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「走る」ことで仕事のピークを持ってくる。オトバンクCEO・久保田裕也さんの仕事術

「走る」ことで仕事のピークを持ってくる。オトバンクCEO・久保田裕也さんの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。今回は、"耳で聴く本"オーディオブック配信サービスFeBeを運営する株式会社オトバンクCEO、久保田裕也さんの仕事術を伺いました。

久保田 裕也(くぼた・ゆうや)

株式会社オトバンク代表取締役社長。東京大学経済学部経済学科卒業後、外資系投資銀行・米系コンサルティング企業・IT・消費財(アパレル)・不動産などの非公式案件から招集を受ける。証券化Structuring分析、外資系メーカーの日本進出支援、LaterStage企業の組織改善、人材戦略構築を主に経験。2007年1月執行役員就任、2月取締役就任、2009年10月より取締役副社長就任、2011年3月より代表取締役副社長、2012年3月より現職。

居住地:東京都千代田区

現在の職業:オトバンク代表取締役CEO

仕事の仕方を一言で言うと:終わらないマラソン・走り続ける

現在の携帯端末:iPhone6

現在のPC:レッツノート

1. 「これがないと生きられない」アプリ/ソフト/道具は何ですか?

「Slack」(ビジネス向けチャット)「Apple watch」です。Slackは、常時繋いでいます。Apple watchは、Slackやメールで来る連絡をハンズフリーでいつでも確認できるので欠かせません。通知があったときにスマートフォンをわざわざ見るのは面倒ですが、時計だとさらっと見やすいんです。

習慣的にランニングをしているのですが、走っているときに来た通知も急ぎの案件かどうかすぐに把握できるので、とても助かっています。簡単な確認であれば、「OK」や「了解」などのテンプレート文ですぐに返します。

2. 仕事場はどのような環境ですか?

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最近、フリーアドレスを導入しました。もともと「私の席」という存在自体が好きではなかったので、以前からアルバイトやインターンと並んで仕事していることが多かったのですが、それを全社的に展開した形になります。今は大抵、空いている席に座って社員と並んで作業していますし、1日の中でも座る席はコロコロ変わります。簡単な目線合わせやミーティングをすることもあるし、元々上下関係がほとんどない会社でしたが、ちょっとした相談もより乗ってもらいやすい環境になったので、全社的なコミュニケーションが活発になったと思います。

ほかに、リモートワークを活用している社員も多いです。CTOは特に積極的にリモートワークを取り入れていて、北海道の公園で働いている写真が送られてきて驚いたことがあります(笑)。どこで働くかということよりも、社員のパフォーマンスが一番上がる環境で働いてほしいと思っていますし、経営陣もその思いが強いです。

3. お気に入りの時間節約術は何ですか?

通勤時間と入浴時間は、とにかくインプットとメール対応に時間を使っています。通勤中は、ずっとラジオやオーディオブックなど何かしら聴いています。入浴中も、浴槽に浸かりながらラジオやオーディオブックを流し、読みたかった本や雑誌を読んでいます。なので、1時間以上入っていることが多いです。朝起きてから寝るまで、一日の間で常に何かしら聴いていますね。

4. 愛用している、仕事をうまく進行させるためのツール(ToDoリスト、アプリ、道具など)はありますか?

GoogleCalendar:タスク管理として使ってます。ミーティングや打ち合わせといった予定だけでなく、自分一人の作業もタスクとして登録しています。そうすることで、大事なことにきちんと時間を割くことが出来るし、タスクを依頼した側の人もカレンダー見ればやってくれてるとかわかると思うので、そうしています。

Slack:導入してから、どんな議題でも誰でも参加できるようになっているので、社内のやりとりがより横断的になり、情報の共有も早い。責任者ももちろん公開チャンネルを見ているので、とにかく意思決定が早くなりました。それでいて話題ごとにスレッドを変えているため、柔らかい話題も並行して進んでいるのが全員見られる状況なので、社内の雰囲気が明るくなったように思います。

5. 携帯電話とPC以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

Q1でも触れたAppleWatchですね。なるべく早くリアクションしたいと思っているので、いつでもどこでも確認できるのは助かっています。それこそ、走っていても意思決定が可能ですし、実際そういうことも頻繁にあります。

6. 仕事中、どんな音楽を聞いていますか?

