第17回 パチンコはどれくらいはまるのか(改2014)

パチンコ好きの人なら誰でも負け自慢をしたことがあるでしょう。

特に多いのは「何回ハマった」という類だと思います。
大当たり確率400分の1のMAXスペックの場合、800回転して1度も大当たりを引けないことを「倍ハマリ」、1,200回転して1度も大当たりを引けないことを「3倍ハマリ」などといいます。
「まいったなぁ、朝から倍ハマリだよ…」などと自慢するわけですね(^^;

自慢と言っても、もちろん嬉しいわけではないですよね。自分のツかなさを訴えずにはいられないのです。その気持ちは理解できますし、私自身心の中で「朝から3倍ハマリをくらうなんてツいてないなぁ」と思うこともあります。

しかし、パチンコというゲームをよく理解しているかいないかで、イライラ度はだいぶ違ってきます。

1.復習

この講座の第3回「試行回数と当選確率」でも、「n分の1の確率で当たるゲームにn回投資したときに少なくとも1回は当たる確率」を計算し、それが高々63%程度であることを示しました。
詳しく復習したい方は「第3回」を見ていただくとして、ここで簡単に復習しましょう。

「大当たり確率400分の1のパチンコで、n回転したときに少なくとも1回当たる確率P(n)を求めよ」

この答えは、

P(n)=1−(399/400)n

です。
この式のnにいろいろな数字を代入してみると、次のようになります。

回転数n少なくとも1回当たる確率:P(n)一回も当たらない確率:1−P(n)
(=n回転以上ハマる確率)
10.00250.9975
500.11760.8824
1000.22140.7786
2000.39380.6062
3000.52810.4719
4000.63260.3674
5000.71390.2861
6000.77730.2227
7000.82660.1734
8000.86500.1350
9000.89490.1051
10000.91820.0818
11000.93630.0637
12000.95040.0496
16000.98180.0182
20000.99330.0067

表の右端がn回転以上ハマる確率であることに注意してください。例えば、倍ハマリしたということはそのまま3倍ハマリまでいくかもしれないし801回転目で当たるかもしれません。表の確率はn回転以降の結果は不問となっています。

2.ハマリの確率

まずは、開店から閉店まで打ち続けたとき、平均何回の初当たりを引くことができるかを考えてみましょう。条件は以下のとおり。

大当たり確率400分の1
投資時間13時間
千円消費時間4.5分
回転率18回転/千円

この条件だと4.5分で18回転するので、単純に13時間だと、

18回転×60/4.5×13時間=3,120回転

3,120回転することになります。しかし、大当たりや確率変動を消化している時間や、休憩中などを考慮して7割程度ととすると、約2,100回転。これが初当たりを引くのに使える回転数と考えます。

さて、大当たり確率が400分の1ですので、2,100回転すると平均5.25回の初当たりが期待できます。
牙狼FINALだと平均継続回数が約3.19回ですから、初当り5.25回なら一日の平均総当たり回数は約16〜17回ほどです。

13時間で平均5.25回程度の初当たりを引くことがわかりました。つまり一日打つと5.25回の「初当たり待ち状態」ができるわけです。月に5日打つとしたら、合計26.25回の「初当たり待ち状態」です。
これを先ほどの表のハマリ確率に当てはめてみましょう。

回転数n少なくとも1回当たる確率n回転以上ハマる確率月平均ハマリ回数
10.00250.9975×26.25=26.18回
500.11760.8824×26.25=23.16回
1000.22140.7786×26.25=20.44回
2000.39380.6062×26.25=15.91回
3000.52810.4719×26.25=12.39回
4000.63260.3674×26.25=9.64回
5000.71390.2861×26.25=7.51回
6000.77730.2227×26.25=5.85回
7000.82660.1734×26.25=4.55回
8000.86500.1350×26.25=3.54回
9000.89490.1051×26.25=2.76回
10000.91820.0818×26.25=2.15回
11000.93630.0637×26.25=1.67回
12000.95040.0496×26.25=1.30回
16000.98180.0182×26.25=0.48回
20000.99330.0067×26.25=0.18回

(甘デジ(1/100)の場合はこちら

4.考察

さて、上の表を見てどう思われましたか?
表からは、月5日打つ休日パチンカーが月にどのくらいハマるのかがわかります。

例えば「倍ハマリ(800回転)」は3〜4回、「1,000回ハマリ」は2〜3回、「3倍ハマリ(1,200回転)」は1〜2回です。1ヶ月にですよ。4倍ハマリ(1,600回転)でさえ2ヶ月に1回程度はあるということです。

月に5回しかパチンコしないのに、1,000ハマリを2〜3回くらうということは、2日に1回程度くらうのはさして珍しいことではないんです。ましてや月に20日程度打つ「自称パチプロ」の方だとその4倍ですからね。月に8〜9回程度は1,000回転ハマリを、月に2回程度は4倍ハマリ(1,600回転)を経験することでしょう。

あなただけがついてないんじゃありません(^^;

2000.08.03 DEM
2014.02.05 加筆修正
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