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 「ミックスジュース発祥の店」として知られ、昨年閉店していた大阪・新世界の喫茶店「千成屋珈琲(せんなりやコーヒー)店」が29日、復活した。3代目店主の体調不良でいったん店を閉じたが、子どもの頃にあの甘さのとりこになったPR会社経営白附(しらつき)克仁さん(50)が4代目を継いだ。新世界のシンボルの味を無くしたくない、との思いからだ。

 午前9時。開店と同時に、復活を待ちわびていた客らが続々と店に入った。週1回ほど店を訪れていたという新田進さん(79)=堺市=は「閉店するのはさみしかったので、復活はうれしい」と笑顔をみせた。

 店は元々、1948年創業の果物店。3代目の恒川豊子さん(74)の義父・一郎さんが、売れ残った果物がもったいないと発案したのがミックスジュースだった。60年に喫茶店に衣替え。看板メニューにすると人気を呼び、今や大阪伝統の味に。だが豊子さんが体調を崩し、店は昨夏、約70年の歴史に幕を閉じていた。

 「寂しかった。何とか店を残さ…

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