9割の人が勘違いしているパチンコの確率を世界一わかりやすく解説してみた。

パチンコの確率

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パチンコの確率
パチ負け男
はあはあ…!あと1万…!あと1万で諦めよう。負けても来週に楽な短期バイトでも入れれば大丈夫…!ATM、ATMはどこだ…??
???
待ちな。
パチ負け男
誰だ…!?そこをどいてくれ!あの台の挙動…もうすぐで絶対当たるんだ!
パチンコの確率
勝ち所ジョージ
まあちょっと落ち着けって。何の台を打ってんだ?
パチ負け男
もちろん牙狼さ!震撃アタックが無くなったときはどうしようかと思ったけど、牙狼剣を押し込む快感はたまんないね!夢にまで出てきちゃうよ!
ってそんな話はどうでもいいからそこをどいてくれよ!もう300回転も回してるし、そろそろ当たるハズなんだ!
勝ち所ジョージ
そろそろ当たる?なんでそんなことがわかるんだ。大当たり回転数は過去の回転数に一切依存しないぞ。
パチ負け男
でも牙狼なら400回転以内に当たる確率は63%って言われてるじゃないか!もうすぐで400回転だし、63%の確率で当たるんじゃないのか?!
勝ち所ジョージ
確かに大当たりする確率が1/400の牙狼なら、400回転以内に当たる確率は63%だ。それは累積確率といって、1回転目で当たる確率、2回転目で当たる確率、…、400回転目で当たる確率を全部足した和が63%になるという考え方だ。ちなみにj回転目で当たる確率Pjは、確率をpとすると次のようになる。

パチンコの確率の式

そして累積確率、すなわちn回転以内に当たる確率Pnは、Pjをn回分足すから次のようになる。

パチンコの確率の累積

だから400回転以内に当たる確率は、Pnにp=1/400、n=400を代入すれば、0.63(63%)という値が出る。でもその63%という確率は、”今この時点から”400回転を回そうとしたときに400回転内に当たる確率だ。今お前が300回転を回しているなら、400回転までの残り100回転で当たる確率は63%じゃなく、累積確率で1回転目に当たる確率、2回転目に当たる確率、…、100回転目に当たる確率を全部足した22%なんだよ。基準は全部「今」からなんだ。過去に自分が回した回転数は一切関係ない。

パチ負け男
ってことは、「1000回転も回ってるからそろそろ当たる」と思ってドハマリ台に座るのも無意味なのか…。
勝ち所ジョージ
そう。1000回転ハマった台に座っても、1001回転目に当たる確率は変わらず1/400だ。結局回転数は見るだけ無駄だ。
パチ負け男
わかった。回転数を台選びの基準にするのはやめるよ。でも、回転率はちゃんと気にするべきだよね?これは正しいよね?!
勝ち所ジョージ
まあそうだな。1000円(250玉)で何回その台を回すことができるかという回転率は大事だ。その台の期待値に関わるからな。でも、そこには大きな落とし穴があるんだよ。
パチ負け男
落とし穴…?回転率が高い台は期待値も高くなるから、勝てるに決まってるじゃないか!
勝ち所ジョージ
お前の言う通りだ。少しは勉強しているようだな。期待値がプラスということは、「大当たりでもらえる出玉よりも少ない玉数で大当たりすることができる」ということを表している。
パチ負け男
??普段期待値はパチンコアプリで計算しているから、本質的な意味はわからないな…。
勝ち所ジョージ
どういうことか、シンプルな台で考えてみる。確率が1/200で、1回当たると2500玉もらえる台があるとしよう。平均で200回転に1回当たることはわかるな?1玉4円とすると、200回転回せば平均で2500×4=10000円もらえるんだ。

しかし10000円もらえても、200回転回すのに10000円以上を使ってしまったら収支はマイナスになってしまう。だから勝つためには10000円以内でこの台を200回転回す必要があるんだ。これがさっきの「大当たりでもらえる出玉よりも少ない玉数で大当たりする」ということだ。だから今回の例では1000円で20回転以上回さなければ勝てない、すなわち期待値がプラスにならないんだ。

そしてこの20回転という回転率が、その台の期待値がちょうど0になる回転率、いわゆるボーダーラインと呼ばれるものになる。お前が回転率が高い台を打てばいいと言うのは、このボーダーラインを上回る台を打てばいいと言うことだな?

