として「判断する」ことが必要になります。プロとアマの違いは、過去の事例をただ当てはめるだけか、それとも原理原則・過去の事例などの趣旨などにたちかえって、「判断する」ことができるかどうかです。
このように、実務では、司法書士として、法律家として、プロとして各プロセスで判断することが求められます。責任は大きいですが、エキサイティングで、なおかつ自分の努力次第でクライアントに本当に喜んでいただくことができる仕事ですね。
- K
- 「判断する」というのは、責任も伴う重い仕事ですよね。では、その「判断する」際にどういった基準を最も重要視されていましたか?
- U
- 私が最も重きを置いていたのは「顧客目線」ですね。そのクライアントがコストメリットを重視しているのか、リスクをできるだけ軽減したいのか、その程度により可能な提案も変わります。また、法律家としての決断を迫られたときは、その基準によって「判断して」きました。
- K
- なるほど。クライアントあっての業務依頼であり、そのクライアントの希望する方向に沿って「判断する」ことが重要というわけですね。
- K
- さて、ではそういったご経験を踏まえ、司法書士の業務・今後の将来性について、お聞かせください。
- U
- 司法書士の職域はますます広がっており、今後今以上に活躍が期待できるライセンスであることは間違いありません。というのも、司法書士の仕事は登記業務のみならず、債務整理業務を中心とした訴訟業務や成年後見業務にまで及びます。長期的な不況や高齢化社会にもますます求められる役割を担っているんです。
- K
- 簡単にそれぞれの仕事について教えてください。
- U
- まず、登記業務は不動産登記と商業登記に分かれますが、不動産登記は主に不動産取引業者などからの受注となります。主に売買などによる所有権移転登記が多いです。商業登記は設立や合併が主ですね。
- K
- 正直なところのお話をお聞きしたいのですが、報酬は大体どのくらいなんでしょうか・・・?
- U
- そうですね、所有権移転登記は1件あたり10万円、会社の設立で10万円、合併で20万円という感じです。
- K
- なかなか大きい金額ですね!簡裁訴訟代理はどんな案件が多いのですか?
- U
- 多いのはやはり貸金返還訴訟ですかね。それと敷金返還訴訟なども多いようです。
- K
- 敷金返還訴訟は有名な判例も出ましたよね。
- U
- そうです。なので、裁判スキームがわかりやすくなって、やりやすい類型の仕事になりましたね。 将来性の話に戻りますが、より大きな視点に立って、国際的な観点から言っても、司法書士は恵まれたフィールドを持っています。テレビでTPP(Trans-Pacific Partnership)が話題になっています。関税の自由化だけがクローズアップされがちですが、本質的には人、モノ、お金の流れの自由化にまで発展するお話です。これを皮切りに、外国のものが国境を簡単に飛び越えてやってくるようになるでしょう。この流れのなかで、注目すべきが「ライセンスの国際的な自由化・統一化」です。簡単に言えば、アメリカの医師免許や弁護士資格で、日本で医療行為や訴訟業務ができるようになる可能性があるんですよ。
- K
- なるほど、関税だけの話じゃないんですね。確かに医師会が反対を表明したりしていますね。
- U
- はい。世界は急速にフラット化しています。なんでも簡単に国境を飛び越える世界では、底辺への競争が多くおこっています。要は、自由化が過度に進むことで、一番安いもののみが勝てるという状況になりつつあるのです。300円の牛丼に勝てるのは、280円の牛丼だけだ、という状況です。
底辺への競争を回避できるものは、二つしかありません。それは、他の企業よりもはるかにいいものを提供することと、その国特有の制度に基づいたサービスを提供することです。
司法書士が生業としている登記制度などは、日本特有のものです。そのような観点から、司法書士業務は国際競争社会にも耐えうるものと言えます。外資の参入に対して、大きな参入障壁があるんです。日本の登記制度を理解すること自体大変ですし、そもそも相続登記のときに必ずお目にかかる戸籍なんて、外国人に読めるはずもありません。司法書士として新人デビューしたときに一番最初にぶつかる壁が、戸籍の読み方です。日本人でも、ほとんどの人が読めないと思いますよ。それを外国の方が扱うというのは至難の業と言えるでしょうね。
