こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
さて、もうすぐ6月ですね。
ちょうど今頃の時期と言えば新人看護師が夜勤デビューをする時期です。もちろん、施設によりけりと思いますが、大抵の病院は4月5月は日勤のみで5月の終わりとか6月くらいから夜勤を始めるところが多いのではないでしょうか。
もし、半年くらい夜勤をやらないで済む病院なら相当新人に対して手厚い病院と言えるのではないでしょうか。
巷にある看護系のサイトを見ると、だいたい半年から1年の間に夜勤を開始しますなんて書いてありますけどね、現実はそんな甘くないですって。
それに遅かれ早かれ必ずあなたも夜勤をこなす看護師になっていかなくてはいけません。夜勤に対して苦手だなぁとか自分に出来るのかなぁって不安に思っていませんか?
夜勤に対して怖いとか、大変そうといった漠然としたイメージを持っているあなたへ、具体的なイメージとどのように動いたらいいのか、夜勤の極意をお伝えしたいと思います。
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入職して2ヶ月で夜勤なんて早すぎない?
普通の会社員の新入社員の人たちであればまだまだ研修期間で自分の配属先も決まっていないであろうこの時期に、看護師の世界はスパルタですね。院内で新人を集めて行う研修なんて1週間程度で終わってあとは各配属先の病棟で働きながら教えてもらうというスタイルの病院がほとんどでしょうね。
ではなぜそんなに看護師の世界はスパルタなのでしょうか。
それは、あなたのような新人看護師も一人の看護師人員としてカウントされているからです。
病院には何人の患者さんに対して何人看護師を配置するというのが決められています。その人数によって病院の機能が国に定められているのです。たとえば、患者さん7人に対して1名の看護師を配置している病院とか、患者さん10人に対して1名の看護師を配置しているとかっていう看護師の人数によって国からもらえる加算が変わってくるんです。なので病院で勝手に看護師の人数をどんどん増やしても赤字になるばかりだし、極端に減らすことも出来ないわけです。
新人であろうとベテランであろうと平等に一人の看護師としてカウントされています。つまり、10人の人員が配置されている病棟で3人が新人だったら新人が仕事をできるようになるまで残りの7人で10人分の仕事をこなさなくてはならないわけですね。それは夜勤も同じことです。本来は10人でローテーションを組んでいたものを7人でローテーションを組まなくてはならないとなると、その7人の夜勤回数は必然的にいつもより多くなります。そうすればその7人は日勤もいつも以上の仕事をして夜勤の回数も増える。そんな状態を長く続ければ誰かが倒れます。なので、一刻も早く新人看護師には一通りの仕事をとにかくこなせるようになってもらうことが急務なんです。
なので先ほど言った通り、半年も夜勤を待ってくれる病院だとするなら、新人には優しいかもしれませんが半年間10人分の仕事を7人でこなす先輩たちが大変なわけです。
日勤と夜勤の違い
日勤と夜勤では様々な違いがあります。まずはそれを理解しておくことが重要です。
違いその1:マンパワー
日勤と夜勤の最大の違いは人員の数です。すなわち、マンパワー日勤より格段に夜勤のほうが落ちるわけです。少ないマンパワーで多くの患者さんの看護をしなくてはならないというのが一番大きなポイントです。
では、人員が少ないとどのようなことが考えられるでしょうか。
- 自分の担当する患者さんの人数が増える
- 一緒に夜勤をする人との連携が重要になる
- ナースコール対応がすぐにできないこともある
- 急変時に医師がすぐに駆け付けられないことがある
- 一人一人の患者さんに時間をかけられない
違いその2:労働時間
日勤と夜勤の違いとして次に大きいのが勤務時間です。今回は二交替夜勤の前提で話を進めます。そうすると、夕方から朝まで長い時間働くわけです。その長さも慣れないうちは大変でしょうし、一晩中起きているという事も最初のうちは大変だと思います。
労働時間が長いことで考えられることはなんでしょうか。
- 疲労が蓄積される