パチ負け男
決まってるだろ!そのボーダーラインを上回れば上回るほどその台の期待値は上がってく。だから回転率が高い台を打てばいいんだ!このどこに落とし穴があるんだ!
勝ち所ジョージ
お前は期待値をまるで魔法の言葉のように使っているが、統計学では期待値とセットで絶対に考慮しなきゃいけない概念がある。それがその期待値の「分散」だ。これはデータのバラツキを意味する。

期待値とはその台で勝てる額の平均値のことだ。例えばお前が5日間牙狼を打って、毎日5000円勝った場合Aと、1日目から順に0円、20000円、-80000円、-20000円、105000円勝った場合Bとでは、どちらも平均値は5000円だがBの方が額のバラツキが大きいだろ?しかもBは3日目に-80000円を出している。ここでお前の持ってる資金が尽きていたら、残りの2日間は打てずに負けのままだ。

要するに、分散はその期待値の「リスク」を表しているんだ。その期待値の分散が大きいほど、その日にお前が期待値通りの額を得る確率は小さくなる。そして分散は台の確率が小さいほど大きくなる。1/400の牙狼なんて膨大な分散を持つぞ。

パチ負け男
でも資金はあるとして、AもBは結局は同じ平均値になったじゃないか!分散が大きくたって、最後は期待値通りの額をもらえるんだからリスクでもなんでもないよ!
勝ち所ジョージ
ああそうだ。期待値はいつか収束する。でもな、分散が大きいということは期待値に収束するまでの時間も長いということだ。結論から言う。お前が今打っている1/400の牙狼で、期待値通りの額を正確に得るためには1500万回以上回す必要がある。
パチ負け男
せ、1500万回!?そんなの、20年あっても足りないじゃないか!!嘘をつくな!!
勝ち所ジョージ
嘘じゃない。まず、なぜ期待値は収束するのか。それはパチンコの確率が収束するからに他ならない。実際の確率は、試行を繰り返せば理論上の確率に収束する。大数の法則というやつだな。

例えば、サイコロで1の目が出る理論上の確率は1/6だが、それを実際に調べるためには2000回以上サイコロを振る必要がある。それぐらい振るとようやく実際の1の目が出る確率(1の目が出た回数/サイコロを振った回数)が理論上の確率である1/6に収束してくるんだ。直感的にもわかると思うが、1/6に収束するまでの時間と1/400に収束するまでの時間は後者の方が圧倒的に長い。1/6に収束するのでさえ2000回以上の試行を要する。お前が打っている牙狼が何回転で1/400に収束するかわかるか?

パチ負け男
確率の収束…?そんなこと考えたこともないぞ…。
勝ち所ジョージ
実際にぴったり1/400に収束するということは無限の試行を要する。だから統計学では何%の信頼度で実際の確率が誤差何%の範囲内に収束するという言い回しを使う。ここでいう信頼度という言葉は厳密には確率と異なるが、ここでは確率と同じものと考えてもらっていい。

例えばお前が打っている1/400の牙狼が95%の確率で誤差10%以内(1/364.3~1/443.4)に収束するために要する回転数は、15万回転だ。これはパチプロでも4ヶ月程度を要する回転数だ。だが誤差10%ではまだ1/364.3~1/443.4の間に差がある。更に正確に、誤差1%以内(1/396~1/404)に95%の確率で収束するのに要する回転数を考えると、答えはさっき言った1500万回転になる。これらの数は、パチンコの大当たり回数が正規分布という統計学では1番有名な確率分布の形を取るために計算できる。

確率 誤差10% 誤差1%
1/50 19000回転(1/45.5~1/55.6) 180000回転(1/49.5~1/50.5)
1/100 38000回転(1/90.9~1/111.1) 3800000回転(1/99~1/101)
1/200 76000回転(1/181.8~1/222.2) 7600000回転(1/198~1/202)
1/300 110000回転(1/272.7~1/333.3) 11000000回転(1/297~1/303)
1/400 150000回転(1/363.6~1/444.4) 15000000回転(1/396~1/404)
パチ負け男
そんなの、長期戦略すぎるよ…。確かにパチンコは長期的に見ないと収支は安定しないって聞くけど、そんな長い期間も要するのか…。
勝ち所ジョージ
まあ、たしかに20年もかかる1500万回転はちょっと長期的すぎるな。もうちょっと短期的に勝てる話をしよう。
パチ負け男
おお…!!!
勝ち所ジョージ
別に魔法のような方法じゃないぞ。20年単位じゃなく、4ヶ月単位で見てみる。さっき言った95%の確率で誤差10%以内に収束するのに要する15万回転が、ちょうど4ヶ月間に回せる回転数だ。