このように、司法書士は今後ますます活躍できる職種なんです。 - K
- 自分も目指したくなってきました(笑)。
- 大学1回生の頃、友人が持っていたLECの司法書士講座のパンフレットを見せてもらったことがきっかけでした。大学に入って、必死に?遊ぶ人がいるなか、目標に向かって猛勉強している友人がとてもまぶしく見えました。そこで、LECのガイダンスに参加しました。
ガイダンスを受講して、自分の腕一本で生きていける!そう感じたのです。すぐに15ヵ月合格コース<春生>に申し込んで勉強を始めました。 - 勉強をしていた頃、周りの友人達がどんどん就職を決めていく時は不安になりました。しっかりとした進路を、目に見える形で掴む友人達を見て、自分だけ取り残されたような気がしたのです。
そんなとき、当時合格アドバイザーをしていた実務家の先生から実務のお話を聞いて、やる気にもらっていました。
息抜きには海外ドラマをよく見ていましたね。1日1話と決めて、見過ぎないように気をつけていました(笑)。 - 営業の仕事がしたいです!人と関わっていくことが好きなので、やるなら絶対営業です。自分が何かを相手に勧めることで、その方の生活が便利になったり、困っていたことが解決したとしたら、とっても素敵なことだと思います。
- 合格発表の掲示板を見て、その場をなぜか走り回りました(笑)。本当に嬉しかったのを覚えています。でも、自分以上に両親が喜んでいたのが印象的でした。
- 主にインターネットと、他士業の仲間たちとの交流会です。インターネットでは、最新の情報を入手することができますが、他士業の仲間たちとの交流会では、そこでしか聞くことのできない、それぞれの業界のトピックスを聞くことができます。税理士や不動産鑑定士の人達などは、注目しているニュースなども司法書士とは異なり、話しているだけで勉強になります。
- K
- さて、続いては碓井先生の人となりに迫っていきましょう。まず、学生時代はどんな方だったんですか?
- U
- そうですね、子供の頃は、本当に勉強ができませんでした。中学時代まではダントツで学年ビリ争い。なんとか入れた高校は学区内最下位の高校でした。高校に入ってから受けた全国模試での偏差値は35でした。
- K
- それは意外なエピソードですね。司法書士と公認会計士という超難関試験に短期合格している碓井先生が昔偏差値35だった、というのは夢がありますね。ちなみに勉強はしなかったタイプなんですか?
- U
- はい、実は中学校の頃はバンド活動をやってまして・・・。
- K
- ほぉ!ライブハウスとかにも出ていたりしていたんですか?
- U
- そうですね、何度かあります。
- K
- それはかなり本気度が高いですね。勉強しなかったのもうなずけます。でも高校に入ってから勉強に目覚めたと。
- U
- 高校に入って、とてもいい先生に巡り合ったんですよ。その先生が「勉強って本当は面白いものなんだよ」と熱意を持って教えてくれまして、勉強の楽しさに目覚めました。その後、どうしても関西学院大学に入りたくなり、猛勉強の末、なんとか入学することができました。
- K
- 大学時代はどんな生活だったんですか?
- U
- 大学時代は、古美術研究部?に所属していました。壺ではありませんよ(笑)。京都の観光名所(史跡)をまわるというクラブで、地方出身者が多く集まるクラブでした。
また、学生時代は4年間某男性アイドルグループの護衛のアルバイトをしていました。その他にも、塾の講師など様々なアルバイトをしましたが、アイドルグループの護衛ほど過酷なお仕事はいまだ知りません。 - K
- あれはきつそうですよねぇ。面白いエピソードありがとうございます(笑)。
- K
- さて、続いては碓井先生の人柄を覗いていきましょう!まず、趣味はどんなものがありますか?
- U
- クラシックを中心に音楽鑑賞、乗馬、お酒ですね。
- K
- ハイソな趣味ですね!
- U
- 音楽はクラシックをよく聴きます。友人に何人かプロのオケマンがいて、いつも勉強させてもらっています。
乗馬は始めて2年ほど経ちますが、クラブに会費だけ納める幽霊会員になりつつあります。一ヶ月に2回くらいは乗りたいなと思っていますが、なかなか時間がつくれず…です。 - K
- 乗馬ってなかなかハードル高いように思うんですが・・・?
- U
- いや、北海道出身なんで割と身近だったんですよ。
- K
- なるほど。ちなみにどこへ乗りに行くんですか?
