芝生が好む環境とは
日当たり良好で風通しと水捌けが良ければ最高です。芝は日光が大好きです。
芝生は見た目がよいだけでなく、庭の砂ぼこりや泥ハネを防いでくれたり、雑草や水たまりの発生も抑えてくれます。
しかしながら、日当たりが悪く、かつ習慣的に人が立ち込む場所の芝生はいずれ擦りきれて裸地化する懸念がありますので、そのような場合は芝生よりも石やレンガ・タイル、舗装を選択するほうが良いかもしれません。
7月~9月のハイシーズンに刈り高さを25mm前後で芝刈りすると、日本芝でも写真のような縞模様が楽しめます。 これは芝の葉っぱの倒れた方向の違いによって生み出されるものです。
濃く見えるのは、画像奥(上)から手前(下)側に葉が倒れている状態。
薄く見えるのは、画像手前(下)から奥(上)側に葉が倒れている状態です。
芝刈り機は芝を刈りつつも、刈り高さを調整するローラーによってある程度は芝が寝かされます。つまりサッカー場やゴルフ場でよく見るあの縞模様は、芝刈り機の進行方向の違いです。
雑草よけに芝生が活躍
土の地面のままでも芝生でも、何であっても周囲から雑草の種は、奴等は遠慮なく飛んできます。芝を密生させれば、雑草の発芽と成育を阻害できます。 また、芝専用の除草剤は土の地面よりも長く芝生の地ぎわに留まって効果を発揮してくれます。 なので、雑草よけ目的で芝生を張るのは正解なのです。
芝生を張る前に - 耕起より不陸修正を
- 将来、スライシング(根切り)やスパイキング(穴空け)の際に道具が痛むので、せめて表面の石ころは除去しましょう。 住宅造成地として山砂が敷かれ、 重機が入った地面であれば耕起しないほうが不陸(凹凸)を避けられます。
- 納得したい場合は耕耘機で耕起することは可能ですが、埋設されている上下水道管やガス管、電気配線管、雨水排水管の位置を予め把握しておき、それらを破壊しないよう慎重に進めましょう。
- 地面がよくわからない場合や、不陸が酷くて水溜りがいつもはっきりしている場合は耕起するより外構屋さんに依頼して足し砂して平坦を作りましょう。 不陸修正は凸を削る意識より、凹に足す意識で進めるとよいです。ホームセンターなどで棒材やパイプなどを入手して、地面をワイパーが這うように扇状に動かせば凹凸の具合が解ります。
芝生を張る前に - 表面排水の勾配を
芝生を張る/張らないにかかわらず、雨水桝に向かって地面に下り勾配が付けられている事が理想です。ある程度の水分は芝生と地面が吸収してくれますが、常に水溜りが出来る場所の芝は変色したり痛みやすいです。 芝が吸えない分の水は表面排水となって雨水枡に向けて流れ去ってくれることが理想です。
(写真: 雨水桝への勾配が取れておらず、ゲリラ豪雨後に大きな水溜まりができた例)
芝生を張る前に - 床土をととのえる
砂利敷き、あるいは粘土層が露出、あるいは芝生でない植物に既に覆われているのでしたら要改良です。 住宅造成地の山砂であればそのままでも問題ありません。 品質のよい業者の芝マットであれば、その圃場の良い土が付いている場合もあります。
野菜を育てるわけではないので、堆肥のすき込みの必要はありません。整地の仕上げとして、バーク堆肥・化成肥料・苦土石灰を撒いて表面をトンボで均す程度でよいでしょう。
凸凹の少ない、フラットなターフを造る一番のコツは、 "耕して柔らかくしないこと" とも言えます。
ちなみに、深夜から早朝までの時間にしかメンテナンスのチャンスがないのにもかかわらず、真冬でも炎天下でも美しいグリーンを保っている東京ディズニーランドのベント芝の床土は…。
ぜひ、現地で確認してみてください。樹木のウォーターホールを見るとよくわかります。
芝生を張る前に - 1シーズン様子見をするという発想
水溜りや不陸の解消、念入りな石ころ除去、季節ごとの雑草の種類や場所の傾向観察、雑草の抜き方、芝にも適用できる除草剤散布の訓練、いずれ芝生に覆われて見納めになる土の地面を記憶しておく為に、来シーズンまで芝はりを見送るのも手です。
