現在は52円。はがきの値上げは消費税率が8%に上がった2014年4月以来、3年ぶりだが、消費増税以外では23年ぶりになる。昨年11月のグループ上場を受け、収益が低迷する郵便事業を立て直す。はがきのうち、年賀状は52円に据え置く。封書も現在の82円のままで据え置く。
◆日本郵便は、はがきの郵便料金を6月1日に52円から62円に値上げするのに伴い、新たな62円切手と郵便はがきを5月15日に全国で一斉に発売した。
消費税増税以外の理由で値上げするのは1994年1月以来、約23年ぶりとなる。人件費が増える一方で利用者が減っているため、収支の改善を図る。
62円切手のデザインは3種類。ソメイヨシノ、扇面に梅文様、花文様の題材は変えず、背景などの色を明るくした。62円の郵便はがきや往復はがきのデザインも新しくなった。従来の52円切手や郵便はがきの販売は5月31日で終了する。
消費税増税以外の理由で値上げするのは1994年1月以来、約23年ぶりとなる。人件費が増える一方で利用者が減っているため、収支の改善を図る。
62円切手のデザインは3種類。ソメイヨシノ、扇面に梅文様、花文様の題材は変えず、背景などの色を明るくした。62円の郵便はがきや往復はがきのデザインも新しくなった。従来の52円切手や郵便はがきの販売は5月31日で終了する。
◆値上げで年間300億円程度の増益効果を見込む
往復はがきは、104円から124円になる。はがきの値上げに合わせ、2017年5月に62円切手を発行する。年賀はがきは52円に据え置く。「普通のはがき料金は62円に上がるが、年賀状として12月15日から1月7日までに差し出すはがきは52円に据え置かれる」ということです。
往復はがきは、104円から124円になる。はがきの値上げに合わせ、2017年5月に62円切手を発行する。年賀はがきは52円に据え置く。「普通のはがき料金は62円に上がるが、年賀状として12月15日から1月7日までに差し出すはがきは52円に据え置かれる」ということです。
新しく62円のはがきが発行されますが、お年玉年賀はがきに限って額面52円で発行されることになります。
需要が多い年賀はがきは黒字を維持しているためで、毎年12月15日から翌年の1月7日に投函された年賀はがきが対象となる。定型の封書も現行の82円を維持する。
需要が多い年賀はがきは黒字を維持しているためで、毎年12月15日から翌年の1月7日に投函された年賀はがきが対象となる。定型の封書も現行の82円を維持する。
定形外郵便物とゆうメールについても、新たに規格(縦34センチ、横25センチ、厚さ3センチ)を設け、規格を超えるものは80円から150円の値上げを行う。
日本郵便は、宅配便「ゆうパック」の料金を2015年8月1日から平均で1個当たり約40円値上げしている。この時も全国的な人手不足を背景にした人件費の上昇が値上げの理由だった。
日本郵便によると、はがきの需要のピークは2002年度で、78.1億通の利用があったが、2015年度は63.2億通に減少した。電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、今後もはがきの利用は減少が見込まれている。
日本郵便は2016年3月期、郵便事業の営業損益は黒字だったものの、収益性の低いはがきに限ると294億円の赤字だった。現行価格のまま、はがきを値上げしないと2018年3月期に郵便事業全体が赤字転落する見通しという。全国で集配・配達が義務付けられた郵便事業は、ネットワークを維持するための人件費がかさむためだ。今回の値上げで年間300億円程度の増益効果を見込んでおり、2018年3月期の赤字転落を回避できると弾く。
日本郵便によると、はがきの需要のピークは2002年度で、78.1億通の利用があったが、2015年度は63.2億通に減少した。電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、今後もはがきの利用は減少が見込まれている。
日本郵便は2016年3月期、郵便事業の営業損益は黒字だったものの、収益性の低いはがきに限ると294億円の赤字だった。現行価格のまま、はがきを値上げしないと2018年3月期に郵便事業全体が赤字転落する見通しという。全国で集配・配達が義務付けられた郵便事業は、ネットワークを維持するための人件費がかさむためだ。今回の値上げで年間300億円程度の増益効果を見込んでおり、2018年3月期の赤字転落を回避できると弾く。
◆値上げの影響で、取り扱いはがき枚数が「2億通減る」見込み
はがきの配達数は減少傾向にあるが、2015年度で約63億通。値上げによる年間の利益改善効果は数百億円規模になる見通し。まとめて集配できる年賀状は黒字になっており、料金を据え置く。封書の料金も法令上の上限が82円と定められており、値上げしない。
持ち株会社の日本郵政の長門正貢社長は、会見で「今回の値上げは23年ぶりだが、この間、経営努力をしてこなかったわけではない。ハイテク機械を入れたり、経費削減や売り上げを増やす努力をしてきた。そのうえで上げざるをえない」と述べ、理解を求めた。
長門社長によると、今回のはがきの値上げ率は19%。この23年間で、タクシー料金は21%上がったが、路線バスは11%しか上がっていないという。はがきの値上げが妥当な水準か、微妙なところだ。長門社長は「従前以上に日本郵便が筋肉質になるようトライしていきたい。経費削減努力が真っ先だ」と述べた。
通常はがきは62円と10円引き上げる。往復はがきも124円と20円上げる。取扱量が多く、コストが抑えられる年賀はがきは52円のまま据え置く。定形外郵便物とゆうメールは新たに規格を設け、そのサイズを上回る場合は料金を引き上げる。
ただし、今回の値上げの収益改善効果がどの程度かは、なかなか読み切れない。値上げによって、若者を中心にはがき離れに拍車がかかる可能性があるからだ。日本郵政は今回の値上げで、全国で取り扱うはがきの枚数が2億通減ると見込む。さらに、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられる際には、更なる値上げも予想され、一段の郵便離れの可能性もある。
やむにやまれぬ値上げだとしても、郵便事業はなかなか反転攻勢が展望できないのが現状だ。
やむにやまれぬ値上げだとしても、郵便事業はなかなか反転攻勢が展望できないのが現状だ。
※オマケの付録
金券ショップの店頭に並ぶ日本郵便発行の年賀はがきの販売価格が今年は高めだ。店舗が集まる東京・新橋で普通紙はがき(定価52円)の売値は1枚あたり48~49円が中心。発行枚数や持ち込みの減少を背景に、前年同時期と比べ1円高い。