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 熊本地震で大きな被害を受けた熊本城(熊本市)で29日、「一本石垣」で倒壊を免れた飯田丸五階櫓(やぐら)の下に崩れ落ちた石材を、無人の重機で撤去する作業が報道陣に公開された。

 パワーショベル型の「バックホウ」と呼ばれる重機が作業の主役。数十メートル離れた高所作業車のゴンドラから作業員がリモコンで操る。文化財である石材を傷つけないようゴム製の覆いをつけた五つの爪でつかんで取り除いた。1日約20個のペースで撤去している。

 大林組と産業用機械メーカーの大裕(大阪府寝屋川市)が取り外し可能な遠隔操作装置「サロゲート」を3年がかりで共同開発した。大林組技術開発課の森直樹さん(43)は「まだ落石などのリスクがあるが、安全に復旧工事を進められる」と話した。(池上桃子)