業務未経験エンジニアと向き合い, 一緒に働き始めるまでの話
私が代表を務めている株式会社ビルディットでは, 創業から1年経ち, これまでに若干名の(学生アルバイトを含む)エンジニア業務未経験の方やエンジニア志望の方と, 開発のお仕事をご一緒させていただくことができました.
今日は, よく聞かれることとして「エンジニア業務経験の無い方と, どのようにお仕事をご一緒させていただくまでに至っているのか」, 初回コンタクトから入社までのプロセスについて書いてみようと思います. 夏休みも近づいてきましたし, 開発アルバイトを検討している学生さん方や, 受け入れ側の企業の方に参考になることがあれば嬉しいです.
ちなみに, 今回の記事は, 「現時点でなにをやっているか」程度の紹介に留めます. これらのプロセスは, 日々改善を繰り返していますし, 細かく理由や背景や意図を書き始めると分量が膨大になってしまうためです. もし「ここをもっと知りたい」「どうしてこういうことになっているのか」「なぜこのようなやり方に至ったのか」「入社した後, どうしているのか」などへのご興味が聞こえてくるようでしたら, またどこかの機会で書くかもしれません. ご了承ください.
なお, 「弊社がどのような会社で, どういった思想で働く場所を提供しているか」については, 他の記事(フリーランスエンジニアをやるのではなく, 開発会社をつくった理由)で書いておりますので, よろしければそちらもご覧いただければ幸いです.
初回コンタクト〜初回面談
初回コンタクトの経路はまちまちですが, 割合としては, 知人紹介経由が8割, 求人媒体経由が2割といったところです. このフェーズでは, そこそこ多くの方とご縁ができますので, せっかく興味を持っていただいた皆さんと時間的な制約からお会いできないのは心苦しいところです. そこで, 実際にお会いするまでに, こちらの環境やお互いの熱量がフィットするかどうかをざっくり見させてもらっています. 具体的にやっていることは以下のようなことです.
- どのような働き方を希望しているのかを聞く(週何日何時間くらい, とか)
- これまでのアウトプットを見せてもらう
- アウトプットを見た上で, 率直な感想を告げる
- 会ってみようかな!と思ったら, 深く考えずに会う
- 会うまでに, 写真やアイコンやプロフィール, メッセージの間隔や言葉遣いなどから, どんな方かを想像する
会うことになったら, 上記の最後にある通り, けっこう想像というか, 妄想します. これはもう私の習慣(悪習?)になってしまっていて, あるときなどは, 面談予定になっていた方が, 面談以前に夢に出てきて先に面談していたこともありました. こんなことを毎回やっているので, 最近は, どうやら妄想の精度が上がりつつあるようです. 笑
初回面談〜業務トライアル
初めてお会いするときには, まずはオフィスの雰囲気を見てもらって, どんなひとがどんな顔をして働いているのか, をみてもらいます. その後で, 1対1で話せる環境に移動して30分-1時間くらいお話します.
面談の目的は, 実際にお仕事をご一緒させてもらう前のステップである「業務トライアル」に進められそうかを, お互いで判断することです. ひらたくいうと, 「お互い, 気持ちよくやれそうかな〜」というのを感じるかどうかのディスカッションですね. 具体的にやっていることは, 以下のようなことです.
- 私からの自己紹介&「どういう会社でありたいと思ってるよー」の説明
- インターン(職業体験)ではなくて, アルバイト(有給でのお仕事)だよ, と伝える
- (弊社に限らず)どうして今, 働きたいと思っているのか, の確認
- 弊社が, その期待に応えられる良い環境になりそうか, どうあったらよさそうか, のディスカッション
- 業務トライアルをやるかどうかの判断
- 業務トライアルでなにをつくるかを決める
弊社では, 業務トライアルで, 応募者の方に向けた独自の仮想プロジェクトを設定し, これに取り組んでもらうということをやっています. ここは, とことん楽しんでもらいたいところなので, 本人の趣味嗜好に合わせて「なにをつくろうか」「どうやってつくろうか」という話だけで結構盛り上がってしまったりします. 一方で, 「つくるぞ」という話をしているなかで, 手を動かすイメージがつくれなさそうなときは, 「どの程度ならつくれそうなのか」を, 簡単なコーディングや質問で確認させてもらうこともありますし, その結果, 業務トライアルに進むことを断念するということもあります.