さまざまな芝生関連サイトや通販サイトで情報収集し、この知恵ノートも含めてあなた自身が情報を吟味して取捨選択する余裕もできます。
芝を張る範囲はどうするか
芝刈機は垂直構造物ぎわの芝を刈ることができません。 また、住宅の基礎ぎわまで張ってしまうと冬の枯れ芝に火災が起きた場合のリスクが高まります。それらを避けるために、エッジ材をなどを使って垂直構造物から少し離して芝を張りましょう。
また、面積はメジャーを用いてメートル法で実測しておきましょう。
購入する芝マット量の決定、ふさわしい芝刈り機の選定、肥料や薬剤散布計画にも役立つからです。
境界を決めるエッジ材という便利なもの
芝生の横方向への広がりを制限するために便利なものがエッジ材です。 軟質プラスチック樹脂製の長い仕切り材が便利です。エッジマスターなる商品が有名です。類似品でより安価なものもあります。
レンガや30cm角のレンガタイルを並べるのもよいですが、長い金属製の板材を沿わせたりモルタル留めをしない限り、タイルとタイルの隙間にすぐ芝生の匍匐茎が侵入してしまいます。その場合は、タイルと芝生の間を5cmぐらい空けるように、ターフカッターで芝生のエッジを切り取っておくという対処方法もあります。
芝張りは初春が適期
啓蟄(けいちつ)の頃に芝張りするのがベストです。 2年目以降の芝生の更新作業の時期にあたる2月末から3月末初旬、つまり寒さ・暑さ共に辛くなく梅雨も台風もない初春は人間にとっても作業が進めやすいタイミングと言えます。
逆に秋の芝張りは、張ったばかりなのに緑一色のターフを目の当たりにすることもなく冬の間に茶枯れてしまうので、最も感動の低い、もったいないタイミングの芝張りだと言えます。
芝生にはどんな種類があるのか
- 野芝 … ゴルフ場のラフ。 とにかく乾燥と熱と踏圧に強い。見た目も葉が大きく長くワイルド。自生野良芝といえばこれ。
- 高麗芝 … ゴルフ場のフェアウェイ。 日本芝の代名詞。デファクトスタンダード。もっとも無難な芝。
- 姫高麗芝 … ゴルフ場のコーライグリーン。一般住宅でよくある芝庭。 高麗芝より緻密。踏圧と日陰は苦手。
- ベント芝(寒地型西洋芝) … ゴルフ場のベントグリーン。 東京ディズニーランドのあの美し過ぎる芝生がこれ。管理難度高。芝の状態と天候を窺いながら適した薬剤投与が出来る師匠クラスの愉しみ。
- キリシマターフ … 野芝由来のブランド品種。野芝としては密度が高く緑色が濃い。
- TM9 … 高麗芝由来のブランド品種。 葉が小さく緻密で柔らかい。矮性選抜を繰り返した管理省力型で人気上昇中。
- バミューダグラス(暖地型西洋芝) … サッカー場の芝。 踏圧に強い。ゴルフ場のフェアウェイにも使われる。 冬場は日本芝同様に茶枯れてくるので、寒地型西洋芝をオーバーシードして緑を保つ。春が来たら、弱った寒地型西洋芝だけを引っ掻いて除去して、再び暖地型西洋芝へトランジション(変遷)させる。こうすることで年間を通して茶枯れ葉のほころびを見せない。 そんな手品みたいな技は専門のグリーンキーパー、グラウンドキーパーというプロが、豊かな経験と資材と道具を使って計画的にメンテナンスするからこそ可能になる芸当であり、それをご存じなかった方が高麗芝ベースでこれをやって壊してしまう話をよく聞きます。
芝生マットの調達の前に
通販であってもホームセンターであっても、予め整地と道具と資材の準備が出来てから入荷日時を段取りしましょう。
べたはり(全面はり)を前提としながらも個体不良や作業ミスを考慮して、計画面積の2%増しの芝を用意しましょう。
注意
- 市松はりは一般家庭の芝庭には向きません。一見すると購入する芝マットが全体面積の半分で済むようなイメージがありますが、べたはり(全面はり)より結果的に高くつきます。
- 高速道路のSAの緑地で市松はりを見た事がありますが、あれは雑草の混入を前提とした土砂流出を防ぐための法面保護が目的です。