- 集中力が切れる
- 眠気に襲われる
- 判断力が鈍る
違いその3:患者さん
患者さんが違うというとどういうこと?と思われるかもしれませんが、夜の患者さんは昼間の患者さんとは違うんです。
日中とても穏やかでにこにこしていた患者さんでも夜になると途端に不安になって落ち着かなくなったり、日中は痛みの訴えなんか何もなかったのに夜になると痛みが強くなったり。夜というのは患者さんたちを心理的に不安にさせたり、さみしくさせやすいです。そして夜中の静けさの中だと他に気を紛らわせることが出来ないため、痛みに敏感になりやすくもあります。
夜の患者さんによくみられる特徴を挙げてみます。
- トイレが近くなる
- 痛みが強くなる
- ナースコールが多くなる
- 家に帰りたくなる
昼夜逆転傾向の患者さんであると、夜中のほうが覚醒してしまい大声で叫んだり興奮して暴力行為に及んだりするといったこともあります。重要なのは患者さんの生活リズムを崩さないよう、日中の覚醒を促し、夜間の良眠を確保してあげることなんですけどね。それが出来ていないとそういった問題行動が出てくることもあります。
夜勤で求められるものとは何か
では、こういった違いを踏まえて夜勤で最も重要なこととは何でしょうか。
それはズバリ、効率です。より少ない人員で、より多くの患者さんを看るためには効率を重視して動くことが大切です。そのためには一緒に夜勤をする人との連携も大切です。お互いに声を掛け合い、連携を図ることで効率よく仕事を回していくことができます。「報・連・相」が出来るようになったかどうかが夜勤に入れる基準とされているのはこういう理由なんです。夜勤では、日勤よりさらにこの「報・連・相」が重要になってきます。
次に危険予知能力です。患者さんの些細な変化に気が付くことが出来れば、大きな問題に至る前に対処することが出来ます。よくあるのがベッドの柵をガタガタ揺らして独り言を言っているところを見ていたけれど、何も対処せずにいたらその30分後にベッドから転落していたとかですね。この状況を放置したらどうなる可能性があるのかを予測して先回りした対策をいかにとれるかが夜勤をスムーズに進める一つのポイントになります。
欲を言えば柔軟な対応もほしいところです。臨機応変にその場その場の状況で判断し、方法を選択したり、優先順位を変えることが大切です。でも最初のうちはできなくてもいいですね。慣れて来たら更なるステップアップとして目指していきましょう。
まずは、効率と危険予知。この二つを常に念頭に置いて動くようにしましょう。
夜勤をうまくこなすコツ
大切なことは効率と危険予知だと言われても、最初からそんなに効率よくなんて出来ないし、危険の予測も出来ないよ。そう思われるかもしれませんが次はもっと具体的にどうしたらいいのかをお伝えします。
情報収集のコツ
夜勤で必要な情報だけをピックアップ!
こんなにたくさんの患者さんの情報収集なんてできないよ。最初はみんなそう思います。でもカルテを読むスピードや紙に書くスピードがそんなに先輩とあなたとで違うことはありません。あなたと先輩の一番の違いは何の情報を見ればいいのかが分かっているかどうかです。
日勤の時よりも多くの患者さんのカルテを見なくてはなりません。時間は限られています。日勤の時ほど丁寧な情報収集は出来ません。現病歴から既往歴、治療の経過をすべて見ていたら時間が足りません。それに日勤で担当したことがある患者さんであればある程度の経過は覚えているはずです。
夜勤前の情報収集では自分の夜勤帯で必要な情報だけをピックアップして情報収集をしましょう。自分がその患者さんにやらなくてはならないこと、看なくてはいけない観察の視点さえ押さえられればOKです。他のことは必要になったときにカルテを見返せばいいんです。
情報を書き込む紙は極力シンプルに見やすさを重視!
働いている間に確認する自分の情報を取った紙はパッと見て直ぐにわかるように見やすくしておく必要もあります。
絶対に忘れてはいけないことはマーカーで目立たせるとか、やったチェック欄を作るとか書く文字色で分けるとかいろいろ工夫するやり方はあると思います。まずはいろんな先輩がどんな風に情報収集をしているのか見せてもらうといいですよ。
検温のコツ
優先順位と動線を考えて回る!