業務の中でオーディオブックを聴く機会は多いので、何かを聞きながら作業するときには、それ以外のもの、たとえば大好きなラジオを聞いていることが多いです。「オードリーのオールナイトニッポン」「岡村隆史のオールナイトニッポン」「伊集院光とらじおと」「伊集院光 深夜の馬鹿力」「爆笑問題カーボーイ」「山里亮太の不毛な議論」「おぎやはぎのメガネびいき」「有吉弘行の SUNDAY NIGHT DREAMER」などは必ず聞いています。1回の放送につき、何度も聴いてほとんど覚えるように聴いています。

7. 仕事において役に立った本、効果的だった本は何ですか?

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『一勝九敗』(柳井正著、新潮社)

2005~6年、オトバンクが立ち上がったばかりのころに読みました。私が一番最初にインターンを経験したのがユニクロでした。すでに大成功を遂げている会社というイメージでしたが、実は過去にかなり失敗も重ねてきていると知って当時非常に励まされましたね。

『心に書きとめておきたい名経営者の至言』(日経トップリーダー著、日経BP社)

最初は、オトバンクに新卒社員として入社したので頼まれた仕事を本当に何でもこなしていく…という状態でした。ですが、だんだん状況が変わってきて経営についての意見を求められるようになってから、どういう風にすると経営がうまく回るんだろうと考えたときに読みました。

『大事なのは今のあなたじゃない。この先、どのくらい上を目指そうと思っているかだ。』(ポール アーデン著、ファイドン)

役員に就任して役割がどんどん大きくなっていくにつれて、色々なことが起こり「うまくいかないのはなぜだろう…」と落ち込みながら下北をぶらぶらしているときに偶然手に取って買った1冊です。パッと本を開いたときに「あなたは何したいの?」と「全部自分のせい」という言葉が目について、その時に、「これは自分の責任、これはあの人の責任」と考えるのは他人に腹を立てることにもなるので生産的じゃない、チームで結果を出すのだから全部自分ごととして受け止めれば時間の無駄も省けるし、やめようと行き着きました。

8. 現在、どんな本を読んでいますか?

『幸せな裏方』(藤井青銅著、新潮社)を読み終えました。以前から放送作家という職業に憧れており、著者のファンだったので、過去作の『ラジオな日々』『ラジオにもほどがある』も読んでいました。ご本人とお仕事でご一緒させていただく機会があり、その時はとてもうれしかったです。

青銅さんはラジオ界のレジェンドのような方なのに、偉ぶるそぶりも見せずに色々なことを面白がりながら「若い人と仕事しなきゃダメだ」というような意識でお仕事をされていて、本当に尊敬しています。

9. 睡眠習慣はどのようなものですか?

就寝時間は、午前4時から4時半くらいで遅めです。食事をとった1時間後くらいに、仮眠もとるようにしています。

深夜帯にコンビニやスーパーに行き、人間観察をしたり買っているものを観察する習慣があります。色々な人がいて、それぞれの人に必要なサービスはなんだろうと考えたりします。

10. 仕事をよりよく進めるために「習慣」にしていることはありますか?

まず、前日にスケジュールを確認しておいて、翌日のピークはどこに持っていくかを先に決めておきます。その上で、それに近いピーク=高い集中力を保てる時間を迎える回数を最大化できるようなスケジュールを組みます。集中力を長時間保つのは不可能だと思っているので、全力で結果を残さなくてはいけないものとそうでないものを予め把握し、前者に全力を出せるようなペース配分をし、その回数をできる限り増やせるように努めています。

タスクの差し込みなどが入って自分のリズムでどうしても作業できないときも出てきます。そういった時、何をすればピークを迎えることができるのかを自分でわかっていれば、自らピークを作ることができます。私の場合、走った後には頭がリセットされて、色々なアイディアや解が生まれやすいです。大事な打ち合わせの前で切り替えが難しい時などは、次のピークをそこに持っていけるように走りに出たりします。

11. いまお答えいただいている質問を、あなたがしてみたい相手はいますか?(なぜ、その人ですか?)

ファーストリテイリング代表の柳井正さんです。店舗が強いからこその成長というベースがあって現場を大切にされている点に共感するので。大学時代から尊敬している方なので、ぜひお話を聞いてみたいです。

12. これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください。

瀧本哲史さんからいただいた「日々着実に当たり前のことを当たり前のように、正しくやれる人はまずいない。だから、それができれば傑出した人材になれる」という言葉です。社会人になる前後から今に至るまで、それを徹底してやっているだけです。

13. 最近購入したものの中から、特に気に入っているものがあれば教えてください。

先日前々から行きたかったテレビ番組「ゴッドタン」のライブに行くことができました。その時に買ったスマホケースは、今眺めてもうれしくなるくらいお気に入りです。


ライフハッカー[日本版]編集部

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