仮想プロジェクトについては, たとえばこれまでの例ですと, 自作PCが好きな方には「PCパーツショップの売り切れ商品が入荷されたときに通知してくれるサービス」, 照明演出が好き&ハードウェア開発に興味があるという方には「(目覚ましや誘眠のための)時刻設定に対応してLED点灯色を制御するシステム」を設定したりしました.
業務トライアル
業務トライアルは, だいたい7–8時間で設定します. 1日空けることが難しい方には, 2日に分けて実施することもありますが, できるだけ間隔を空けずにやるようにしています.
業務トライアルは, お互いが一緒に仕事をしていくということについて納得感や確信を高めることが目的です. 具体的には, 以下の様なことをやっています.
- 業務トライアルの主旨をしっかり確認
- 先に決めておいた仮想プロジェクトについて, 実行計画をつくる(大枠での設計, つくる順番, 時間配分を決める)
- 実行計画についてレビュー
- 業務トライアルの開始 .. 1,2時間おきにレビューとフィードバック
- メンバーとランチに行く
- 終了1.5時間くらい前に着地点を決める
- 業務報告とフィードバック .. 他のメンバーにもフィードバックしてもらう
なお, この後の面談次第でもあるのですが, 業務トライアルの間に, 私や他のメンバーで, 一緒にやっていきたいか/いけそうかの判断をするようにしています.
面談〜オファー
業務トライアル後は, その日の内に1対1の場で面談を30分から1時間程度おこないます. 以下のようなことを話し合います.
- (業務トライアルの)率直な感想を聞く
- 思い通りにやれたこと, 思っていたよりやれなかったことなどを整理する
- 業務トライアルでつくったものを, よりよくしていくために, どうしていくのが良いかを考える
- 業務トライアルを受けての率直なフィードバックをする
- 自分にとって, 良い場になりそうか, どうすればもっと良くなりそうかを話し合って確認する
- お互いが納得できるように結論を出す
業務トライアル結果については, 私は基本的に後日連絡にはせず, その場で判断するようにしています. 残念ながら有給のお仕事でご一緒できる判断に至らなかったとしても, もしお互いが納得できるのであれば, 「デスクは空いてるから, 好きなときに来てくれて良いよ」と提案させていただくこともあります.
ここでの面談も盛り上がるときは盛り上がりますね. これまでの例ですと, 「プロとして働いている人から, 自分の書いたコードにいちいちツッコんでもらえるのが楽しい. ここでもっとスキルを磨き込んでみたい」というような意見が出たり, あるいは「(仮想プロジェクトの中でも)自分自身の設計価値観やクリエイティブ性みたいなものに気づいた. 働くというときに, これがどの程度(自分にとって)大事なものなのかを確かめてみたい」というような気づきを得る方が居たりと, 私個人としても, タフでありながらもエキサイティングな時間となっています.
最後に
ざっくり書いたつもりですが, やはり結構な分量になってしまいました. お読みいただいた最後に, とても図々しくも大事なお知らせなのですが, おかげさまで多くの方とご縁ができており, 正直彼/彼女らをリードしていく体制がいっぱいいっぱいになっています. ひらたくいうと, 経験ある方にお力をお借りしたい.
こういったご時世ですので, 経験者とはいえ, 自身の継続的な研鑽もとても大事だと思いますし, 私もまだまだ現場でやっていきたい. とはいえ, 一方で, 「つくり手(エンジニア/デザイナー)として働きたい」と熱望する若い皆さんの期待にも応えていきたいと思っています.
というわけで, もしご興味をもっていただける方がいらっしゃったら, ぜひお力をお貸しください. 「転職はしないけど, 応援はするわー」という方, 応援ボタン大歓迎ですので, 以下のリンクからお願いいたします.
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