- 一般家庭の芝庭として考えた場合、全面がキレイに繋がるまで3年以上は掛かる上に、その間ずっと工事中の様相で観賞にも実用にも向かず(足がつまづく・くじく)、裸地の土は水溜りになりやすく、芝床に留まって効く雑草抑制剤も効きにくい上に、芝生部分への肥料が流入するので雑草喜ぶ環境になりやすく、芝刈り機も凸凹道を行かされるので軸刈りや石噛みのリスクが高く、不陸修正もやりづらい。 しかも芝より目土の方が値段が高いのですから、市松張りはデメリットだらけであり、メリットなど何一つありません。
- また、「詰めはりは良くない」に根拠はありません。なぜなら私たちが購入する芝マットは、もともと圃場で繋がっていたものです。それをべたはり(全面はり)することは、結果的に更新作業におけるスライシングと同じことです。芝生はべたはり(全面はり)ではりましょう。
- (写真: べたはりの例。 まだ目土は入っていない状態)
芝生を張るのに便利な道具
- 水糸 … 芝並べの際に列が歪まないよう予め直線出ししておきたい場合に便利です。テント用ペグ2本に結んでおくと使いやすいです。
- ターフカッターはずっと使える … スコップの先の部分が単なる半月状の板になっている道具です。 足で乗って体重を預ければサクサクと気持ちよく芝を好きなサイズに切り分ける事ができます。 根切り、エッジ切りにも使えるので、実は一年を通じて芝生のメンテナンスにとても便利な道具です。 バロネスなるメーカーのそれは刃の交換が出来るのでオススメです。 弧を描いて切りたい場合は普通の先丸(剣先)スコップで踏めば切れます。 芝の切り分けは古包丁や鎌でも可能ですが、疲れます。
- 100円ショップのダイアモンド棒やすり … スコップ、ターフカッター、芝切りバサミ、園芸ハサミ、芝刈り機の刃の石噛み痕などの研ぎに役立ちます。三角ホーなどの尖りが危険な道具のまるめにも使えます。
- ホースリールとスプリンクラー … 芝生に散水は付き物です。有名どころのガルディナもケルヒャーも、ホームセンターでよく見かけるタカギ製のホースリールとのアタッチメントの互換性を持つ製品があります。回転式と、首振り式があります。
- ジョウロは10Lを … 液肥、殺菌剤、殺虫剤、除草剤。 希釈度と散布面積を計りやすくするために、10リットルのサイズを買いましょう。4リットルとか6リットルとかは、本当に使いにくいです。
- すのこのポテンシャル … 芝を並べ終わって目土や目砂を掛けたら、その後転圧します。 芝マットを地面に押しつけるわけです。この時、すのこをひっくり返して上に乗ると楽です。コンパネでもいいのですか反ってしまいがちな上、芝はりイベントが終わると他の用途が見つけづらい。 その点すのこは、なんと、すのことして使えます。
芝張りはスピード優先
もう整地は終わりましたか? 水糸も張りました? 道具も揃っていますね?
- では、水糸に合わせて並べて行きましょう。一列ごとに互い違いに、レンガ積みの模様を描くように。
- 芝マット一片に足りない空間は即、先送りして次の列を並べて行きましょう。生き物ですからスピード優先が良いです。
一枚モノを並べきったら、次に隙間埋めはりです。ターフカッターで切り分けながら嵌めていきましょう。3cmぐらいまでの隙間なら気にする必要はありません。後で目土すれば大丈夫です。 また、円弧状の構造物に合わせて無理に曲線をつくる必要はありません。目土に任せれば自然に芝で埋まります。
ヒント
- 芝マットは完全な直線で切られているわけではないので、実はべたはり(全面はり)のつもりで並べてもマットとマットとの間に隙間はできます。 なので、目地埋めのつもりで目土はやっておきましょう。保水・保肥性が向上します。
目土 なのか 目砂 なのか
保水・保肥性を高めたいなら目土、排水性を高めたいなら目砂。
赤玉土から硅砂までさまざまですが、扱い易くて比較的安価なのは洗い砂です。一番粒が細かくて白くてキレイで値が張るのは硅砂です。
ゴルフ場のグリーンは何でもパウダーのような硅砂が撒かれているのだろうと思いきや、コアリング後には洗い砂が撒かれていることがありました。
毎年の目土は必要か?