日勤でも検温に回るのが時間内に終わらないのに夜勤でたくさんの患者さんの検温に回るのなんて無理!と最初は誰もがそう思います。でも熱を測る時間、血圧を測る時間に先輩とあなたとでそんなに時間が変わるわけではないんですよ。先輩は端から端まできっちり全員を部屋順に回っているでしょうか。もしまだこれから夜勤を開始するとしたら、見学夜勤の時に注意深く見てみてください。何を根拠に回る順番を先輩が決めていたかを。
検温の順番は「重症度の高い人から先に」が基本ですが、状況次第で臨機応変に変えていく必要もあります。そして動線も考えましょう。あちこちの部屋に行ったり来たりすることがないように、検温に限らず、一つの部屋に行ったらその部屋で今やるべきことは全部済ませるくらいの気持ちで行きましょう。
夜は長いので焦らず、元気な人は寝る前までに検温できればいいし、とりあえず顔を見に行って変わりがないかだけでも確認しておくでもいいです。
観察はポイントを絞って!
検温で1人にかける時間も先輩はあなたより短いかもしれません。でもちゃんと観察していないわけではないんですよ。看るべきところだけをしっかり看るようにしているんです。検温するときには考えられるすべての観察ポイントをくまなく見るのではなく、その人に今起きている問題に焦点を当てた観察をするようにします。今この患者さんに起きている問題は何か、抱えている症状何かを常に意識しましょう。
チームプレイのコツ
自分の所在を伝える!
夜勤はとにかく連携が大切です。まずは自分の所在を明確にすること。自分はどこで何をしているのかを先輩に伝えてから行動を開始する。どこにいるかわからないあなたを先輩が探し回っていたらそれだけで時間のロスです。それにあなたの行動を先輩が把握できればフォローもしやすくなります。
感謝の言葉は必ず!
最初のうちは先輩に手伝ってもらう事ばかりでしょう。その時にしっかりとお礼を述べることは重要です。ちゃんとお礼が言える人は先輩に目をかけてもらえます。どんなに自分が忙しくても、忙しいからこそ、しっかりお礼を言うことを忘れないようにしましょう。
長時間労働を乗り切るコツ
一晩中仕事をするという事自体が初めてで慣れないでしょうから、最低限気を付けた方がいいのではと思う事を載せます。
食事はこまめに!
一度にたくさん食べると眠くなるし動きが鈍くなります。ちょこちょこ食べるほうが良いと思います。夜中は空腹感に襲われることが多く、疲れからもついつい甘いものを食べたくなってしまいます。お菓子ばっかり食べると栄養に偏りが出ますし、太ります。私もついつい食べちゃうんですけど、癖になるのでやめたほうがいいですよ。
仮眠は眠れなくても横になる!
慣れないうちは緊張してなかなか寝ることが出来ないかもしれません。ですが、せめて体を休めるためにも横になることは重要です。
とにかく、短時間で少しでも疲労を回復することに努めましょう。
疲労はミスの元になります。
休憩は気分転換を!
ずっと緊張状態が続くのは集中力を低下させてしまいます。やり残しはないか、休憩から出たら何からやるかいろいろ考えたくなっちゃいますが切り替えも重要。例えばテレビを見るでもいいし、音楽を聴くでもいい。とにかく気分転換をして緊張状態から解放してあげるようにしましょう。
まとめ
夜勤は新人看護師の誰もが避けては通れない道です。とは言え、おそらくほとんどの人が仕事で一晩中起きていること自体が初体験でしょうし、夜勤には夜勤ならではの忙しさがあってそれに慣れるのも大変です。最初から夜勤の業務すべてを自分で出来るという事はないと思います。先輩に手伝ってもらってどうにかこうにかといった感じでしょう。それで自分はなんてできないんだろうと落ち込む必要はありません。みんなそうでしたから。大切なことは忙しさの中でも一人一人の患者さんとちゃんと向き合って対応することです。自分のキャパシティーがオーバーしていると思ったら迷わず先輩を頼りましょう。夜勤は一人でやるものではありません。一緒にやる先輩と力を合わせて安全に朝を迎えることを目指しましょう!
夜勤に対して苦手意識を持つ新人さんは多いですが、先輩たちの中には夜勤のほうが突発的な検査などが入ることが少なく自分のペースで仕事ができるから好きだという人もたくさんいます。それに夜勤を終えた後の解放感はなんとも言えません。
夜勤は手当もあるし、夜勤明けに銀行などの用事も済ませられたりもしますし、良いこともあります。いろいろ工夫をして夜勤に対する苦手意識を減らしていきましょう!
今日は長文の記事にお付き合いいただきありがとうございました。
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