- U
- 栃木の足利です。遠いんですよね。
- K
- それはちょっと足が遠のく理由もわかります。
- U
- お酒はなんでも飲みます。ビール、ウィスキー、ワイン、焼酎…最近は日本酒を勉強しようかと思っています。誰か教えて欲しいものです。
- K
- 続いて好きな食べ物をお聞きしましょうか。
- U
- お寿司が大好きです。
- K
- またもハイソな嗜好ですね。
- U
- いや、そんなに高くないところに行くんですけどね。近所のお寿司屋さんに週4回のペースで通っています。もう30年近く値段を変えずにやっているお寿司屋さんなので、あまり食費もかさまず、大助かりなんですよ。
- K
- 好きなミュージシャンはいますか?
- U
- 指揮者のカルロス・クライバーが好きです。わくわくするような音色は、彼にしか出せないのではないかと思います。また、ジャズピアニストのビルエバンスも大好きです。
- K
- さすがクラシック好きですね。バンドをやっていた頃とは大分変わったんですね。
- U
- あの頃は黒夢とか好きでしたね。今はあんまりロックは聞かなくなりました。
- K
- 好きな言葉はありますか?
- U
- 「ありがとう」という感謝の言葉です。
- K
- クライアント目線、という最初のお話しに繋がっていく言葉ですね。
- U
- はい、やはり「ありがとう」を言われる人間、そして言える人間でありたいなと思います。
- K
- 尊敬する人物はいますか?
- U
- ファーストリテイリングの柳井さんです。何事にも挑戦し、世界を変えてしまう程の情熱に感銘を受けました。
- K
- 最近はまっていることはありますか?
- U
- そうですね、講義準備とか(笑)。それとジャズ喫茶にはよく行きますね。
- K
- 渋い!大人の趣味ですね。
- K
- 最近気になるトピックはありますか?
- U
- 国際的な政治経済情勢ですね。
- K
- グローバル!気になる理由とかはあるんですか?
- U
- 実は投資信託をやってまして・・・、暴落が怖くってビクビクしてます(笑)。
- K
- なるほど(笑)。
- K
- さて、そろそろインタビューも終わろうかと思うのですが、最後に碓井先生の講師としての哲学をお聞きしたいですね。
- U
- やはり講師という仕事の面白みは、とにかく人と真正面から向き合うというところにあります。みなさんが本気で、人生をかけて試験に臨む以上、講師もまた本気になります。本気の人のお役に立てること、それが講師業のやりがいです。そのやりがいを得るために、講師という道を選んだんだと思いますね。
- K
- そうですよね。受講生の皆さんは講師を信じて講座を申し込むわけですし、その人が合格するかどうかは講師によるところも大きくあります。責任が重く、でもやりがいがある仕事ですね。
- U
- はい。
- K
- 続いて、碓井先生独自の学習理論『逆想法』についてお聞かせください。
- U
- 『逆想法』とは、ゴールからの発想による勉強法です。スタート地点と、たどり着くべきゴールを初めに明らかにし、その間にある過程は後から確認することで、学習の負担を減らします。
- ゴールを真っ先に確認することで、自分が目指す方向が分かり、間違った方向に走り出すことがなくなるわけです。
- たとえば問題を素材にした勉強の仕方に置き換えると、問題を読んで、答えをすぐに見てしまいます。これを繰り返すことで『解答のひな型』を頭のなかにつくることができるようになります。
- K
- なるほど。まず答えを見てしまうというのは斬新ですね。
- U
- ゴールからの発想という点は常に心がけています。何かをお話しするときには、まず何を喋るのか、ということを冒頭で話します。これもある意味逆想法です。まずゴール(全体図)を確認してから、そのあとに細部に入れば迷子にならないということですね。
- K
- 確かに何が目的かわからない話を聞いていると、理解するのは難しいですものね。
- K
- では、以上でインタビューについては終わりにしたいと思うのですが、最後に一つ直筆メッセージをお願いします。そうですね、座右の銘をいただけますでしょうか。
- U
- なるほど・・・、字が汚いので恥ずかしいですがこんなのでいかがでしょう。
- K
- ありがとうございます!では、本日はありがとうございました。
- U
- こちらこそありがとうございました。
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