2017年13冊目の書評は、持続する「やる気!」をいかに引き出すかをまとめた一冊。
モチベーション3.0 -ダニエル・ピンク著
アメリカのベストセラー作家、ダニエル・ピンクさんの著作を、大前研一さんが翻訳した一冊です。クリントン大統領時代のアル・ゴア副大統領のスピーチライターもやっていた方で、かれこれ何冊か読んだことがありますが、よくまぁここまで調べるよなぁ、といつも感心させられます。
今回の著作のテーマは、モチベーション。
20世紀型の「アメとムチ(信賞必罰)」によるモチベーションではなく、自分の内面から湧き出る「やる気!」に基づく、モチベーション3.0という新たな基本形を提唱しています。なぜ、このタイプのモチベーションが優れているのか、20世紀型のモチベーションとの違いは何なのかを、多方面に調べ上げたうえでまとめた一冊。
本を読む時間がない・・・という方は、本書の内容を講演しているTED動画もあります(こちらは18分ほど)
自分にも組織にも置き換えられる、質問がたくさん
内容自体は、どちらかというとビジネス向けですが、個々人が自分自身に置き換えながら読むこともでき、その時々の気持ちによって、スーーーっと入ってくる領域が変わりますね。
いい質問やキーフレーズも、いくつもありました。
●社員が最高の仕事をできる状況を作り出すことが、マネジメントの本質である
この本の中では「フロー志向の戦略」を世界中のオフィスで採用したという、ステファン・ファルク氏(元、エリクソン社の副社長)の事例が実に印象的でした。
マネジャーに対して、スタッフと月に一度面談をするよう求めた。仕事が手に負えなくなってはいないか、興味をそそられずに失望していないかどうかを感じとり、フローの状態を得られるように仕事の割り当てを調整する目的。
●フローにおいては、やらなくてはならないことと、できることの相関性がぴったりと一致する点だ。課題は簡単すぎず、難しすぎない。しかし現在の能力よりも一、二段高く、努力という行為そのものがなければ、とても到達できないレベルのことをほぼ無意識のうちにやっている。これが心身を成長させる。
最近、自分自身にも息子くんにも、特に意識して取り組んでいることです(できてない時もたくさんありますが・・・) 一気に高すぎる頂を目指すのではなく、普段より110%頑張ったら到達できるような目標を掲げて、それを「クリアできた!」という自信につなげたいですよね。
●自分の目的について考えるときには、まず大きな質問から始めよう。自分を一言で表す文章は?
●自分で自分の勤務評定を作成する。まず自らの目標を設定する。次に、毎月自分のオフィスで、自分に対する評価を下す。どんな調子か? 目標に達しない点はどこか? もっと成果をあげるためには、どのようなツールや情報、支援が必要だろうか?
毎月末に「今月目標の結果振り返り、翌月目標の設定・スケジュール入れ」を行ってますが、この意識がまだ弱いなぁと実感しましたね。目標の数は少なくてもいいから、その目標を何が何でも達成する!そのための仕組みをつくろう。
診断を受けたら、タイプXだと判明してショック・・・
本の最後に、タイプIかタイプXかを診断できるURLの紹介があります。
タイプI=外発的動機づけではなく、内発的動機づけを中心にした考え方と人生に対するアプローチ。自分の人生を自ら監督したい、新しいことを学び創造したい、世界に貢献したい、という人間に本来備わる欲求が力の源になる。
タイプX=内発的な欲求よりも外発的な欲求をエネルギー源とする行動で、活動によって生まれる満足感よりも、その活動によって得られる外的な報酬と結びついている。
試しに診断を受けてみました。5段階で答える英語の質問に30問答えると、その場で診断結果が出ます。
Drive Survey | Daniel H. Pink
まさかの、タイプXとの診断結果が出ました・・・>< 英語の誤訳があったのかはさておき、あまり深く考えないで答えた上での結果なので、現時点ではこれが本物なのでしょう。まったく予想外でしたし、何よりショックでした。
こんな方は、本の第3部の「タイプI用ツールキット」を読みましょう。必読の15冊とか、モチベーションを目覚めさせる個人用の戦略/組織用の方法とか、あらゆる観点でタイプIが身につくための指南があります。
自分の手元に置いて、日々を省みながらタイプIに進化したい。いや、進化しないと。将来に向けた焦りを感じた一冊でした。
<今回読んだ本はコチラ>
<必読の15冊から特に面白そうな本>
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