賛否両論あります。
私の場合、目的を不陸修正に絞って2年目まで目砂しましたが、GL(グラウンドレベル)が上がっていく事を嫌って、以降は目土・目砂をしていません。
しかし、実施すれば確実に芝は美しくなりますので、GLを気にしなくて済む環境の方にはおすすめします。
(写真: 2年目の目砂。 このあとトンボでよく均してすり込みます)
- 目土のメリット: 不陸をなくし、美しいターフを形成できます。1,2年目までは是非お勧めします。最初に丁寧にやっておけば、芝刈りの度に平坦な緑のじゅうたんを味わえるからです。
- 目土のデメリット: GL(グラウンドレベル)が上がってしまいます。 毎年目土をしていたら、毎年GLが上がって行ってしまいます。更新作業時にサッチングを充分にやればもともとの土の地面を拝む事が出来ますが、そのゼロレベルに戻さない限り、毎年目土すれば毎年GLは上がっていくわけです。
芝生管理は省力管理
芝生は管理が大変、という声をよく聞きます。しかし、省力化と合理化を少し考えれば解消出来ることはたくさんあります。
ポイント
- ・梅雨、炎天下、台風のシーズンに重作業の計画をしない
- ・しゃがむ、立つ、しゃがむ、立つという動作を減らす
- ・機械に出来ることは機械にやらせる
- ・できるだけ芝生を旺盛に育てない
- 梅雨があけたら施肥を止めて、出来るだけ芝を伸ばさないようにする
最も高負荷な作業は3月の更新作業
最大の重作業は、更新作業です。
冬の芝焼き、野焼き行事をテレビなどで見たことはありませんか? 冬枯れした葉、刈りカス、ゴミ、雑草のタネ、虫、病原菌を焼き払うわけです。実に合理的で理想的な管理です。
でも、一般住宅地で野焼きなんてまず無理ですよね。 そこで、芝を焼いて灰にできない代わりに冬枯れした葉っぱを刈り取ったり、堆積した刈りカスを引っ掻いて取り除いたりするわけです。
注意
- 更新作業は、3月上旬の啓蟄(けいちつ)の頃に実施するのが合理的です。芝生好きのバイブルとして知られる、著名な学者さんが書いたNHKの書籍によると、更新作業の適期は7,8月になっています。確かに、まだ新緑の立ち上がりが少ない3月に芝生を低く刈り込んでしまうと、砂埃や泥ハネのリスクが高まり芝生としても実用性が損なわれるでしょうし、芝生の生育が旺盛な夏季であれば、攻撃性の高い作業をしても新緑の復活が早いという意味で、夏季の更新作業が勧められているのだろうと理解しています。しかし、冬枯れした芝生は削り取らない限り緑一色のターフにはなりませんから、まだ新緑が立ち上がる前の3月に更新作業を実施するほうがより簡易で、芝生の美観を崩しにくいです。 また健康面の観点においても、重作業である更新作業を7,8月の炎天下に玉の汗を流して熱中症のリスクを抱えながら実施するなどということはお勧めできません。
更新作業とは
ターフを削らんばかりの低刈りをする
冬の枯葉を可能なだけ取り去る。燃やせないから、刈り取って除去するしかないのです。
裸地上等、それでも芝生は生えてきますから土が見えても臆せずに削り取りましょう。
そのためには、エンジンもしくは電動の、リール刃の芝刈機が必要でしょう。
5mmまで追い込んで低刈りして、加えてサッチングすると10平米あたり45リットルのゴミ袋ひとつ分ぐらいの枯れ芝が取れます。
サッチングをする
左上が10mmで刈った跡。 右下が更にサッチングした跡です。
サッチングをすると、枯れたターフの葉をたくさん回収できます。
電動サッチング機か電動芝刈り機のサッチング刃のアタッチメントを使ってサッチ(古い茎や冬枯れ葉や刈りカス)を掻き取ります。芝刈機の移動距離が同じ場合、芝刈り刃よりサッチング刃の方がたくさんの枯れ葉が取れて驚くと思います。
(写真: 電動芝刈り機のアタッチメントとして別売りされているサッチング刃)
ここでの省力化のポイントは、作業を自動の機械に任せているということです。
