顔にできる水いぼの原因は?
更新日:2017/03/30 公開日:2017/03/27
水いぼの基礎知識
水いぼは、感染者と同じタオルで顔を拭くことで顔にできることもあります。顔にできると、コンプレックスとなって精神的にも苦痛になるケースもあります。顔にできてしまった水いぼの対処法をドクター監修の記事でご紹介します。
この記事の監修ドクター
水いぼは、幼年期から学童期までの子供に多く発症します。ほとんどは、手足やワキ、お腹や背中の擦れるところなどに集中してできます。しかし場合によっては、水いぼのウイルスが顔に付着してしまうこともあります。体にできる水いぼは、服で隠れても、顔にできた水いぼを隠すことはできません。気になって、手でつぶしたりするとかえって広がってしまう危険性もあります。
顔にできる水いぼの特徴
体にできる水いぼも顔にできる水いぼも、ボックスウイルスに属する伝染性軟属腫ウイルスによる感染症です。見た目は、半透明でドーム型になっており、ほとんどの場合、かゆみや痛みといった不快感はありません。直径が2~5mmくらいで複数個発症します。
水いぼは、大人よりも子供の発症率の方が断然高くなっています。これは、ウイルスに対する免疫力が大人の方が高いからです。水いぼのウイルスである「伝染性軟属腫ウイルス」は、幼い頃に一度免疫ができると、発症しにくくなる部類のウイルスです。
しかし、大人でも発症がゼロではありません。疲れやストレスがたまったりして免疫力が落ちているときに、子供からうつることもあります。また、アトピー性皮膚炎などで皮膚が乾燥状態だと感染しやすくなります。とくにHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染すると、免疫は異常に低下するため水いぼができやすく、とくに顔に出やすいのが特徴です。通常の水いぼは、半年ほどで自然に治ることが多いのですが、HIV感染による水いぼは治りにくいのが特徴です。
顔にできる水いぼのメカニズム
水いぼは、皮膚と皮膚による直接接触が原因で発症する場合と、感染者が使用したタオルなどのよる間接接触が原因で発症する場合があります。顔にできる水いぼの場合、自己繁殖では、体にできた水いぼを手で潰してしまい、ウイルスが付着した手で顔を触るなどした場合に起こります。また、水いぼに感染した人が使ったタオルを使い回しするなどした場合にも、顔にウイルスが付着して発症するケースもあります。
家庭内で子供が水いぼを発症しているとき、通常ならば大人はうつりませんが、免疫力が落ちているときなど発症する場合も珍しくありません。子供がウイルスの付着した手で、抱き付いたりしたときなど、顔や首筋に水いぼができることもあります。
また、男性の場合はヒゲ剃りなどで顔に傷ができてそこからウイルスが侵入するかもしれません。女性も顔剃りや眉毛を剃ったときなどに、目に見えない小さな傷ができて水いぼのウイルスに感染するかもしれません。このように、水いぼの感染ルートとしては、日常生活の中でさまざまなケースが考えられます。
顔にできる水いぼの検査・治療とは
まず、そのいぼが本当に水いぼかどうかを調べなくてはなりません。検査方法としては、医師の視診から始めます。水いぼの特徴は、ある程度大きくなるとドーム状の真ん中がへこんでいるように見えます。また、小さくてこのへこみがよくわからない場合には、ピンセットで中の状態を観察します。水いぼの中は水が入っているわけではなく、白色粥状物質を取りだして検査をします。こうして水いぼと断定されれば、治療が始まります。
水いぼの治療にはいくつかあります。いぼが2、3個であれば、そのままピンセットでつまんで摘除しますが、このときの痛みはかなりのものです。とくに顔の水いぼを摘み取るのは、他の部位よりも敏感なだけに痛みが増して感じることでしょう。2、3個なら我慢できるという人も、それ以上多く摘除するのは無理ですから、麻酔の浸み込ませたペンレスと言うテープを張ったり、けい皮吸収型の麻酔クリームを塗ります。
その他にも、冷凍凝固法、40%硝酸銀ペースト法、サルチル酸(スピール膏)貼付法、ヨクイニンの内服などがあります。冷凍凝固法は少々ピッとした痛みをかじることが有ります。40%硝酸銀ペースト法では、皮膚が黒く変色して美容上あまりおすすめできません。サルチル酸貼付法も、顔に絆創膏を貼らなくてはなりません。ヨクイニンの内服は、痛みはありませんが即効性はありませんし効果はさほど期待できません。それぞれ、治療法にはメリット・デメリットがあるので医師と相談して治療方針を決めましょう。
顔にできる水いぼを予防するために
顔にできる水いぼを予防するためには、直接・間接接触をできるだけ避けることです。そのためには、感染者と同じタオルを使わない、同じ枕を使わないなど注意しましょう。また、顔の角質を整えてバリア機能を最大限に発揮し、ウイルスの侵入を遮断するために保湿することが大切です。さらに、紫外線も含め肌のダメージを防ぐように心がけましょう。
顔の水いぼは、増えてしまうと目立ってしまうので、早期に治療して数を増やさないことが大切です。顔にできた水いぼは、美容上からも一刻も早く取り除きたいものですが、痕を残さないようにするというのも、顔の水いぼには重要なポイントとなります。「感染しない」「増やさない」これが顔にできる水いぼの最善の対処法です。
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