誤差10%の1/364.3~1/443.4は確かに大きな差はあるけど、悪い場合の1/443.4に収束した場合でも利益が出る台を選んで打てばいい。要するに、ボーダーラインを上げることになる。1/400の牙狼のボーダーラインを17とすると、当たったときの出玉は変化せずに確率だけが1/443.4に変化するから、新しいボーダーラインは17×(443.4/400)=18.5となり、1.5上がることになる。この新しいボーダーラインよりも回転率が高い台を打っていれば、4ヶ月単位で収益を得ることができる。よく「ボーダーライン+2~3の台を打て」と言われているのはこれが理由だ。

しかし、95%の確率で1/364.3~1/443.4の範囲内に収束するということは、5%の確率で1/364.3以上または1/443.4以下に収束する可能性があるということだ。両者とも起こる確率は同じとすると、損失が出る場合、つまり確率が1/443.4以下に収束する確率は2.5%となる。よって4ヶ月単位で見ると、それは13年に四月は利益がマイナスになることを表す。しかしこれは他の月で利益を上げていることを考えると大したことない損益だ。逆に97%の信頼度で利益はプラスになる。

もっと縮めて1ヶ月単位で見てみる。1ヶ月で4万回転回すとしよう。4万回転を回した時、95%の確率で収束する範囲は、誤差19.6%の1/334.5~1/497.4の範囲と計算される。さっきと同じ考えで1/497.4に収束した場合でも利益が出るような台のボーダーラインを計算すると、17×(497.4/400)=21.1となり、通常のボーダーラインよりプラス4.1以上の回転率の台を打たなければ1ヶ月で安定した利益を得ることはない。でもボーダーライン+4.1以上の台などそう簡単には見つからないだろ?1ヶ月という短期間でパチンコによる利益を出そうとすることは大変なんだ。

パチ負け男
なるほど…。俺らが信じてた理論上のボーダーラインは、20年間単位という超長期的な戦略の上で意味を成すものだったのか…。中長期的な視点で見るとボーダーラインはちょっと上がるんだな。これが台選びの「落とし穴」だったのか…。
勝ち所ジョージ
その通りだ。お前らはちっとも期待値に近づかないと嘆いているが、理論上の期待値は超長期的に見てやっと収束するんだ。お前らが思い描いているような中長期的な期間で勝つには、ボーダーラインを上げて今までより更に厳しく回転率という観点から台を吟味する必要がある。そうやってプラスの期待値を積み上げていけばお前はパチンコで利益を得ることができるんだ。
パチ負け男
あんた、本当にありがとう。今まで俺がいかに勘違いを起こしてパチンコをしてきたかわかったよ…。これから勝ち放題だ!!フーッ↑↑
勝ち所ジョージ
待て。俺はお前に勝てる方法を教えるためにパチンコの確率を教えたわけじゃない。
パチ負け男
フー??
勝ち所ジョージ
よく考えろ。さっき俺が言った通り、4ヶ月のスパンで牙狼のボーダーライン+2~3を40000回転回せば97.5%の信頼度で利益はプラスになる。でもお前はそれを絶対に実行に移せない。
パチ負け男
フーーーー!?
勝ち所ジョージ
今の時代、ボーダーライン+2~3の台などイベント日にしか置いてないだろう。そしてお前はイベント日の店をひたすら探し回ることになる。そして朝イチで並ぶんだ。お前はこの生活をしている内にいつか絶対こう思う時が来る。

「移動めんどくさいし、駅近で打っちゃおう」

理由はパチンコが大好きだからだ。

「早く打ちたい」

「期待値はマイナスだけどもしかしたら」

お前は元の負け生活に必ず戻る。パチンコで稼ぐやつは総じてパチンコを労働とみなしてる。遊びじゃない。だから楽しいとも思わない。だから論理的に動ける。誘惑がないんだ。そして労働なだけあって体の負担も大きい。移動の毎日だ。時には県外にまで出向く。結局パチンコで稼ぐのも働くのと一緒なんだよ。

パチンコが大好きなやつが大好きなことをしながらお金も貰えるなんてそんな甘い世界じゃないんだ。

パチ負け男
あんた…。俺にパチンコをやめさせるためにわざわざ確率まで教えて…。
勝ち所ジョージ
パチンコ中毒の奴の気持ちは、痛いほどわかるからな。
パチ負け男
あんた、まさか…
パチ撲滅会リーダー
じゃあな。今まで負けた分はパチンコじゃなく、楽なバイトでもして取り返せ。

~Fin~