ハンセン病はどのように感染する?感染経路と世界の現状
更新日:2016/12/09 公開日:2016/11/16
ハンセン病の基礎知識
ハンセン病は、どのような経路で感染するのでしょうか。ハンセン病の感染経路と感染のメカニズムをはじめ、世界の新規患者数の現状やハンセン病未制圧国などについて、ドクター監修のもと解説します。
この記事の監修ドクター
結核菌などと同じ抗酸菌の一種のらい菌に感染することで発症するハンセン病の感染経路などについて解説します。
ハンセン病の感染源
未治療のハンセン病患者が感染源の1つとして考えられています。その他の感染源もあるとされていますが、はっきりとはわかっていません。
ハンセン病の感染経路
乳幼児期に、ハンセン病患者が排出するらい菌を長期間、何度も鼻や口から吸い込むことで感染するとされていますが、感染のメカニズムははっきりとわかっていないのが現状です。
感染から発症するまでの潜伏期
らい菌は発育がとても遅く、潜伏期は平均5年とされています。栄養状態が十分でなかったり、生活環境が非衛生的であったりということに加えて、高齢化による免疫力低下などの要因があると発症することがあります。
らい菌に感染すると必ず発症するのか
らい菌は発症力が弱い菌です。らい菌に感染したとしても、現在の日本のように食物に恵まれ衛生的な環境であれば、体外から排除されたり封じ込まれたりするため、発症することはほとんどありません。万が一感染したとしても、治療方法が確立されているため完治します。詳しくは『感染するとどうなる?ハンセン病が原因で起こる症状』をご覧ください。
らい菌に感染して発症するとどうなるのか
皮膚に、赤色や白色の斑紋(はんもん)ができ、末梢神経の麻痺が起こります。治療せずに放置するとさまざまな症状が現れ、顔や手、足が変形する後遺症が残ります。詳しくは『感染するとどうなる?ハンセン病が原因で起こる症状』をご覧ください。
ハンセン病の治療方法
結核治療に使用する3種類の抗生物質を併用で内服する多剤併用療法(MDT)で治療します。らい菌の多い多菌型の患者は1年から数年で、らい菌が少ない少菌型の患者は約6か月、抗生物質を内服します。らい菌は治療後、数日で感染力を失いますが、いずれにしても早期発見が大切です。
らい菌感染を早期発見するには
皮膚に斑紋(はんもん)ができ、痛みやかゆみを感じないなどの症状が現れた時点で放置せずに受診しましょう。ハンセン病の診察や検査方法は『感染するとどうなる?ハンセン病が原因で起こる症状』をご覧ください。
ハンセン病の世界の現状
ハンセン病などの感染症は、人口1万人に対して患者数が1人以下になると、公衆衛生問題として解決した、つまりハンセン病を制圧した、とされます。
・ハンセン病の未制圧国
2016年の時点で、ハンセン病の未制圧国はブラジルだけです。
・世界の新規患者数
世界保健機関(WHO)により予防喚起が行われていますが、2015年の時点でバングラディシュ、ブラジル、コンゴ、エチオピア、インド、インドネシア、マダガスカル、ミャンマー、ネパール、ナイジェリア、フィリピン、スリランカ、モザンビーク、タンザニアなどでは、合計で21万人を超える新規患者が発生しています。特に、インドは12万人、ブラジルでは2万6千人、インドネシアでは1万7千人を超える、新規患者が多い国となっています。
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