サッチングは重労働です。金属製の細目の熊手でも出来ますが、かなりの体力と根気が必要になってしまいます。 芝刈り機を購入する際、芝刈り刃とサッチング刃を交換出来るタイプを検討してみてはどうでしょうか。将来二号機を導入しても、その一台目はサッチング専用機として役立つからです。
ちなみに、リョービのサッチング刃は金属ツメが外れやすいので、タイラップで縛っておくとよいです(左下は黒色のタイラップで、右上は白色のタイラップで縛り付けています)。
スパイキング(穴開け)、コアリング(穴抜き)、スライシング(根切り)
やれば確実に芝生は健康になります。余裕があれば是非やりましょう。
いずれも手動の道具は売られています。
しかし、私は下記の理由からやっていません。
- 一般民生用の自動機械が存在しないので、省力化ができない。
- ゴルフ場でも、グリーンでしか見た事がない。
- コガネムシが潜り込む手助けを買って出ているようなもの(スパイキング、コアリング)。
エッジ切り
上記のスパイキング、コアリング、スライシングよりも一般家庭で優先したい作業はエッジの仕上げです。冬の間にいつのまにか匍匐茎が飛び石に乗り上げていることがよくあります。直線的にエッジ切りすると、じゅうたんのようなターフの美観が高まります。
- 塀際、飛び石まわりなどの縁取り、エッジ切りをします。省力化の道具ですが、ターフカッターを使い、足で乗って体重を預ければサクサク気持ちよく切れます。はじめの芝はりだけでなく、この局面でも古包丁や鎌で対処することが出来ますが、しゃがんで力んていたら足腰やひざを痛めるでしょう。
- 上記の更新作業により10m2あたりゴミ袋1個分ぐらいの燃えるゴミが出るでしょう。
- この更新作業が終われば、3cmから5cmぐらいの芝の長さの管理であれば、芝刈りは5月から10月ぐらいまで月2回程度で、手動のリール式芝刈り機で対処できるでしょう。
雑草対策
更新作業の後、芝の地ぎわが見えたところでシバゲンDFという雑草抑制剤を噴霧器で散布します。ジョウロでも可能ですが微量を広範囲にまんべんなく撒くのは苦手です。
この薬剤は、日本芝の芝床や地際に留まって雑草の発芽・成育を抑制するもので、事前・事後の両面で効果があるものです。半年は効いてくれていますので、そのサイクルを守れば春や梅雨時期のメヒシバも秋のスズメノカタビラも、MCPPやアージランの出番がないほど雑草を抑制できます。
省力化のポイント
- 初春に更新作業と雑草予防をしておけば、梅雨時期や炎天下に雑草抜き道具を持って地面に這いつくばったり、玉の汗をかきながら大量のサッチを相手にする必要もなくなります。また、夏のサッチングはそのシーズンに伸びた新しい緑の葉を痛めてしまいます。 葉が伸びてからでは、均一なサッチングも目砂被せもやりづらいです。
- 更新作業は、初春の芽吹き直前に実施するのがもっとも合理的です。
施肥 … 化成肥料は雨天時にまく
更新作業の締めとして、春の芽だしの為に肥料をあげましょう。 リスクのない施肥として草花用の液肥が手軽です。緑を濃くしたいなら液肥が効きます。 長く効かせたいなら、20kg袋の化成肥料がコストパフォーマンスに優れています。N-P-K(チッソ・リン・カリ)は8-8-8が無難です。 化成肥料は粒がたくさん集まり過ぎる撒き方をすると、「肥焼け」といってその部分の芝が枯れることがあります。集中して散水して放置していればそのうち治ります。
前提として固形肥料は事後の散水が必須です。でも水道代も節約したいですよね。化成肥料を撒いたらすぐ雨が降ってくれればよいのですが、雨がいつ降るかの確約はないですよね。
そんな場合の合理的な撒き方は、「雨が降って来たら、傘をさしながら撒く」です。
また、梅雨があけたら施肥量を下げるかいったん止めて芝を伸ばしすぎないようにすると省力化につながるでしょう。
芝刈り機は集草できることが必須
芝刈り機は集草箱付きのタイプを選びましょう。
芝はその場で刈り棄てるのではなく、出来るだけその場から取り去りましょう。散髪したのに洗いもせずにハイ終わりってイヤですよね。 その点で草刈り機(刈り払い機)は芝刈りには適しません。
(写真は手動式リール刃で集草バッグが付いているタイプの芝刈り機)
手動か電動かエンジン式か
広さと住環境、調達できるパワーソースに依存します。
- 手動式: 電気コードもなければ燃料も要らず、音も静かです。 100m2以内で、30mm~50mmの刈り高なら手動が良いでしょう。 芝生の広さに応じた芝刈り機の刈り巾の大きさを考えましょう。40cm幅あると頼もしいですが、狭い場所には進みにくい。25cm幅は往復が多くなりますが、小回りが利く上に狭い場所でも進ませやすいです。
- 電気式: 5mmからの低刈りを狙うなら電気式です。手動式と違い、芝刈り機を走らせなくてもモーターが刃を回転させてくれるので、刈り上がりがキレイです。 また、サッチング刃に交換できる機種は更新作業の頼もしい味方です。 リール刃の場合、モーターを逆回転させれば刃研ぎができる機種もあります。難点は、電気を喰うこと、電気コードがあるので手返しが悪いこと、刈り幅が大きい機種は価格も相応に張るということです。
- エンジン式: 遊園地のゴーカートのような、原付スクーターよりうるさいものを運転できる環境と、刈り応えのある広さをお持ちならエンジン式ほど楽しい機械はないでしょう。私は ゴルフ場のバックヤードに手押しエンジン式の芝刈り機を見つけると心ときめきます。
ポイント
- その役目に応じて手動式と電動式の併用を将来的に考えておくと楽しいです。
- 単純な構造の手動式は電動式よりも耐久性が高いです。
芝生管理は清掃の管理
清掃の手返しが良くなると、芝生の管理がかなり楽になります。:
- プラスチック製てみ (臨時のゴミ捨てや、石ころ拾い、目砂流しにも)
- 40cm径のガーデンバッグ (ゴミ袋がちょうど入る大きなゴミ箱があると、刈り草捨ての手返しがよくなり省力化に役立ちます)
- 竹ぼうき (芝刈り後に掃き掃除してみてください、すごくキレイになります)
病害虫をやっつける
たぶん、寒地型西洋芝の師匠方への憧れもあるのでしょうが、そもそも日本芝はヤワではありません。 少しコガネムシが潜った、少し高温多湿の時に赤茶けました、よくあることですが、慌てる話ではありません。 気になったり不快を感じたなら日本芝に適用できる殺虫剤や殺菌剤をホームセンターで調達しましょう。 もし芝以外の草花や樹木があるのでしたら、兼用できるものを選ぶと良いです。
除草剤
いずれも数グラム、数mlのコントロールです。規定量を必ず守ってください。
また、噴霧器を使う場合は風に薬剤が流されやすいので、芝の周囲の園芸草花へ影響が及ばないように、その境界あたりの芝生だけにはジョウロを使うとよいでしょう。
注意
- ほとんどの芝生用除草剤が前提としているのは、芝マットが地面に根付き、横方向にも繋がり合っている状態、いわゆる"ターフを形成している"芝生への利用です。まだ敷いたばかりで繋がってすらいない芝マットへの使用を保証しているものはありません。
- 場合によっては、規定より濃度が高かったり量が多すぎたりすると芝がいったん枯れることがあります。
- (写真: 3月上旬に芝はりし、4月上旬に芝生用除草剤を噴霧した後の、5月上旬の状態。 芝生用除草剤を過剰に噴霧した部分が弱って枯れています)
- このような場合でもはり替えることなく問題なく立ち直りますが、明らかにその箇所の成育は遅れますので、散水を多めにするなり対処してみてください。
- (写真左: 5月上旬 写真右: 6月下旬)
長文にもかかわらず、ご覧いただきましてありがとうございました。
楽しい芝生管理が出来ますように。